↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者: 夢
第13章 穏やかな日常

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

170/259

1


 楓花は最近、泉の家では、魔法の練習をしていた。

 最初に覚えたバブルは、それなりに使えている。


 バブルとガードは似ているようなので、今はガードの練習をしていた。

 楓花の身体には、ガードが常時発動してはいるけれど、それを破られたら終わりだ。

近くにいる人を守るためにも必要だと思ったのだ。

 本を読み、使い方のイメージを膨らませ、エルが見守る中で練習をする。

 エルも少しだけアドバイスをくれるのだ。

 アニメや漫画などに触れてきたからか、イメージを膨らませるのはそう難しくはなかった。


 


 翌週、仕事を終えた楓花は泉の家へ向かった。

 1泊2日を過ごし、アートンへ向かった。


 「ケントさん、行けますか?」

 「フーカさん、もちろんだ。準備は出来ている。」

 

 天龍の6人を連れ、リリーとララを迎えに向かった。

 それから、いつも通りに薬草摘みに向かった。

 今回は、緋の花のめしべと清草を摘む。

 リストシアまで空間移動で移動し、そこからはケントを助手席に乗せて走った。


 「リストシアに来た事があるんだな?」

 「はい、リリカの実はこちらで購入しています。ここで収穫されている物は、少し甘味があって特に美味しいって思っています。」

 「そうだったのか。たしかにフーカさんが用意してくれるリリカは美味しい。」

 「ありがとうございます。そう言って貰えると嬉しい。」


 楓花が訪れたあの露店の主は、リリカ農園の妻だった。

 敬一郎は、下級ポーションの量産化に向けて、その農家と契約を結んでいた。

 グリフォン隊の訓練に組み込まれ、毎週運んでいた。


 「ここを入ってくれ。細い道だが魔導車が通るくらいの幅はあるはずだ。緋の花は、ここの少し入ったところに群生地がある。」

 「わかりました。少し待ってください。」

 

 楓花は、マップに入り口をマッピングした。空間移動先に登録するには限りがあるので、リストシアからの移動でいいだろう。

 

 「この先だ。ここを抜けて…そうここで車を停めてくれ。この紅い花が緋の花だ。」

 「へえ…これが…」

 

 楓花は、戸惑っていた。

 どこからどう見ても曼殊沙華だった。

 

 「咲いたら3日で萎むから、めしべを摘める期間は短い。丁度良かったようだな。」

 「大体今の時期ですか?」

 「ああ、だが数日のずれはあるし、花の数も多いから1週間くらいは次々に摘むことは出来る。」

 「そうですか、まあ全部を摘んでは来年以降心配になりますし、1日2日で摘むくらいがいいかもしれませんね。」

 「そうかもしれないな。清草もこの近くだ。」

 「では、車を降りてもらいましょうか?」

 「そうだな。5mほど進んで止めてくれ。俺が呼んでくる。」

 「わかりました。お願いします。」

 

 楓花は、比較的花の少ないところで車を停めた。

 降りてみると、足元の花は既に枯れて落ちていた。

 

 「ナビさん、ガードを10m、ステルス解除にして。」

 『かしこまりました。ガードを10mに設定、ステルスを解除します。』

 

 ケントが2階へ呼びに行っている間に、楓花は倉庫からバケツを取り出した。

 ケント達が使うだろう肉や素材用の10個と採取で使うための1個だ。


 名札を貼り付けると、ケントへ渡した。


 「あ~…フーカさん、出来るならガードをもう少し大きく広げてもらえるか?」

 「いいですよ?」

 「ほら、緋の華は貴重だからな。ガードギリギリを先に採取しよう。獲物で汚してしまうだろう?」

 「ああ、なるほど…それなら車を進めるので、通り道の採取をしましょうか?」


 楓花は、ガードを半径100mに広げると、車の前を採取しながら進んだ。

 それから車に戻ると、群生地の中央付近まで車を進めた。

 群生地のほとんどが範囲内だ。


 「いや、もう…ここのほとんどを飲みこんでいるよね?」

 「そうだな…出鱈目な広さだ。」


 ルーシーとアーサーは半笑いで、ガードを見ていた。


 「今日は、広いままでも良さそうですね。」

 「ええ…まぁ…」

 「フーカさんがいいなら…。」

 「この間、ガードの補強をしたので大きくても大丈夫だと思います。」

 「補強!?そんな事が出来るのか?」

 「ええ、気休め程度ですけどね。」


 最初に内側1mにロープを張った。半径100mに合わせた内径用など用意していないので、10m用から50m用までを間を開けつつ、目視で確認できる程度の隙間を開けて張っていく。それから、ロープの内側と外側の手を伸ばせる範囲を先に採取した。

 この採取には、普段は獲物担当のケントさんやアーサーさん2人も加わっていた。

 緋の華のめしべは、ケントさんが「広く」と言いたくなるほど、貴重な素材なのだろう。

 とはいえ、全部を摘んだりはしない。

 これから踏みつぶすかもしれないけれど、10本に1本は残すつもりで摘んでいった。


 「ふう…外周は終わりましたし、一度お茶にしませんか?」

 「いいですね。」


 楓花の言葉に、ルーシーが同意を示した。

 他の天龍のメンバーとララ達も安心したように笑顔を見せる。

 

 「今日は、ほうじ茶とお団子です。」

 「お団子?3色になっていますね。とってもきれい。」

 「へぇ…ピンク色と緑と白?」

 「緑は、よもぎが入っているけど、白とピンクは同じ味ですね。」

 「よもぎ?ヨモギ草か?」

 「はい。」

 「胃薬の材料だろうに、菓子に使うのか?」

 「そうですね…胃腸に効く薬でもありますが、お菓子にしても美味しいですよ。」

 「そりゃあ…美味しく食べて、胃腸も丈夫になるならいい事ずくめだが…。」


 天龍のメンバーの表情から、美味しいはずがないって思っているのはわかった。

 やはりリュシーとは反応が違うようだ。

 その表情を見て、ララとリリーも複雑な表情をしていた。

 まぁ、スーパーで売っている3本入りのおなじみのお団子で、特売にもよく使われている。特別おいしいものではないけれど、楓花は時々食べたくなる味だった。グリシンが入っているから、柔らかい状態を長く持たせているので身体にいいかはわからないけど、そう悪いものでもないはずだ。


 「まぁ、食感も独特なので、無理はしなくていいですよ。」

 

 言いながら、楓花は団子を櫛から外した。

 こうすれば、食べたい色を選んで食べられるだろう。箸で外し爪楊枝をさした。

 3つに分けて、テーブルの中央に置くと、個包装の菓子を乗せた菓器も間の2か所に置いた。

 菓器に乗せているのは、おせんべい数種類だ。楓花の大好きな黒豆せんべいや生姜砂糖を絡めた舟形のせんべいもある。梅ザラメ味を好むかもしれない。


 「いただきます。」


 とりあえず、全員が最初は団子を食べてくれるようだけど、誰も緑を選ばない。

 まぁ、食べたことのない物だからね。無難な物を選ぶのも仕方がないね。


 「あ…甘い…。」

 「うん、不思議な食感。歯にくっつくような…。」

 「それがもちもちです。」

 「この食感がもちもち?初めて食べる…。」

 

 ケントとアーサーは、そう言って食べつつも緑色を眺めて、考えて白やピンクを食べた。



読んでくださりありがとうございます。

リアクションと合わせて星印を★★★★★~★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。