表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第6章 娘たち

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

110/113

19


 暗くなったことに楓花たちは顔を上げた。

 そこには、昨日よりも大きなホワイトジャイアントが立っていた。

 大きい、大きすぎる。

 それが少し動くと周囲の木々がなぎ倒され、ガード内へと倒れてくる。


 「ハナさん、サナとリリーさんを連れて車の2階へ上がって。」

 「はい!!」


 楓花がハナさんに頼むと、ハナさんが2人を連れて車へ走った。

 そこにケントさんも声を上げた。


 「ダンとテンも車に戻れ!」

 「はい!!」

 「楓花さんも車に…」

 「私も戦います。あの巨体ではガードがあっても厳しい。」


 よく見ると、ガードとほぼ同じ高さだ。

 つまり10m近い体長がある。

 楓花は、ウエストポーチに手をかけた。

 弓と矢を取り出すと、矢をつがえた。

 目か口を狙うしかなさそうだ。もしくは眉間を狙えるといいけれど、届くだろうか?


 1本射ったが刺さらない。

 まっすぐに飛ばさないと無理そうだ。

 

 「高いところから頭を狙います。矢が刺さったらお願いします。」

 「わかった。」


 楓花は、キャビンに入り3階に上がった。それでおおよそ6mの高さだ。

 ここからなら、斜めでも直線に近い。そこから立て続けに矢を3本射る。

 

 1本は外れたが、1本は片目をつぶし、もう1本は浅く刺さった。

 ホワイトジャイアントが暴れ、木が倒れてくる。

 動きが止まるのを待ち、次の矢を放つ。

 もう片方の目に刺さり、それから立て続けに放った矢の1本が深く刺さった。


 ホワイトジャイアントが、ふらふらとし始めると、ルーシーさんのアイスジャベリンが頭に刺さっていく。

 頭を下げたところでアーサーさんが飛び上がり、ケントさんは大剣で足を払った。

 倒れたホワイトジャイアントの首にアーサーさんの剣が刺さったが、致命傷にはなっていない。

 楓花は、急いで車から出て向かっていく。


 仕留めきれていないホワイトジャイアントが、体を起こそうとした。

 そこに到着した楓花が、剣で腕を払い切り落とした。

 倒れこんだホワイトジャイアントの首を狙いケントは、もう一度大剣を振り下ろした。

 4回目でやっと首が落ちた。


 「はぁはぁ…大きすぎる…」

 「びっくりした…ごめんなさい。なかなか矢が刺さらずに時間が、かかってしまったわ。」

 「いや、倒せたことが奇跡だ。こんな大物…楓花さん、この手と頭をそのまま持ち帰るのは難しいだろうか?」

 「このままですか?」

 「大物すぎるから、報告をしておいたほうがよさそうだ。」

 「報告ってどこに?」

 「ギルドを通して、領主様だな。」

 「わかりました。それでしたら…解体せずに呼びましょう。ここはヒシフォートの範囲ですか?」

 「ああ、そうなる。」

 「では、少々お待ちください。」


 楓花は車に戻り、ガード範囲を20mに広げた。

 それからグリフォンの笛を吹いた。


 サクラを待つ間に、敬一郎にLIMOで大物だから騎士団をと連絡を入れる。

 敬一郎がこちらにいない可能性もあるから、サクラに第一騎士団への手紙を預けるつもりで手紙も書いた。


 数十分後にサクラがやってきた。


 「サクラ、来てくれてありがとう。」


 サクラを撫でて、お礼に木の実ウサギの肝を与えた。

 そうしていると、グリフォン隊第一騎士団も続いて降りてくる。


 「これはまた…」

 「リハルドさん、急に申し訳ありません。倒すことは出来たのですが、大物過ぎて…どう取り扱うものか教えて欲しいのですが…。」

 「これはフーカ様が?」

 「まさか、天龍の皆さんです。私では、とても無理です。シールを張るので、中へ入ってください。」


 楓花は、騎士団の人たちをガード内へ招いた。


 「こんな大物を3人で狩ったのか?」

 「いえ、フーカさ…フーカ様と4人です。フーカ様が目を矢で潰し、ルーシーがアイスジャベリンで頭を狙い、俺が足を落とし、フーカ様が腕を落とした。それでアーサーが首を狙い、俺が最後に頭を落とした。」

 「とんでもないですね。4人でこれを…。」

 「どうしましょうか?」


 楓花が問いかけるとリハルドが苦笑いをした。


 「これほどの大物でしたら、このまま持ち帰りたいぐらいです。」

 「いいですよ。」

 「いえ、これほど大物だとグリフォンでも運ぶのは…」

 「リハルドさん、私が収納を使えば運べますが…」

 「よろしいので?」

 「かまいません。」

 「では、お願いします。もちろんこれは騎士団で買い取らせていただきます。」

 「それは、査定が楽しみですね。血を抜いたほうがいいですか?」

 「出来ましたら…」

 「では、ちょっと失礼…」


 楓花は、ホワイトジャイアントの首に解体ナイフを差し込み、血抜きを命じた。

 札を置いたすぐ下へと血が染み込んでいく。


 「天龍の皆さん、一度ヒシフォートへ行ってもよろしいでしょうか?そのあとで続きをしましょう。」

 「わかった。それで構わない。」

 「では、失礼して…」


 楓花は、ナイフを回収しホワイトジャイアント本体をバックに入れると、続いて切り落とした足と腕も収納した。サクラを撫でまわしてから帰らせると、天龍の3人には、車へ乗ってもらった。

 このままだと木が散乱して危ないので、倒れた木も収納していく。

 片付けをしてから、ヒシフォートへ空間移動し、街中をゆっくりと走っていく。

 お城の前庭へ到着すると、グリフォン隊のお城へ残っていた部隊が、私たちが到着するのを待っていた。


 2階では、天龍の3人が子供たちに倒したことを教えていた。

 彼らも興奮したままだったので、その過程の説明ではかなり熱が入っていた。


 「フーカ様、ご無事でよろしゅうございました。」


 執事長のギルバートさんが駆け寄ってくると、済ました顔で挨拶をしてくれた。


 「ギルバートさん、ケイさんはいらっしゃらないの?」

 「すぐに参ります。ホワイトジャイアントでしたか、第一騎士団を待たねばなりませんな。」

 「いえ、ホワイトジャイアントなら私が持ってきました。出してもよろしいの?」

 「は?はい、ではこちらにお願いを…」


 楓花は、バックの中からぎゅむっと掴んで取り出した。

 どういう仕組みなのか、完全に出ると楓花には、重くてどうにもできなくなるので勢いが大事だ。


 ドサリと落ちたホワイトジャイアントは、体の厚みだけでも見上げるほどだった。


 「頭と」


 楓花が頭をぽいっと取り出した。


 「腕と…」

 「足…これで全部です!」


 楓花が笑顔で振り向くと、ギルバートをはじめとした屋敷の人たちが、立ち尽くしていた。


 「なんだ、これは…」

 「あまりにも大きいから報告をしたほうが、いいってケントさんが言うから、声をかけさせてもらったの。」




読んでくださりありがとうございます。

リアクションと合わせて星印を★★★★★~★☆☆☆☆にしていただけると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ