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未亡人が、遺産としてキャンピングカーを受け取ったら、大変な事になりました。  作者:
第6章 娘たち

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 他人に口をつけたものを勧めるのは、マナー違反なのだろう。

 ライラさんとカリシア会頭は、普段はお互いの物をシェアしているのだろうと思うと微笑ましい。


 「ふふっ…仲がよろしいですね。どうぞ味見なさって…」


 会頭は照れながら、ライラのカップを受け取り口を付ける。

 お兄ちゃんは中学生くらい、お父さんの会頭も奥様も40手前に見える。

 結婚は早くにするのかもしれない。

昔の日本みたいに、25歳を過ぎたらクリスマスケーキと言われてしまうのだろうか?


 ライラさんの砂糖入りのお茶をカリシア会頭が飲んだ。


 「ああ…これはうまい。これほど上質な砂糖は、なかなかお目にかかれませんな。」

 「お土産を開けてください。この間、ララさんが喜んでいたので少しですが、入れてあります。」

 「おぉ、なんと…こんなにたくさん。」

 「あとは、袋の口が青いのがオーク肉の干し肉、赤いのが同じくオーク肉の干し肉ですが、こちらはお湯をかけるとすぐにお肉に戻ります。食感は多少失われています。あと星形を書いてある袋はブラックベアーで作ったもので同様になります。」

 「オークにブラックベアーですか!?先日頂いた干し肉も大変美味しいものでした。」

 「ありがとうございます。美味しいと思って貰えたならうれしいですね。こちらも沢山ありましたので。あとこちらの黄色い口のものは、ウサギ肉の燻製です。こちらもララさんが気に入ってくれているので、どうぞ。」

 「貴重なものをありがとうございます。これほど沢山作るのは大変では?」

 「ララさんにも、お手伝いしていただきました。それと…頭を洗うシャンプーと固形石鹸を入れてきました。」

 「石鹸とは、これまた貴重なものをありがとうございます。」

 「いえ、こちらは…その頂きもので使い切れないので…。シャンプーは大きめにしました。ララさん、もうなくなったでしょう。」

 「うん…」

 「今回は、ご家族で使える大きさにしたわ。」

 「いろいろとお気遣いいただきありがとうございます。」

 「いえ、ララさんに使って欲しいので、使ってもらえると嬉しいです。」


 サナがリリーさんを突き始めた。

 大人が話しているので、暇なようだ。


 「フーカ様、子供たちを遊ばせてもよろしいですか?」

 「え、もちろんです。座っているのも退屈よね。遊んでいらっしゃい。」

 「うん!フーカあれだして、ひっくりかえすの!」

 「オセロ?いいけれど、食べないようにね。」

 「たべないもん」


 楓花は、バックからオセロを取り出した。

 一般的な大きさのものではなく、折り畳みの台の中に駒が入っている軽量型だ。


 子供たちは、絨毯の敷かれたところに座り込んで遊び始めた。

 

 「フーカ様、あれはどういったものですか?」

 「あちらはオセロです。白と黒の2色が1つの駒についていて、自分の駒で挟んだ駒を自分の色に染めていきます。」

 「ほう…」

 「上手に攻めると、最後の一手で塗り替えることもあるゲームなので面白いですよ。」

 「ほぉぉ…そのようなゲームがあるのですか。」

 「僕も見に行っていいですか?」

 「もちろん、どうぞ。」


 子供たちが遊んでいるので、会頭とライラと3人になった。


 「フーカ様、あの子たちは一緒に誘拐された子ですか?」

 「そうです。今はケイさんのお屋敷で過ごしてもらっていて、私が仕事の合間にこうやって会いにくる形ですね。」

 「そうでしたか、あのお洋服はどちらで?」

 「あれは私が適当に買い求めたものです。一応、私とリンクコーデにしてみました。」

 「そうでしたか、お似合いです。」

 「あら…ありがとう。」


 楓花は、お茶を飲んでカリシア会頭を見た。

 

 「ララさんのお父様にお願いがありまして、ララさんも一緒に過ごせないかと思いまして。今回は急ですので、お誘いしませんが、3か月後…もしかしたら4か月先になるかもしれませんが、3週間ほどゆっくり時間が取れそうなの。その時に一緒にいたら楽しいと思いまして…ララさんをお預かりしてもよろしいでしょうか?」

 「まぁ!」

 「なんと…それは構いませんが、ご迷惑では?」

 「いえ、たぶんリリーさんやサナも楽しいと思うので…。」

 「あの…その…先日、ララが誘拐されて、とても心配でしたので、その時には私も同行してよろしいでしょうか?」

 「ライラさんが?」

 「はい…」

 「あの…こう言ってはなんですが、身の回りのお世話はご自分ですることになりますが、大丈夫ですか?」

 「それは、出来るようにします。」

 「そうですか?それでしたら問題はありませんので、ご一緒にお越しください。服装ですが、ドレスだと動きにくいですから、私のようなパンツスタイルもご用意ください。」

 「はぁ…わかりました。あなた、いいですね?」

 「ああ、もちろんだ。」

 

 カリシア会頭はそう言うと、もじもじとしつつ籠にかけていたタオルを出した。

 失敗した。籠にタオルだなんて恰好の悪いことをしてしまった。つい、ご近所へもっていくようなことをしてしまったと焦る。

どう取り繕おうか…。


 「フーカ様、こちらの布は先ほど、サヤさんの口を拭いた物とおなじですか?」

 「ああ、はい。こちらは持ち歩きやすいように小さく作られていますが、そちらは顔を拭く時に使うサイズでして…その未使用なのでご安心ください。」

 

 言ってから全然安心できないセリフだと思った。

 ああ、なんて言えばいいのだろう。

 私のばか…。

 

 「そうなのですか?このようにふわふわとした布は初めて見ました。糸を長く出しながら織っているようですが…」

 「そうですね、糸を出してあるので…水を吸収しやすいです。お風呂上りに体を拭くにもいいですよ。」

 「ほぉ…それはすばらしい。こちらも頂いてよろしいのでしょうか?」

 「もちろん、どうぞ。」

 

 楓花は喜んでいるようなので、そのままにすることにした。

 薄黄色のタオルはノベルティでもらったもので、信用金庫と書かれているけれどきっと柄に見えるだろう。

 うん、そうだ。そうに違いない。

 楓花は、強引に自分を納得させた。


 「では、その頃に来ますので…その前にまた少し遊びに来てもよろしいですか?」

 「ええ、それはもちろんです。」

 「リリーさん、サナもう帰りますよ。ララさん、また遊びに来ますね。」

 「うん、わかった。また来てね。絶対だよ。」

 「ええ、もちろん。冬になったら少し長めにお出かけしましょうね。」


 

 楓花は、リリーとサナを車に乗せると、運転席に戻った。

 町を出るとすぐにアートンへとワープした。


読んでくださりありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
信用金庫のタオルを貰うなんて大金貯金したのかな?積み立て貯金?最近角砂糖を見なくなった感じします、角砂糖に花が描いて有って飲み物の上に浮いてるのが可愛かったんですが、最近は売ってるの見ないですね、代わ…
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