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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第1章 物語の始まり

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11


 「お待たせしました。」

 「とんでもない。とても居心地がいい。」 

 「お茶入れますね。お湯を置いていくので、おかわりはご自由にどうぞ。」


 楓花は、ティーバックを3つ開けてカップに入れると、お湯を注いだ。

 

 「こうやって揺らすとお茶が出てくるので、適当なところで取り出してください。」

 「はぁ…」

 

 楓花はティーパックを入れた籠を置いた。


 「どうぞ。」

 「ありがとうございます。」


 ケインさんがお茶を受け取り、もう一人にも渡した。

 ルーシーさんはあちこち見ていた。


 「ルーシーさんもお茶をどうぞ」

 「お茶!?ありがとう。」


 ルーシーさんが座ってお茶を手にした。

 カップを持ち上げるのを見ていた。

 口に合うだろうか?


 「美味しい…」

 

 ルーシーさんのしみじみとした言葉に嬉しくなる。


 「お口に合ったようでよかったです。」

 「合います。とても美味しいです。」

 「皆さん食べられない物はありますか?」

 「え?いえ…食べられない物なんてありませんが…」

 「それなら、お夕食作りますね。お時間かかるので、こちらを使ってシャワーでもどうぞ。」



 楓花は、森で出会った人達に2階を解放し、招いた彼らにシャワーを勧めた。



 「シャワー?」

 「お湯を浴びて体を洗ってください。」

 「はぁ?」

 「お湯?」


 「えっと…こちらへどうぞ。」


 楓花は、シャワーを知らない様子の3人を連れて奥へ行った。

 3人がシャワーを浴びるくらいの水はあるだろう…多分。使えないならこんな造りはしていないはず。

 楓花は左側のドアを開けて見せた。


 「ここがお手洗いです。蓋を開けて用を足したら、横にあるペーパーでお尻を拭いて右横のレバーを手前に引いてください。」

 「はぁ…」

 「ここで手を翳したら水が出てくるので、洗えます。ここにあるのは手洗いソープです。」

 「はぁ…」

 「それで、隣のこちらが…脱衣室とシャワーです。」

 

 お湯の温度は42度になっているので、お湯だけで浴びられるだろう。


 「これがリンスンシャンプーでこっちがボディソープです。」

 「リンス?ボディー?」

 「えっと、石鹸は使わないですか?」

 「石鹸なの?」

 「はい、こっちが頭用で、こっちは体用です。」

 「液体なのね?どのくらい使えばいいの?」

 「髪を洗うならこのくらい。体を洗うのも同じくらいかな?」

 「なるほど…本当に使っていいの?」

 「もちろん、あと上がるときにはこれで体拭いてください。」

 「ふわふわ!?」


 フェイスタオルに驚いているようだ。

 普通の布とタオルでは織り方が異なるから、布しかないのなら無理もないかもしれない。

 

 「では、順番にどうぞ。」


 楓花は食事の準備のために下へ降りていった。


 

 「ねぇ…魔導車ってこんなにいろいろな機能あるの?」

 「いや、聞いたことねえな…」

 「俺も初めて見ました。このお茶…かなりいい品ですね。」

 「そうよね…いい香り…。」

 「いや、そもそも茶なんてそうそう飲める物じゃないって…」

 「うん…」

 「まぁいいわ。私はシャワーを浴びてみる。頭用の石鹸なんて初めて使うもの!」

 

 ルーシーは、うきうきとしながらシャワールームへ消えていった。

 ケントとアーサーは顔を見合した。


 「まぁ、使っていいというなら使わせてもらおう。」

 「ああ、だが…全然見合わないな…」

 「そうだな。」

 

 ケントが、自分の手を見つめて実感するかのように頬を叩いた。

 それを見ているアーサーは、握った手の内側で爪を立てていた。痛みが現実だと教えてくれる。


 「ついさっきまで死ぬか生きるかの瀬戸際だったのにな…。」

 「ああ、あのガードを見た時には助かったと思った。」

 「…。」

 「フーカさんは、気の良さそうな姉さんでとても大魔導士様には見えねえ…。」

 「それはわかる。」

 「だから、つい甘えたことを言ったわけだが…。」

 「あの治療には驚いたな。ポーションをあんなに大量に使うのには驚いた。」

 「ああ、しかもすぐに効果が出るなんてな…。」

 「そうだな。あれだけの傷と出血なら、普通は…助からない。腕なら切り落とせばいいが、体をやられたらだめだ。」

 「普通は…な…。」

 「そうだ。普通はな…。助けられるなんて…夢みたいだ。」

 「ああ、俺たちもな…」

 「そうだな。それに、やっと目的のブラックベアーが手に入った。毛皮と牙や爪を持ち帰って、肉は干し肉にして持ち歩ける。きっと、家まで帰られるさ。」

 「なぁ…この魔導車で町まで、いや近くの集落まで連れて行ってもらえないか相談してみないか?」

 「それは…ずうずうしいだろう。」

 「そうだけど…」

 「一晩泊めてくれるだけでも、俺たちは救われた。」

 「わかっている。だが、テンとハナは動けるようになるには時間がかかる。」

 「それは…そうだな…。」


 「もう最高、すごかったわ。」

 

 ケントとアーサーが真剣に話し合っているところに、ルーシーが賑やかに出てきた。

 汚れてくすんでいた金髪がキラキラと輝いている。

 

 




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