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アートンにある天龍のチームハウスに到着すると、庭先に車を停め、家のベルを鳴らした。
しばらくして、ケントさんが出てきた。
「フーカさん。久しぶり!」
「ケントさん、お久しぶりね。お元気でした?」
「ああ、問題ない。露草だな?」
「はい。採取に行きたいのですが、お時間ありますか?」
「もちろん、大丈夫だ。この間のように、俺たちは周囲の警戒でいいか?」
「はい、お願いします。ハナさんとテンさんは採取でルーシーさんは様子を見ながらで大丈夫です。」
「では、すぐに出るか?」
「いえ、今日はもう遅いので、お庭を貸してください。それと子供を連れてきたので、紹介しますね。」
「子供!?」
「はい、この間保護して普段はケイさんのところへ預けているのですけど、少し長くいられるから連れてきました。」
「へえ…今、会えるか?」
「はい、もちろん。連れてきますね。」
「リリーさん、サナ、明日から一緒に行動する天龍のケントさんを紹介するから降りてきて。」
「はい」
「うん」
かわいい2人を目にして、ケントさんの目尻が下がった。
「こりゃあかわいいな。でも、こんな格好じゃ危ないぞ。」
「明日は、違う物を着せるのでご心配なく。」
「そうか、ならよかったよ。」
「この子がリリーさんで、こっちがサナです。ケントさんよ、ご挨拶してね。」
二人の挨拶にケントさんがとろけている。
うん、子供好きっぽいね。
変な目で見たらどうしようかと思ったけれど、そんな感じではなかった。
よかった。
その日、庭先に泊めさせてもらい食事をしてゆっくりと過ごした。
寝る時には、2階に布団を敷いて眠った。
翌朝、早くに起きて朝食を摂る。
そうしていると、賑やかになってきたので、外へ出ると天龍のメンバーとあの時の子供が居た。
「フーカさん、この子もいいだろうか?」
「もちろん、ダンさんだったわね。大丈夫ですよ。」
外2階にはベッドが6台あるから、人数分はある。眠るには問題ないだろう。
フーカはシールを貼っていく。
「ケントさんは、助手席へお願いできますか?」
「もちろん、道案内は任せてくれ。」
「では、皆さん乗ってくださいね。10分後に出発します。これが鳴ったら、ここを押して音を止めてください。」
今回、フーカはタイマーを持ってきていた。最大で99分まで設定できる。
だから10分と言いつつ、4分にセットしイルルジオーネでは、12分後に鳴るようにした。
これをこちらで試してみたが、向こうの時間で動くことは確認した。だから、ここだと3倍になり、最大5時間近く計測できる。
ケントの案内で魔の森の手前にある山を登った。一応、馬車が通れる道があるので、慎重に登っていく。
「この辺りだ。」
ケントの言葉に楓花は車を止め、ステルスを解除し、ガードを10mに広げた。
降りて少しだけ歩いてみる。
木々の間に草が生えていた。
先には野原のような光景も広がっていた。もちろん山の中腹なので、斜面ではあった。
「もう少し進めて広いところに止めますね。」
「ああ、そうしよう。」
もう一度乗り込み、野原へ車を止めた。通り道をふさがないように端に寄せた。野原の中の林に少しガードが掛かる場所だ。
「呼んでくる。」
「はい、お願いします。」
楓花はキャビンへ移動した。
リリーとサヤはうたた寝をしているらしい。楓花は二人の肩を軽く叩いた。
「着いたから降りましょう。」
「うん…」
「サヤ、降りますよ。」
サナを抱き上げて車を降りると、アーサーさんたちも降りてきた。
子供たちを見て目を見開いている。
今日は、昨日とは違う服を着ている。ガード内で過ごすので、見つけやすさを優先した。
接触あったか素材のタンクトップを着せてから、上に黄色いTシャツを着せていた。下はブルーのパンツでとっても目立っている。こんな派手な色だけど、2人は嫌がらなかった。
「なんという色…」
「派手で見つけやすいでしょう?」
「ああ、だが危ないぞ?」
「ガードからは、出さないので…。この野原に露草はありますか?」
「ああ、あるというより一面のほとんどが露草だ。」
「まぁ!それなら大丈夫ですね。申し訳ないのですが。この杭を打つのを手伝ってもらえますか?」
「それは?」
「ガードの内側1mに張れば、目印になるから子供たちも危なくないと思うの。」
「そういうことか!いいだろう。」
「ルーシーさん、ハナさん申し訳ないですが、子供たちを見ていてもらえますか?」
「はい、任せて。」
ケントさんとアーサーさんと3人で杭を打っていく。1mの杭を56本用意していた。それにはロープも張られている。最後は1mまでないので重なるけれど、それで構わない。
「おぉぴったりだ。」
「ちゃんと計算してきましたので。」
「計算…」
「ありえん…フーカさんだなぁ…」
楓花は、子供たちのところへ戻った。
「いいですか?杭から外には絶対に出てはなりません。出てしまったら、見つけられなくなりますからね。」
「あい。」
「はい。」
「では、籠を持ってこの蕾のついた葉を摘みましょう。」
「葉っぱ摘み?」
「そうよ。お薬になるの、手伝ってくれるかしら?」
「もちろん手伝うよ~」
リリーさんとサナは、楽しそうに手伝うと宣言してくれた。
「えっと…皆さんにもこちらどうぞ。ケントさんとアーサーさんとルーシーさんは、派手なのが嫌であれば、こちらのグリーンもあります。」
グリーンと言ってもこの林の色合いとは異なるので、すぐに見つけられるだろう。ただし、獣に襲われるかもしれないから、着てくれるのは家へ帰ってからかもしれない。」
「え?もらっていいの?」
「もちろん。お揃いのデザインです。」
綿素材で密な布だから、多少の風は防げて暖かいはずだ。
接触温感素材は、まだいらないだろうと思い少しだけ温かい服を用意した。
「ありがとう!うれしい!」
「そうですか?喜んでもらえるとうれしいです。」
ハナさんやテンさん、ダンも着替えて黄色いTシャツになってくれた。
これで遠目でも人数確認が、しやすいと楓花は満足していた。
車を止めたところは、まだらに生えていたが、先へ進むと密集して生えているところもあり、採取には数日かかりそうだった。葉だけを摘むので根は傷まない。
ケントさんとアーサーさんは、ガードと杭の間を歩いていた。ガードに寄ってきた獣を狩っていた。
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