13話 班別行動
周辺採取班は、私と、柴田さん、林くんが指名された。あとは希望者の中村くん、里緒ちゃん、西村さん、原田くん、水野さん。
私たちの班は拠点からあんまり離れないで、周辺で食べられそうなものを採取して、柴田さんに見てもらったり。近くに動物の痕跡があるか調べて、あったらそれがどんな動物か確認する役。
私は特に全体を俯瞰して、「なんか変」を見つける役。
その後、皆がそこを調べるんだって。
責任重大だなあ、私。
違和観測が本当に役に立つといいけど。
ちょっと不安。
「先生!さっきのチャットのようなものは、今からも使えますか?伝達に距離は関係ありますか?」
火おこしや拠点管理班の玲奈ちゃんが、声を張って、先生に聞いた。
「使えるよ。
ただ、世界を跨いでは無理だから、元の世界に連絡は取れない。
それと、かなりの距離をタイムラグなしに使えるが、正確な有効距離は私にもわからん。案外街一つ分とか短い可能性もある。
あと、妨害されたりすれば、通信切れる可能性もあるから、過信はするなよ?」
「わかりました。気をつけます。……それなら、名前の変更はできますか?」
「ちょっと弄ればできるよ。なんに使うんだ?」
「名前自体ではなく、名前の横に活動内容が表示できれば、一々所属を言わなくても、なんの話かわかります。
あと、その時々でタグのように活動内容を変更できるとなおいいです。ただ名前の変更やタグの追加は先生の方で管理をお願いします」
「いいのか?自分たちで自由に変更や編集できるようにもできるが?」
「えっ!マジ?俺名前変えたい!勇者Aとか!」
「……このように、逆に分かりづらくする人もいるので」
「なるほどな。ちょっと待ちなさい。すぐに変更する」
途中で、口を挟んだ中村くんが同じ班の子に叩かれる。
あーあ。先生と玲奈ちゃんの真面目な話に首突っ込むから。
「終わったぞ。皆確認してくれるか?」
しばらくして、先生がそう告げる。
この短時間で、皆もう思考入力にも慣れたみたい。
あちこちから、「凄え」とか、「便利」とか、感嘆の声が上がる。
皆順応性高いなあ。
まあそれだけ先生の魔法が、よくできてるってことでもあるけど。
美玖も、目の前に流れる文字を見た。
***
朝倉玲奈【火おこし班】:できてる?
小川颯太【寝床作成班】:できてるよー
中村駿【周辺採取班】:委員長も先生も厳しいよな。勇者Aでもいいだろ?
朝倉玲奈【火おこし班】:皆の命かかってるんだから、ダメよ。危機感を持ちなさい。
***
これ、皆どうやって、タグ変えてるの?
そう思った瞬間、目の前にタグ一覧が表示された。
今あるのは、火おこし班、寝床作成班、周辺採取班、水場探索班の4つだけ。
えーと、私は、周辺採取班だから、変われって念じればいいのかな。
周辺採取班、周辺採取班。
あ、変わった!
案外簡単に変えられるんだ。
「斎藤、行くぞー」
「あ、はーい」
中村くんに呼ばれて、私は班の人たちのところに駆け寄った。




