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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者: 夢
第12章 治療師

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 楓花は、薬師たちに基礎を教え下級ポーションを覚えた事から、大和時間で月に1度ヒシフォートへ行き、金曜夕方から土曜日1日分を掛けて講習を行う事にした。

 イルルジオーネ時間では、3か月に一度4日分になる。

 

 それ以外の週末は、金曜の夜は泉の家で寛いでから、天龍と子供たちを連れてどこかで採取して過ごす。月1回は、港町エカサ近くの山村へ行き、サナと遊ぶことにした。

 

  

 楓花がヒシフォートを訪れる4日間は、各地に散っている治療師達が集まっていた。

 派遣された地域により往復3週間もかかる。そのために治療院を閉める訳にはいかないので、治療院の半数が出席し内容を伝達し、次回は入れ替えて出席する事になっていた。


 楓花が教えるのは、薬師がメインだ。

 薬師たちは、薬師の館で薬を製造していた。

 合間で石鹸なども作っている。

 手順には慣れたようなので、楓花は初級ポーションの作り方を教える事にした。


 初級ポーションは、難しくはない。

 レシピを示し、作り方を教えた。

 衛生の知識もまだ不十分なところもあるので、何度も楓花からの注意や指摘が出された。

 同時に、出来上がったポーションの状態を確認する試験も行う。

 味の変化や色の変化、それから状態をレンズで確認した。


 薬師たちは、楓花の示したレシピ通りに作るが、どうしても楓花ほどの効果は出せなかった。

 それでも、手順を揃え加熱後の取り扱いなどを注意することで、一定の効果があるポーションを作ることは出来た。

 

 「何度やっても秀にしかならないのか?」

 「下級ポーションも秀でクリアではあったから合格だろうけど…。」

 「だからって、フーカ先生が作っている優にならないのは悔しい。」

 「ファイ、そうは言っても、手順も温度も全部同じだ。微調整しても変わらない。」

 「わかっている。その理由がわからない。」


 ファイの言葉に、楓花も答えられなかった。

 自分が教えた通りに作業してくれていた。

 薬草の品質にも問題はない。

 水も清浄な物であり、煮沸の過程にも問題はない。

 ファイは相当に集中しているようで、汗をかいている。

 汗が落ちぬようにヘアバンドのように布を巻き付けていた。

 

 「皆さん、初級ポーションも秀まで作れるようになった方には、初級薬師の免状を出します。週に30本提出を続けてください。提出出来ない週があったら、ただの薬師とします。」

 「毎週30本ですか?」

 「そうです。もちろん、購入者が多いなら沢山作っても構いません。お給料他については、ケイ閣下からお聞きになってください。全員が作れるようになって週に450本出来たとしても、今ならば半分以上は各種薬を作る分になります。今回認定出来たのは8人ですので、7人の薬師の皆さんは、初級薬師の皆さんの仕事を見て学んでください。」

 

 薬師たちは、3か月後に向けてまた作業を始めた。


 その教えている4日間、午前と午後の1時間ずつを中抜けして治療師への時間に当てていた。

 治療師への教えは、持ち寄られた事例に対しての回答だった。

 イルルジオーネの人々と、大和の人々の身体の造りは、魔臓と魔管以外同じだった。

 魔臓は、脾臓の近くに存在し魔力を貯め込む。魔管は骨に沿った血管のような物らしい。

 

 基本的な身体の作りは同じなため、治療師には人体のつくりを教えていた。

 それを知ることで、より正確な治療を促せるのだ。魔臓や魔管の働きはわかっても、他の臓器との関係はわからないので、追々確認出来た時に追記するしかない。


 「人の身体は、手足についてはこのように骨それから魔管、肉と言われる筋肉や腱があります。中に血管や神経が通りっています。そして表面の皮膚があります。」

 「皮膚も細かく言うと表皮、真皮とあり…各種薬で治療出来る範囲は…」


 楓花が説明をしていくと、さらに質問が重なる。

 それを繰り返す事で、治療法を少しずつ確率していくことになる。


 治療師になる時に、ガーゼの当て方と包帯の巻き方は教えていた。

 だが、基本の方法では上手に巻けない位置の手当についても、話ながらやって見せる。すぐに教えられない部位については、持ち帰りにさせてもらった。敬一郎さんの執務室の片隅を借り、スマホで調べてから翌日回答した。


 そのQ&Aは、敬一郎の手配した書記官がまとめている。

 それを楓花と敬一郎が確認し、過不足を検討し修正した。それを次回の時に印刷したものを用意し、配布した。

 それらがある程度の冊数になった時に、各部門に分けて再編集し、よりわかりやすい資料にする。それを繰り返していく事にした。

 

 薬師の育成をした週は、5日目の朝ヒシフォートを出ると、車の倉庫に入っている肉を売りに行った。

 天龍達が狩る数が多いため、売り切るのを止める事があった。そういった肉をこの時に放出していた。

 売り先は、いつものアートンとヒルストンだ。

 いつもの定期販売をすると、泉の家へ行きエルの元に1泊過ごした。



読んでくださりありがとうございます。

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