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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第6章 娘たち

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 「フーカぁーーー」

 「あら、起きたわね。」

 「だね。」


 ベッドに残してきたサナの声に、リリーさんが、苦笑いを浮かべた。

 真面目にお話しする時間は終わりのようだ。

 楓花はサナの元へ行き、抱き上げてソファーへと連れてくる。

 ナデナデして、ぷくぷくの頬を両手で挟んでその可愛らしさを堪能する。

 

 さて、どうしようか。

 お腹がいっぱいで、おやつタイムはいらないだろう。

 ポーションでも作ろうかな?

 

 サナの頬から手を離した。


 「では、摘んだ草を洗ってくれる?」

 「はい、やります。」

 「あい!おてつだい!」

 「じゃあ、顔を洗って外へ行きましょう。」


 楓花たちが外に出て、露草を洗っているとケントとルーシーが降りてきた。


 「おはよ…熟睡してしまった。」

 「私もですよ。お昼ですけどね。」

 

 楓花とリリーたちが、頷いて笑うとケントたちは肩をすくめた。

 ケントさんは首を回し、肩を動かした。

 

 「木の実ウサギ狩りをしてくる。」

 「はい、お願いします。おひとり?」

 「わたしも行ってくるわ。」

 「それがいいですね。ルーシーさんお願いします。」

 

 「リリーさん、これをこうやって潰してもらえますか?」

 「うん!」


 リリーさんに露草を潰してもらう。

 そうしている間に、ハナさんたち3人が降りてきたのでオークの爪を砕いてもらう。

 しばらくして、アーサーさんが降りてきた。

 

 「アーサーさん、無理していませんか?」

 「え?いや…大丈夫ですよ。」

 「そう?それならいいけれど…。」


 そう言いつつも、アーサーが辛そうに見えた。

 う~ん…よくなさそう。

 もしかして、以前の傷で身体に細菌が残っていたりするのだろうか?

 エリクサーを飲んでもらったけれど…でも、量が少なかったかもしれない。

 

 楓花は、高級ポーションをコップに移した。そこにオレンジジュースも入れる。


 「アーサーさん、これをどうぞ。」

 「みんなもどうぞ」


 楓花は、アーサーにポーション入りを飲ませると、みんなには水で割ったものを出した。以前そのままのリンゴジュースで、果汁そのままと言われてしまったのだ。


 「おいしー!」


 うん、サナは喜んでいるようでよかった。

 それを見て、他の人たちも飲み始めた。

 アーサーさんも、飲んでいるようなので様子をみようかな。


 「液体なら飲めますね。固形の物は入りそうもないけど。」

 「そうですね、たまにはこういう日もいいです。」


 今日は、洗浄済みの1L瓶を用意してきた。

 初級ポーションを作り瓶に入れていく。1L瓶は、斜め掛けバックに入れて保管することにした。ポーション作りに飽きると、露草摘みをする。

 

 その日は、あまりにも食べ過ぎてしまっていて、夕食は食べずホットミルクを飲んでお腹を労わる事にした。


 翌朝、お雑炊を作った。

 

 「おいしー」

 「うん、うまい。」

 「この粒粒した物が甘くて美味しいですね。」

 「それに入っている具の種類が多い。」

 「お野菜をいろいろと入れてみました。今日、露草を摘み終えたら移動しましょう。」

 「そうだな。それなら、もう少し頑張ろう!」


 仕分けバケツの入る量が多い。それ以上にこのバケツの便利なところは、露草と札を付けているので、それ以外の草は弾かれていた。

 何度か籠の中身をあけているのを確認しているとそれが気になり、一度入れた露草の鑑定をするとどうやらゴミも取れているようだ。

 あれ?これって洗う必要もないのかも…。

 

 「ケントさん、宵草の花、緋の花のめしべ、清草って手に入りますか?」

 「宵草の花と非の花のめしべか…手に入らない事もないが、子供たちを連れてはいけないな。清草なら手に入るが浅い川床で育つ子供はどうだろう。」

 「川床って川の中って言うこと?」

 「そうだ。」

 「子供たちは危ないわね。」

 「そうだな…俺たちが、採取しておこうか?」

 「う~ん…見つけたらお願いします。でも…できれば同行したいです。」

 「そうだな。フーカさんの場合は、生の材料のまま保存できるから質のいいポーションになるからな。だが、そんなに集めてどうする?」

 「実は…各地に治療院を作って薬で治せたらいいなと思って…」

 「各地に?」

 「ええ、ケイさんが薬の量によっては、治療院で治せる体制にしようって言ってくれているの。それが出来たら苦しむ人が減るかなと思って…。」

 「それは…ありがたい話だな。アートンでは、フーカさんの薬で傷が治った人たちが、仕事に復帰して賑わっている。秋の収穫に間に合ったから人手があってよかった。今年は豊作らしいから、人手があって助かったし、なにより動けるようになったから表情も明るい。」

 「そうなの?それならよかった。痛いのは辛いもの…。」

 

 

 2日かけて露草を集め、大量の木の実ウサギの肉と素材を手に入れた楓花たちは、さらに車を走らせて山を登っていく。


山の中腹まで来ると、かなり寒くなっていた。


 「風が強いからか寒いな…」

 「ええ、秋でもここまで冷えるのね…。」

 

 楓花は、ウィンドブレーカーを人数分取り出した。

 サイズも各種揃えてあるので、多分着られるはず。


 「これはお貸しします。山を下りたら返してもらいますよ。」

 「いいの?」

 「ええ、これは風を防ぐだけなので暖かさはありませんが、少しはいいと思うので…。」

 「ありがとう。」

 「甘えさせてもらう。」


 蛍光色のウィンドブレーカーは、ゴールデンウイークが終わった頃に投げ売りをしていた物だ。買っておいてよかった。獣からは襲われそうだけれど、ガード内にいるなら問題はない。

 

 「これは、すごいな…薄いのに風が入ってこない。」

 「そうですね。それがこの服の利点ですが、色が派手なのが難点ですね。」

 「それはまぁ…だが、外に出てしまったときには裏返せばいいだろう。裏は黒っぽい。」

 「それはそうですが、着にくいかも…」

 「まぁ、そうだろうけれど、襲われるよりはいいからな。」

 「それはそうですね。」


 ガードは10mにしてある。

 こちらでも、目印の杭を打っていく。

 ハナたちも含めた子供たちには、「杭の外に出てはいけない」と言い聞かせた。


 ここでも露草の採取をする。

 地面が斜めなので、ポーション作りには向かない。


「あっ…あっ…」

 

 リリーさんがペタリと座り込み、指差ししていた。

 異常な様子に、楓花がその先へ視線を向けると、巨大な白い毛むくじゃらの獣がガードを叩いている。

 ケントさんとアーサーさんが、走って向かっていた。

 ルーシーさんが杖を構えているから、何か魔法を発動するようだ。

 ルーシーさんの魔法、初めて見る。楓花はサナを抱っこしてリリーさんの隣に座った。ハナたち3人も近くに集まってきた。


 ルーシーさんの魔法なのだろう。

 ルーシーさんの頭上に氷の塊が出来てくる。先端の尖った長い三角形になると、勢いよく白い獣へ向かっていった。

 それが突き刺さるタイミングで、ケントさんの大剣が獣の足元を薙ぎ払い、アーサーさんが岩を足場に飛び上がり剣で首を狙った。

 白い獣の腕が、アーサーさんに向かったがうまく躱し、後ろの首元へと剣が刺さった。

 白い獣の腕が動いたが、背後で剣を刺しているアーサーさんには届かない。

 楓花たちは息を飲んで見守っていた。



読んでくださりありがとうございます。

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ケインとケントは同じ人?
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