5話 契約の腕輪
「さて、全員検査を終えましたね。
今確認した異能は、鍛えれば鍛えただけ強くなります。皆様は低熟練度でしたから、いっぱい頑張ってくださいね。
次に、まだ弱い皆様に安全のための魔道具をお渡しします」
全員に、細い銀色の腕輪が配られる。
見た目はシンプルで、小さな緑色の石が付いているだけの細いリングだ。
開閉もできるようで、簡単につけ外しできそう。
……なんだけど、なんか怪しいよね。
実際、ゲーム好きの中村くんが、チャットで、疑念を話す。
***
中村駿:これ大丈夫なん?ゲームなら、敵役NPCから防御系の装飾品くると思えんけど
担任:まず私が触る。誰もまだ触るなよ。
朝倉玲奈:先生、これ何の腕輪です?
担任:奴隷契約だな。詳しくはわからん。だから、調べる。
朝倉玲奈:大丈夫なんですか?
担任:なんとかする。知ってる術に似てるから、安心しなさい。
***
先生は、何の気なしに、腕輪を手にする。
「へえ……。綺麗な腕輪ですね、これ」
「そうでしょう?器は我が国の自慢の工芸品の一つなのですよ。それに安全のための魔法が込められています」
「安全のための、ね」
先生が含みを込めて、言葉を返した。
王女様は首を傾げる。
「どうかなさいましたか?」
「いいえ。では、有り難く」
先生は、腕輪を軽く撫でて、腕に装着した。
***
担任:つけてもいいぞ。あんまり渋るのも、何が起こるかわからん。この術なら、いつでも解除できる。
上野千紘:先生、どんな魔法でした?
担任:想定通り、奴隷契約。位置情報、反抗時の罰指定、命令者情報、だいたいは込められてるな。
担任:私のはその辺り消してつけたから、いつでも皆のを外せる。ただ今すぐは無理だな。怪しまれる。
担任:最悪の場合は、私が盾になってでも守るよ。
朝倉玲奈:先生、そんな覚悟しないでください。先生らしいですが。つけます。
***
委員長が、次に腕輪を手に取って、装着する。
石原くんが続き、あとは続々と腕輪をつけていく。
皆顔は不安そう。
でも、先生がああまで言うんだから、きっと何とかなる。
美玖も腕輪を手に取った。




