表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第6章 娘たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

111/113

20

4万pv超えました♪

沢山の方に読んでいただけて嬉しいです。


 ギルバートは、あっけにとられていた。

 フーカ様が、無表情で巨大な身体を放り投げ、頭や腕などを取り出していく様子は、かなりシュールだった。

 ギルバートも若いころは騎士団に入り、活躍していた時期もあったが、これほどのホワイトジャイアントなど見たことがない。

 明らかに異常な大きさだ。

 体長は10m近く、横にしている身体の厚みが、人間よりも遥かに厚い。

 山の主か何かだとしたら、この後の山は危険かもしれない。その地位を巡った争いが勃発するかもしれない。


 だが、それよりも…これほどの大物を仕留めた天龍の実力は、称賛に値する。

 そんな彼らを護衛に選んだフーカ様の運の良さなのか、見極める力なのかはわからないが、それもまた…貴人に必要な素質か…。


 フーカ様が、車の後部にある梯子を上がり、声を掛けた。


 「あれぇ?もうかえるの?」

 「違うわよ。少し用事があって来たの。」

 「リリーさん気を付けて降りてね。」


 リリーとサナ、天龍の者たちが降りてきた。

 ギルバートも魔導車だとはわかっていたが…これほどの人数が乗り込めるのかと驚いてしまう。

 それにしても、彼らの服装は随分と派手な色だ。これほどの色に染められるものなのか…。

 このような色を着ていては、獣を引き寄せてしまうのではないのか?


 「うぁ…」

 「大丈夫よ、首を落としたから動かないよ。」

 「はぅ…うっ…」

 「大丈夫、大丈夫…」


 サナが泣きそうなのを、フーカ様があやしている。

 本当に子供がお好きなようだ。

 慈愛に満ちた表情をなさっている。


 リリーの様子も気にしていらっしゃるようだが、リリーは落ちた首を見て理解したようで、毛に覆われた巨体に興味を見せている。


 「天龍の…」

 「ギルバート様、お世話になっています。」

 「ケント、フーカ様と子供たちをよくぞ守りましたね。」

 「まぁ…さすがに血の気が引きましたが…」

 「旦那様から急ぎ指示をいただきましたが、これほどの大物とは…」

 「俺たちも初めて見ました。」


 ケントの挨拶を受けていると、空が暗くなりグリフォン隊が戻ってきた。


 「楓花さん、ご無事ですか?」

 「ケイさん、大丈夫ですよ。」


 旦那様が出てきて、フーカ様に声をかけている。

 ギルバートはすぐに、旦那様の元へ行き近くに控える。


 旦那様は、フーカ様にお声をかけられ、それから目の前の巨体に言葉を失っていた。

 さすがの旦那様もこの巨体では、この反応も当然だろう。

 グリフォン隊が降りてきた。


 「閣下、ただいま戻りました。」

 「ご苦労。これは大物だな。」

 「はっ!仰せの通りにございます。」

 「天龍…ご苦労だった。」

 「ありがとうございます。フーカ様のお陰です。」

 「楓花さん?それはこれから詳しく聴きたい。天龍のこのホワイトジャイアントは丸ごと買い取らせてもらう。白銀貨3枚でどうだ?」

 「は?はく…白銀貨3枚!?もちろんです。みんないいな?」

 「ええ…なんだかもう…」

 「俺たちはそれでいいが、フーカ様はいいのか?」

 「そうだった。申し訳ありません。」

 「私なら構いませんよ。大きさに驚きましたが、珍しいなら…尚更、騎士団でしっかりと調べてください。仕留められたのは天龍の皆さんのお陰です。前日に仕留めたのとは全然大きさが違って…。」

 「前日も?」

 「はい、5mくらいの大きさでしたね。」

 「5mですか…。場所はどちらで?」


 フーカ様は、場所がわからないようで首を傾げられた。

 ケントがそこへ入ってくる。



 「場所は、ヒシヤス山の中腹です。」

 「ヒシヤス山?あそこにホワイトジャイアントなど…」

 「今まで出たことはなかった。」


 旦那様の視線を向けられたので、ギルバートは応じる。


 「私も、そのような話は聞いたことがありません。」

 「ならば、何が起きているのか調査は必要だな。」

 「かしこまりました。そのように手配いたします。このホワイトジャイアントはいかがしましょうか?」

 「大きさの正確な記録。体内の正確な記録もするように。」

 「かしこまりました。」

 「楓花さん、前日のホワイトジャイアントの毛皮などはありますか?」

 「はい、それはありますが…お肉とか心臓と肝臓もあるはあります。でも少し食べました。」

 「それは構いません。サイズを確認してお返しするので、見せてもらえますか?」


 旦那様の言葉を受けたフーカ様が、天龍とアイコンタクトを取ってから了解した。


 それから、大急ぎでフーカ様の車に積まれていた心臓や肝臓のサイズを測り、毛皮を買い取った。魔石もかなり大きなものだったが、それはフーカ様へと返された。


 「楓花さん、今回の時間は最大で何日いられますか?」

 「え?最大ですか?…あと2日ですね。それ以上は無理です。」

 「では、今日は屋敷に泊まり、リリーとサナと過ごしてください。天龍の皆にも部屋を用意する。そして、明日と明後日は申し訳ないが、もう一度ヒヤシス山へお付き合いください。今度はグリフォン隊第一騎士団と私も同行する。いいですね?」

 「はぁ…わかりましたけど…それでは木の実ウサギを売りに行けないわ。」


 フーカ様は、二つ返事ではなく、愚痴までおっしゃられた。

 だが、木の実ウサギであれば我々でも十分に協力できる。

 

 「旦那様、木の実ウサギであれば買い取っては、いかがでしょうか?」

 「そうだな。楓花さん、天龍、ギルバードと交渉をしてください。」

 「あら、それでいいのかしら?どのくらい買い取りますか?」


 フーカ様が、うふふっと嬉しそうに笑った。


 「いかほどありますか?出来る限りの受け入れを…」

 「ギルバート、それは危険だ。楓花さんだからな。受け入れられる量をこちらで示せ。」


 旦那様は、そうおっしゃるとホワイトジャイアントの元へ行ってしまわれた。

 数分後、おっしゃっていた意味が分かった。


 脂の乗った上等な木の実ウサギの肉が信じられないほど大量に出てきた。

 小さな入れ物だったが、その中身は底なしだった。これでは、全部購入することは難しい。保存できる量ではなかった。

 だが、木の実ウサギの毛皮は全て買い取った。

 柔らかく長毛であるので、冬のコートなどに重宝する。これほどの質の物はそうそう出回らないのだ。


 フーカ様は、なかなか手ごわい交渉相手だった。

 まるで商人のように計算が早く、表情に出さない。

 しかも、交渉を終えると子供のようにお喜びになるから、年寄としてはもうお手上げである。やはり、このような方が旦那様には、お似合いであると思ってしまう。



 「執事長、フーカ様は、サナとリリーを抱きしめながら眠られました。」

 「そうか…一緒に?」

 「はい、2人がわがままを言った事もありますが、フーカ様はあっさりといいですよ~とおっしゃっていました。」

 「そうですか、子供ですから致し方ありませんね。」

 「まるで庶民の親子のようです。フーカ様は、子供と過ごすにも抵抗がないようですね。」

 「それは、貴族らしくないと言いたいのか?」

 「いえ…申し訳ありません。失言でした。」

 「庶民に、あのような所作が出来ると思いますか?」

 「いえ…庶民どころか私にも無理です。」

 「そうでしょう。天真爛漫な方ですが、押さえるべきところはしっかりと押さえていらっしゃる。普段は直接的にお話しになることもありますが、必要であればすぐに切り替えなさる。」

 「はい、存じております。」

 「今日はもう下がりなさい。」

 「はい、失礼します。」



 フーカ様の部屋につけているメイドを下がらせた。

 お休みの間は、騎士だけで対応が出来る。メイドは明日の朝戻ればよい。

 旦那様は、ホワイトジャイアントの死体をそのまま保管なさると決められ、宝物庫のアイテムバックへと収納なさった。

 明日の討伐にも参加なさるから、そこでの獲物も持ち帰ってくるだろう。

 それからじっくり時間をかけるおつもりなのはわかった。



読んでくださりありがとうございます。

リアクションと合わせて星印を★★★★★~★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ