3話 優しい姫様
入ってきたのは、綺麗なドレスを着た女の子だった。
後ろに重そうな銀の鎧を着た人を2人連れてる。その腰には剣っぽいものが刺さっていた。
美玖は、隣にいた委員長に縋りついた。
自分が何も持ってないのに、相手だけ武器を持っているのが、どうしようもなく怖かった。
ドレスの女の子は、怯える美玖を見て、微笑む。
でも、なんだか目が冷たいような気がした。
「皆様、お招きした上に、放っておいてしまって、申し訳ありません。
わたくしは、このシャルライズ王国の第2王女、リスティル・シャルライズですわ。
皆様には、王国のために戦っていただきたいのです」
***
中村駿:マジ?テンプレじゃん。俺ら勇者?
担任:いや、謝罪があったからって、善人とは限らん。心から謝ってるかもわからないしな。
石原航:先生、ずいぶん疑うね?
担任:詳しい話を聞いてみないことにはなんともだが。この部屋が気になってな。
斎藤美玖:部屋ですか?
担任:この部屋汚くないか?
斎藤美玖:確かにそうですけど。
小松蓮:マジ?俺の部屋のが汚いわ
担任:それは掃除しろ。問題は汚さ自体ではなく、この部屋で重要人物を召喚するかってところだ。私はそう見えないね。
***
確かに。
美玖は頷きかけるのを抑えた。
この部屋は、大事な部屋には見えない。
「具体的にはどういった内容でしょうか?戦働き?獣の駆除?それ以外にも?」
先生が、王女様に確認する。
でも、王女様は困ったように微笑んでいた。
「それはもちろん。この国を守るために、戦もそうですし、魔物の相手もしていただきたいですね。その中でも、大事なのが魔の森の探索です」
「魔の森?その、魔物とやらでもいるんですか?」
「ええ、たくさん。魔の森は、この大陸の中央にある広大な未開拓地。修行にももってこいですし、価値あるものが山のようにあるそうですわ」
「それは、私たちでなければいけませんか?私たちは今すぐ帰して欲しいんです」
「それは……申し訳ありません。一方通行ですの。ああ、でも東のツベネム帝国は、魔法の研究大国ですから、ヒントはあるかもしれません」
王女様は終始困ったような微笑みで、穏やかに言った。
これ、先生が疑いすぎなの?
私もあの子のこと怪しく見えてきたけど、先生の移ったのかな。
美玖は、王女様と目が合いそうになって、視線を逸らし、委員長の腕に顔を寄せた。




