↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラス全員、既読です。  作者: 井上笑子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/17

12話 今夜のために

 班分けを終えた私たちは、今日の拠点探しのために、森を分け入っていた。

 幸い、森の中には一応道があって、藪の中にいちいち突っ込んで行かなくてもいい。

 拠点を見つけた後、先生が、草刈りと、結界を張ってくれるらしい。

 先生を見ると、彼女は歩きながら、生徒から預かった腕輪をさわって、細工をしていた。

「どうしたの?美玖」

「あ、奈々ちゃん。いや、先生なら、なんでもできるのに、どうして私たちにさせるんだろう?って考えてたの」

「それなら、多分私わかるわ」

「玲奈ちゃん」

「先生は私たち以上に危険を覚悟してる。だから、私たちが、先生がいなくても、生きていけるように考えさせてるように見える。少なくとも私には」

「そっか。全部先生がやらないのはそういう意味があったんだ。先生らしいな、よし。なら、私も頑張らないと」

 美玖は体の前で拳を握った。


「おーい。斎藤、佐伯。ここなんかいいんじゃないか?」

 武田くんが、ちょっと前で手を振っている。

 美玖が駆け寄ると、そこは確かに開けていて、明るかった。

「ここ悪くないと思う。地面も乾いてるし、平ら。周りも見える。水捌けもいいと思う」

「……待って」

「私もいいと思うけど、杏奈ちゃん何か感じる?」

 美玖は、顔を顰めている佐伯杏奈を振り返る。

 彼女は、上を見上げて、しきりに首を傾げている。

「なんか……上が嫌なんだけど……なんでなのか、さっぱり」

「あっ!」

 悩む杏奈ちゃんの言葉に、中村くんが叫ぶ。

「どした?駿。なんか気づいた?」

「いや、この世界魔物が実際にいるんだろ?なら、空飛ぶ奴とかもいるんじゃねえの?」

「ああ、そう言うこと。確かにここ空から丸見えだね」

「武田、気づかんかったん?」

「いや、多分俺の能力、俺が知ってること元にしてるわ。地球でも鳥はいるけど、襲われることは考えねえから。

 そっか。ここ異世界で、魔物いるんだったな。

 次は気ぃつける」


 次に、武田くんが見つけた野営地候補は、杏奈ちゃんの危機感応も、私の違和観測も、クリアして、今夜はそこで過ごすことに決定した。

 草は茂ってたけど、地面は平らで、ある程度開けていて、周囲は見えるけど、上空はそこそこ木々に遮られている。人の手も入っている様子は見られない。

 早速、先生が、魔法で草刈りをして、結界を張ってくれた。

「先生!その魔法は風魔法ですか?結界はどんな魔法ですか?私も使えますか?」

 上野さんが、先生に質問を浴びせる。

 彼女、すでに何回か先生に魔法の質問してたよね?

 魔法に興味があるのかな?意外だけど。

「落ち着きなさい。今度簡単なのから教えてやるから。

 他にも興味があるやつは覚えとけよー」

 先生がそう言うのに、あちこちから返事や歓声が飛ぶ。

 皆興味あるんだなあ。

 いや、私もあるけど。

 これはゲームの魔法たちがカッコ良すぎるのがいけない。


 さて、拠点が決まったら、班ごとに分かれて、探索することになってたよね。

 私は、食料探しとかの周辺採取班だったな。

 美玖は、メンバーのところに寄っていこうとすると、先生が全員を集めた。

 彼女の手には、元奴隷契約の腕輪が山ほど抱えられていた。

「全員集合!班ごとに分かれて調査する前に、お前たちに、万が一の防御用魔道具を渡す」

「えー!先生、それさっきのやつじゃん!また体、操られん?」

「奴隷契約の術式は全部丸ごと削除したから平気だ。代わりに、15分以上は続く小規模結界3回分と、1回きりだが反撃用雷術式を入れた。器はいいから、ギリギリ入ったぞ。再利用だ」

「マジか。先生それ本当なん?」

「ただ、言った通り使い切りだから、万が一のための最終手段用だな。もし探索で使ったなら、退却後、私に言うように。また入れる」

 生徒皆から、どよめきが聞こえる。

 これなら、多少は安心かも。

「油断はするな。この世界について、私たちは誰も知らない。できる限り手は尽くしたが、これでなんとかなるかはわからん。全員気を引き締めて行けよ。じゃあ、解散!」

 私たちは、先生から、腕輪を受け取って、班ごとに集まった。

 まずはメンバーで方針を決めないと。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。