再会
騎士団長との面会を終えた一行は、ファムファテルと一緒に城下町に入っていた。
「それじゃユウ君は、いきなり将官として採用ってこと?」
「いやぁ、ほとんど食客って感じっぽいですけど。城壁の改修と新型銃の開発の指示を任されました」
それを聞いたファムファテルが言う。
「転移者の知恵は、どんな些末なことでも吸収して社会の発展に繋げろ。それがサルカンドの知識層のしきたりじゃ。わしが作って、広めてきた」
「エーちゃんはここに残るのね?」
「はい!ユウキの秘書官兼護衛役で。階級は一番下っ端ですけど、騎士団に正式採用となりまして・・・」
「よかったじゃない。しっかりね、エーちゃん」
「はい!」
「それじゃ、二人とはここでお別れかな?」
「わたしたちはエイサムに帰ります。帰還までが任務なので」
「今までありがとうございました。道中お気をつけて」
「じゃあエーちゃんユウくん。またきっとどこかで」
スカーレットとアンは手を降って離れていった。
「さて」
ファムファテルはユウキとエイムに改めて向き直る。
「着いたばかりですまんが、おぬしらにはもう一件面会をこなしてもらう。付いてまいれ」
ファムファテルは2人を中央通りから外れた小道の先にある一軒家に案内した。
「ここじゃ」
ドアを開けると、見知った顔があった。
「雪花・・・!」
部屋には対面型の四角いテーブルがあり、片側の椅子には変わらず黒衣を身に着けたセッカとサイファーが並んで座っていた。エイムはザグレーブでの記憶がフラッシュバックして両手で口元を押さえてしまう。
『一緒に来ない?』『帰る方法探そうよ』(いや!やめて!)
動揺するエイムの手を、ユウキはやさしく握って
「大丈夫。俺はエイムのそばにいるから」
「・・・・うん」
部屋に入り、対面して椅子に座る。ファムファテルは上座に立った。
「しばらくぶりね、悠希くん」
「ああ・・・また会えると言ってたのはこの事か」
「そうね・・・悠希くん、異世界に来て「なんか足りない」って思ったことは無い?」
「言ってる意味が分からん」
「見た方が早いか・・・ね、サイファーさん」
サイファーは、深くかぶっていたマントのフードを取った。
「あ・・・」
その耳は長く尖っていた。エルフだ。
「言われるまで気が付かなかった。そうだ、こっちに来て亜人種を見たことがなかった」
「エイムさんだっけ?あなたはどう?」
「そうですね・・・二足歩行タイプの魔物ならともかく、亜人種?というのは知らないです」
「なぜだか知ってますか?宮廷魔導士さま」
「うむ」
「亜人種の存在は秘匿しておる」
秘匿された存在であることに疑問を感じつつも、隠密行動を徹底してマルボークへやってきた雪花。
その目的は何でしょうか。
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