迷宮からの帰路
冒険者のパーティーは倒れたトカゲ人間とファムファテルの一行を見つけると、その光景に動揺した。
「おいおい、なんだあの魔物。初めて見るな」
「剣がトカゲの人数分落ちてるな。『武器持ち』がこんなすぐ出てくるようになったのか?」
「しかも・・・5体同時?難度上がりすぎじゃない?」
ファムファテルたちは集合すると、冒険者のパーティーと対面した。亜人種の4人は”身バレ防止”のためマントのフードを深くかぶっている。
「やあ、こんにちは。これ君たちで倒したの?」
「然りじゃ。わしの連れはそれはもう腕が立つでな」
ファムファテルは背後に控える亜人種たちを親指で差し誇らしげにドヤってみせる。
「わしらはゆえあってもうここを発たねばならん。なのでおぬしらにあのトカゲの首を譲ってやってもいい」
「まじで??これ全部?」
「全部じゃ!死体の処理をすることと、わしらのことを他言せんことが条件じゃがな」
「そんなことなら全然オッケーよ。まかせといて」
「うむ、任せたぞ!・・・では参ろうか」
ファムファテルたちは「狭間の迷宮」をあとにした。
帰りの馬車の中、セッカはファムファテルに今後の対応を問う。
「まだ敵の全容は見える感じはしませんけど、どう対応するんですか?」
「そうじゃな。対応を考える前に整理せねばならんことがある」
「なぜ魔族は、わざわざ異界への門のようなものを使ってまでこの世界を侵略しようとしているのか」
「はあ、漠然と魔族とはそういうものだ。なんて考えてました」
「元々この世界にいたものならその感覚でいいのじゃが。人間だって権力を持てばそういう欲が出るものじゃ」
「それはそうですね」
「本当のところは当人に聞いてみんと分からん。じゃからこれはあくまでも仮説じゃ」
「はい?」
「例えば、魔族の住む世界が崩壊しようといていて、新たな居住地を求めている。とか」
「それなら彼らに住む場所を与えて、そこに住んでもらえばいいじゃないですか」
「話し合いができるのなら、それが最善じゃろうな」
ここでファムファテルはあえて一拍置く。
「かつての亜人種だちのように」
「えええええええええ?」
セッカは驚愕した。変顔になった。
「そうなの?そうだったの?」
亜人種たちは一様にうなずく。
「知らなかったーーーー!」
「そうでなければ、点在してバラバラに住んでるはずの亜人種たちを一か所に集めて隔離するようなことは出来んよ」
「それはちょっと思ってました」
「亜人種たちは言わば”集団転移者”じゃ」
主人公の出番が無くてごめんなさい。章の後半には活躍しますので!




