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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第7章 騎士団との共闘

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 それにしても…あの貴重な木の実ウサギの肉を、保存庫から溢れるほど購入する日が来るとは…。

 フーカ様のお使いになっていた入れ物もアイテムバックだった。見た目からは想像できない量が入っていた。

 あまりにも才能豊かな方だと思ってしまう。

 あれらを仕留めたのが天龍でも、その彼らを選んだ才能が素晴らしいとギルバートは考えていた。

 そもそも、アートンの天龍というのは名の知れた冒険者チームだった。

 4年前、仲間の1人が脱退してから、その名を聞くことは少なくなっていたが、その理由は今日わかった。

 少年・少女を3人も加えていては危険な依頼は受けられない。

 彼らが育つまでは、護衛や採取と言った地味な依頼を続けるのだろう。

 だが、それでも腕はなまっていない。その証拠に今回これほどの大物を仕留めてきたのだ。


 翌日、子供たちを置いて出かける事になった。

 天龍のハナ・テン・ダンは、屋敷で預かることにした。

 ギルバートは、屋敷の事を部下の執事たちに任せ、旦那様へ同行することにした。



 旦那様は、フーカ様の車に乗るというのでギルバートも同行する。手首に印を貼り天龍たちと共に外2階の部屋へ入らせてもらった。

 あまりの広さに驚愕した。

 梯子を上って上がった先には、ベッドルーム2つとベッドだけの部屋が4つあったのだ。

 広い…これほどの空間拡張、そしてそれを維持し人が入って動き回れるとは…信じがたい。

 空間拡張は、アイテムバックなど物を入れるために使う能力であり、生活空間を広げるために使うなど聞いたことがない。

 しかも、人が入り、このように動き回れるなど…。


 「ギルバートさん、ここに座ってください。」


 ルーシーに、ベッドへ座るように唐突に言われたギルバートは、一瞬誘われたのかと思ったが、ケントとアーサーもいるのでそれはないと思い直した。


 「なぜベッドに座る必要があるのですか?」

 「ベッドで申し訳ないけど、この向きで座れるのがここしかない。」


 今度は、ケントが困ったように言う。

 理由はわからないが、この向きである必要があるらしい。フーカ様からのご指示だろうから仕方がない。

 ベッドに天龍の3人と並んで座る事になった。

 グリフォン隊は、グリフォンで別行動にて向かう事になっていた。


 「到着した。」


 乗ってそれほど立たないうちに旦那様が、2階へとやってきた。

 ギルバートが急いで降りると、周囲には守護壁が展開されていた。

 歩幅15歩以上はある。これほどの守護壁を展開できるとは…先代に近い才能をお持ちなのか?


 天龍の3人は降りてくると、車の後部ドアを開けて何やら道具を下ろし始めた。

 見慣れない道具だが、細長いテーブルのようだ。

 そして、なぜかテーブルとイスも並んだ。

 イスは4脚しかなく、テーブルは1台だ。

 少し離れたところに目にも鮮やかな青い布を2枚広げ、その4隅に杭を打っていた。


 ルーシーはテーブルを拭き、フーカ様がポットを持って降りてくる。

 ギルバートは急いで、フーカ様からポットを受け取りに向かう。


 「ギルバートさん、これを長机に置いてください。」

 「ルーシーさん、これも長机に…」


 車の後ろの扉は閉められ、車から3歩離れた場所に長机が1台あり、車の横にはテーブルとイスのセットが置かれている。

 少し離れたところに青いシートが敷かれその向こう側には、焚火のための枝と枯葉が積まれていた。枝の積まれた場所は車の左右と後部だ。前を開けているのは、緊急時のためだろう。


 フーカ様がその焚火用の枝山へ近づくと腰を折り、すぐに火が上がった。

 これは素晴らしい。珍しい火の魔法をお持ちか…。

 1か所に着火すると、ケントとアーサーが種火を運び他の2か所にも火をつけた。


 グリフォンが降りてくると、ルーシーが騎士たちにフーカ様から預かったお印を与えていた。

 グリフォンたちが一斉に飛び立った。

 ここにいては、獣たちが警戒するため、少し離れた場所に待機するためだ。


 「フーカさん、渡しました。」

 「ルーシーさん、ありがとう。」


 騎士たちが守護壁内へと入ってきた。彼らは、テーブルのない側へと整列した。総勢18名である。

 部隊は24名編成だが、4名は城で待機しており、2名はグリフォンを連れて待機場へ向かっている。


 旦那様が彼らの前へ立つと、天龍の3人もその横へ立った。

 騎士団長のリハルドは、旦那様の近くにいた。


 「これより、山の調査を行う。目的はホワイトジャイアントがいた理由を探ることだ。他の獣はいるのかどうかも含め、調査せよ。討伐は目的ではない。探索中は極力探索のみを行うように。」

 「は!!」


 旦那様が後ろへ下がると、リハルドが前へ出た。


 「今から5名のチーム3つと3名に分かれてもらう。3名はここに待機し、フーカ様と旦那様の護衛を務めよ。」

 「は!!」

 「この裏に敷物の用意がある。今から捜索範囲を決める。」


 敷物にマップを広げ、捜索範囲を再度確認する。グリフォンで地上から見るのもよいが、それでは下にいる獣が警戒するため、今回はこの露草群生地の周囲5㎞を確認することとした。

 騎士たちが立ち上がると、フーカ様とルーシーがトレイを持って近づいた。


 「出立されるのでしたら、こちらをどうぞ。」


 何やら飲み物を出しているようだ。

 フーカ様に給仕をさせるわけにはいかないと、ギルバートが近づくがそれでは遅く騎士たちはそれを飲み始めた。

 一口飲んで笑顔を見せ、飲み干すと守護壁から出ていく。

 騎士たちのチームは、剣士3名、弓士1名、魔法師1名で組まれている。

 3チームが出ていくと、残ったのは女性騎士2名と騎士の中で一番若い騎士だった。

 それに私と旦那様、騎士団長のリハルドと天龍の3名だ。


 「皆さん、ずっと緊張していても仕方ありませんから、こちらをどうぞ。」


 騎士たち3名と天龍の3人は、青い敷物へと座った。

 その中央にはトレイがありカップとクッキーがあった。


 「ギルバートさんもこちらに座ってください。」


 フーカ様は、旦那様とフーカ様、それにリハルドが座っているテーブルに私まで誘ってくださる。


 「とんでもございません。私はこちらで…」

 「ギルバート、座れ。」

 「かしこまりました。失礼します。」


 旦那様の前の席を与えられたので、有難くお受けしました。

 フーカ様がお茶を下さったので、それを頂く。

 香り豊かな茶葉だ。嫌味のないすっきりとした口当たり。

 茶葉とその淹れ方の素晴らしさに感服してしまう。



読んでくださりありがとうございます。

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