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クラス全員、既読です。  作者: 井上笑子


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13/17

13話 班別行動

 周辺採取班は、私と、柴田さん、林くんが指名された。あとは希望者の中村くん、里緒ちゃん、西村さん、原田くん、水野さん。

 私たちの班は拠点からあんまり離れないで、周辺で食べられそうなものを採取して、柴田さんに見てもらったり。近くに動物の痕跡があるか調べて、あったらそれがどんな動物か確認する役。

 私は特に全体を俯瞰して、「なんか変」を見つける役。

 その後、皆がそこを調べるんだって。

 責任重大だなあ、私。

 違和観測が本当に役に立つといいけど。

 ちょっと不安。


「先生!さっきのチャットのようなものは、今からも使えますか?伝達に距離は関係ありますか?」

 火おこしや拠点管理班の玲奈ちゃんが、声を張って、先生に聞いた。

「使えるよ。

 ただ、世界を跨いでは無理だから、元の世界に連絡は取れない。

 それと、かなりの距離をタイムラグなしに使えるが、正確な有効距離は私にもわからん。案外街一つ分とか短い可能性もある。

 あと、妨害されたりすれば、通信切れる可能性もあるから、過信はするなよ?」

「わかりました。気をつけます。……それなら、名前の変更はできますか?」

「ちょっと弄ればできるよ。なんに使うんだ?」

「名前自体ではなく、名前の横に活動内容が表示できれば、一々所属を言わなくても、なんの話かわかります。

 あと、その時々でタグのように活動内容を変更できるとなおいいです。ただ名前の変更やタグの追加は先生の方で管理をお願いします」

「いいのか?自分たちで自由に変更や編集できるようにもできるが?」

「えっ!マジ?俺名前変えたい!勇者Aとか!」

「……このように、逆に分かりづらくする人もいるので」

「なるほどな。ちょっと待ちなさい。すぐに変更する」

 途中で、口を挟んだ中村くんが同じ班の子に叩かれる。

 あーあ。先生と玲奈ちゃんの真面目な話に首突っ込むから。


「終わったぞ。皆確認してくれるか?」

 しばらくして、先生がそう告げる。

 この短時間で、皆もう思考入力にも慣れたみたい。

 あちこちから、「凄え」とか、「便利」とか、感嘆の声が上がる。

 皆順応性高いなあ。

 まあそれだけ先生の魔法が、よくできてるってことでもあるけど。

 美玖も、目の前に流れる文字を見た。


 ***


 朝倉玲奈【火おこし班】:できてる?

 小川颯太【寝床作成班】:できてるよー

 中村駿【周辺採取班】:委員長も先生も厳しいよな。勇者Aでもいいだろ?

 朝倉玲奈【火おこし班】:皆の命かかってるんだから、ダメよ。危機感を持ちなさい。


 ***


 これ、皆どうやって、タグ変えてるの?

 そう思った瞬間、目の前にタグ一覧が表示された。

 今あるのは、火おこし班、寝床作成班、周辺採取班、水場探索班の4つだけ。

 えーと、私は、周辺採取班だから、変われって念じればいいのかな。

 周辺採取班、周辺採取班。

 あ、変わった!

 案外簡単に変えられるんだ。


「斎藤、行くぞー」

「あ、はーい」

 中村くんに呼ばれて、私は班の人たちのところに駆け寄った。

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