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クラス全員、既読です。  作者: 井上笑子


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3/17

3話 優しい姫様

 入ってきたのは、綺麗なドレスを着た女の子だった。

 後ろに重そうな銀の鎧を着た人を2人連れてる。その腰には剣っぽいものが刺さっていた。

 美玖は、隣にいた委員長に縋りついた。

 自分が何も持ってないのに、相手だけ武器を持っているのが、どうしようもなく怖かった。

 ドレスの女の子は、怯える美玖を見て、微笑む。

 でも、なんだか目が冷たいような気がした。


「皆様、お招きした上に、放っておいてしまって、申し訳ありません。

 わたくしは、このシャルライズ王国の第2王女、リスティル・シャルライズですわ。

 皆様には、王国のために戦っていただきたいのです」


 ***


 中村駿:マジ?テンプレじゃん。俺ら勇者?

 担任:いや、謝罪があったからって、善人とは限らん。心から謝ってるかもわからないしな。

 石原航:先生、ずいぶん疑うね?

 担任:詳しい話を聞いてみないことにはなんともだが。この部屋が気になってな。

 斎藤美玖:部屋ですか?

 担任:この部屋汚くないか?

 斎藤美玖:確かにそうですけど。

 小松蓮:マジ?俺の部屋のが汚いわ

 担任:それは掃除しろ。問題は汚さ自体ではなく、この部屋で重要人物を召喚するかってところだ。私はそう見えないね。


 ***


 確かに。

 美玖は頷きかけるのを抑えた。

 この部屋は、大事な部屋には見えない。

 

「具体的にはどういった内容でしょうか?戦働き?獣の駆除?それ以外にも?」

 先生が、王女様に確認する。

 でも、王女様は困ったように微笑んでいた。

「それはもちろん。この国を守るために、戦もそうですし、魔物の相手もしていただきたいですね。その中でも、大事なのが魔の森の探索です」

「魔の森?その、魔物とやらでもいるんですか?」

「ええ、たくさん。魔の森は、この大陸の中央にある広大な未開拓地。修行にももってこいですし、価値あるものが山のようにあるそうですわ」

「それは、私たちでなければいけませんか?私たちは今すぐ帰して欲しいんです」

「それは……申し訳ありません。一方通行ですの。ああ、でも東のツベネム帝国は、魔法の研究大国ですから、ヒントはあるかもしれません」

 王女様は終始困ったような微笑みで、穏やかに言った。


 これ、先生が疑いすぎなの?

 私もあの子のこと怪しく見えてきたけど、先生の移ったのかな。

 美玖は、王女様と目が合いそうになって、視線を逸らし、委員長の腕に顔を寄せた。

 


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