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リリカの汁を加えた効果が強い物を見てみる。
『下級ポーション:最上級品。12時間かけて傷を癒す。飲むと3時間ほどで痛みが引く。』
「う~ん、効果があるようなないような?」
「それは何?」
「下級ポーションを作ってみました。効果はいまいちっぽいです。」
「そうなの?」
「ええ、下級ポーション:12時間かけて傷を癒す。飲むと3時間ほどで痛みが引く。ですって。」
「十分では?下級ポーションで効果が確約できるなら素晴らしいです。」
「え?」
「下級ポーションってあまり効かないものです。」
「そうなの?手間の割には効果が薄くて驚いていたのに…。」
「十分強いですし、名の通った薬師でもここまでではないです。」
「そうなのね…これどうしよう…。」
「冒険者ギルドへ持っていったら売れると思います。」
「そうかな?いつも薬を買ってくれているところには、効果が薄くて申し訳ないかも。」
「それなら、閣下にご相談してみては?」
「それしかない?」
「はい、それに…閣下が表に立つと約束してくださっているなら、相談したほうが…。」
「そうよね。」
「何か嫌な理由でも?」
「嫌ではないのだけど、お城に行くとなるとお化粧したり、ドレスきたりと面倒でしょう?」
「え?そこですか?着飾ったらいいじゃない。きれいなのに、パンツスタイルばかりではもったいないですよ。」
「お世辞はいいから…」
ルーシーはお世辞じゃないのに、と苦笑いしてしまう。
フーカさんは着飾れば、やはりいいところのご婦人なのだ。今のパンツスタイルも恰好いいし、浮世離れしているには違いないのだけど、お城での着飾った姿はやはり別物だった。
この方、いいところのお育ちなのに、どうしてこういろいろと作業するのが得意なのかわからない。
料理も上手だし…今日も干し肉と燻し肉を作りながら、同時進行でポーションを作っていた。無駄がない動きだ。お城の使用人だってこれほどの仕事を同時進行で進められはしないだろう。
お陰で、ハナとテンとダンの3人はずっと肉を焼いているし、ケントとアーサーは寄ってきた獣を倒しては解体をひたすらに繰り返している。
いつも通りに今日も大量のお肉を手に入れている。いくら魔道具を使おうとも干し肉や燻製肉にするには時間が掛かるから、生肉も大量に納められるだろう。
そして、ポーションも出来上がっていく。
うん、まったくもってわからない。
ルーシーは考えるのを止めて、作業に集中した。
冬の始まりで雪はまだだけれど、今回の獣たちは、冬毛をしていてもふもふだ。そして、身には脂がのっていた。
燻製肉や干し肉に使っているのは、今回の肉ではないらしい。
事前に、楓花が調味液に付け込んだ物だ。肉をよくある青いバケツに入れていた。16Lのバケツに肉と調味液を入れ、混ぜて時間停止のない倉庫の中央に置いておいたものだ。
1個に10㎏の肉を入れてある。さらに500gの塊肉を漬けた物も用意していた。
こちらは、明日の朝からじっくりと燻し焼きする予定だ。朝から昼まで6時間かけてじっくりと燻せば厚さ6㎝くらいなら火が通るはずだ。
干し肉は、冷たい風で自然乾燥させているけれど、一部は機械に入れて乾燥させていた。凍結乾燥と温熱乾燥の2種類だ。
もはやどのくらいの肉を処理しているのか、わかる者はいなくなっていた。
翌日の午後、燻製の塊肉が18個と、燻製肉の薄切りが98袋、薄切りの干し肉が201袋、それと楓花用の温熱乾燥と凍結乾燥の肉が6袋ずつ出来ていた。
下級ポーションは、306本もある。
楓花は、籠に下級ポーション6本と燻製の塊肉を8袋、燻製肉18袋と干し肉18袋を入れていく。
ヒルストンで肉を売り、アートンで肉を売った後には、天龍のチームハウスの庭にいた。
「では、肉の販売とは別にこれをどうぞ。こっちのゆるーい袋の燻製肉は早めに食べてくださいね。あとは、預かっていた木の実ウサギ肉よ。」
「いつもありがとう。」
いつも以上にニコニとしている楓花から受け取ったが、ケントとアーサーは嫌な予感がしていた。
「次は、16日後か17日後くらいに来ますね。では失礼します。」
「ああ、気を付けて。」
楓花を見送った、天龍のメンバーは家に入った。
ケントは、ルーシーから鑑定レンズを受け取った。
「この大きな塊って燻製肉だよな?」
「でも、この袋って何?ジッパー袋とも違うよね?」
「そうだな。ああ、ここに三角の切れ込みがあるからここから開けるのか?」
ケントは鑑定レンズで見る。
【オークのハム:柔らかく燻煙の香りがする肉。非常においしい。賞味期限は未開封であれば90日、開封後は1日で食べること。】
「い!?」
ケントの声に、アーサーもレンズを覗いた。
「いやいや、長いって…」
「どうなの?」
「うん、フーカさんだね。こっちは?」
「ああ、こっちの袋は7日だけだから先に食べないといけないな。」
「7日でも十分長いって…生肉とは大違いだ。」
「本当にな…。」
「今日は、生肉を焼いて食べよう。木の実ウサギだ。うまいぞ!」
「そうね。楽しみ。それに、ヒルストンで芋も沢山買えたから、しばらくは安泰だわ。」
保存庫には、ブラックベアーにオーク、木の実ウサギにツリーホーンといった肉がたっぷりと入っていた。5日分の肉だ。それに90日持つハムという燻製肉の塊と1週間もつ木の実ウサギのハーブ漬けまである。食料は1週間先まであった。
イルルジオーネに限れば、金銭的にはもう十分なほどに余裕が出来ていた。
最近では、自分たちの受け取り分の金は証文にして、ギルドへの貸付にしていた。
それでよいほどに余っていた。
そして、ギルドはポーションでの治療と大量の肉から作った干し肉を売ることで莫大な利益を手に入れるようになっていたらしい。
ギルドの建物は裏の区画に建て直し中で、隣には治療院も建てていた。
今は、ギルド隣の建物を仮の治療院としていた。
2人の治療士は、楓花の薬を使い治療を施していた。
ここの治療は、ヒルストンや領都とともに評判となっていて、商人たちが身内を連れてくるまでになっていた。
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