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葉音を紡ぐ ――世界樹の麓で  作者: 葉森かなで


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14/42

14 坑道係は壁の向こうを知っている

 葉月は、壁を叩く音が好きだ。


 こつ、こつ、と軽く叩く。

 返ってくる振動の響き方で、その先が詰まった土なのか、湿った空間なのか、崩れやすい層なのかが、なんとなくわかる。


 もちろん、仁みたいに「通気の流れがどうこう」とか、「排水経路の確保がどうこう」とか、そういう難しい理屈でわかるわけじゃない。

 でも、あたしにはあたしのわかり方がある。


 この壁の向こうは、たぶん少し空いてる。

 このあたりは柔らかいから、掘るなら補強が要る。

 こっちは駄目。水を呼びそう。


 そういうのが、手のひらと触角の先で、なんとなくわかるのだ。


 だから今日も葉月は、巣の端の壁にぴたりと張りついていた。


 まだ朝の空気が残る時間。

 育房室のほうからは、幼虫たちの世話をするちいねえちゃん――千葉夜の、やわらかな声がかすかに聞こえる。栽培区画では双葉が朝から葉っぱを覗き込んでいるはずだし、一葉は探索班の準備をしているころだろう。


 そんな巣の朝のざわめきから少し離れて、葉月はひとり、土壁に耳を澄ませていた。


「……やっぱり、変」


 ぽつりと呟いて、もう一度こつ、と叩く。


 返ってきた響きは、昨日よりはっきりしていた。

 奥がある。しかも、けっこう近い。

 ただの土の詰まり方じゃない。空気の逃げる感じがある。


 この先、何かある。


 そう思うと、胸の奥がそわそわした。


 葉月はもともと、巣の拡張作業が好きだった。

 ただ広くするだけじゃない。どこに部屋を作ると動きやすいか、どこを通路にすれば人の流れがぶつからないか、どこに補強を入れれば崩れにくいか。そういうことを考えるのは、なんだか妙に落ち着く。


 それに最近、この巣は本当に手狭になってきている。


 一葉が連れ帰ってきたアブラムシたちは、仁管理のもと、すっかり巣の一角に根を下ろした。双葉の栽培区画も広がってきたし、育房室には幼虫や蛹や、ちいねえちゃんが整えた保温材がぎゅうぎゅうに詰まっている。


 女王さまのための休養区画、食料の仮置き場、蜜の保管場所、アブラムシ牧場、栽培区画、育房室。

 家族が増えるたびに必要な場所も増えて、いまの巣は少しずつ、でも確実に狭くなっていた。


 だから、掘るのは必要なことだ。

 べつに、あたしが掘りたいから掘るんじゃない。


 ……まあ、ちょっとは掘りたいけど。


 葉月はそっと手を壁に当て、掘削位置の見当をつける。

 崩れやすい層を避けて、通気の流れを邪魔しない角度で、できれば既存の通路に負担がかからないように――と、そこまで考えたところで。


「葉月」


 背後から、静かな声が降ってきた。


 葉月はびくっとして振り返る。

 そこには、案の定というべきか、黒い執事が立っていた。


「……仁」


「何をなさっているのですか」


「べつに」


「壁に張りついているように見えますが」


「見えてるならそれでいいじゃん」


「理由の説明になっておりません」


 即答だった。

 葉月はちょっと顔をしかめる。


「調査してるの」


「何の」


「壁の向こう」


「……なるほど」


 仁は葉月のいる壁際まで歩いてきて、同じように土へ手を当てた。

 長い指先が表面の湿り気を確かめ、触角がわずかに揺れる。


「たしかに、空隙の反応がありますね」


「でしょ」


「規模はまだ不明ですが」


「たぶん、ちっちゃい空洞じゃない。もっと奥がある感じ」


 葉月が言うと、仁はちらりとこちらを見た。

 感心したような、でもいつも通り表情の薄い顔だ。


「その判断根拠を伺っても?」


「勘」


「勘」


「あと、音」


「勘と音」


「文句ある?」


「いえ。葉月の勘は、現時点での実績を考えれば十分に検討に値します」


 予想外に素直な返事がきて、葉月はちょっと黙った。


「……そういうふうに普通に褒められると、逆に困るんだけど」


「事実を述べただけですが」


「それが困るの」


「左様でございますか」


「ほんと、その顔で左様でございますかって言うのやめて」


 仁は少しもやめる気がなさそうだった。

 代わりに壁を軽く叩き、しばらく考え込む。

 その横顔を見ながら、葉月は内心で舌を巻いた。あたしが“なんとなく”感じ取っているものを、この人はたぶんもっと理屈で捉えている。

 それが少し悔しくて、でも少し安心もする。


「掘るなら、補強がいる」


 葉月は壁に爪先で印をつけながら言った。


「このへんは柔らかいから、通路にすると崩れやすい。先に左右を固めて、それから中央を抜いた方がいい」


「ええ。私も同意見です」


「あと、もし向こうが空洞なら、いきなり穴を開けると空気が変わるかも。だから最初は細く」


「ええ」


「……なに」


「いえ。非常に頼もしいと思いまして」


 まただ。

 葉月は眉を寄せた。


「べつに、頼もしくなんかないし」


「そうでしょうか」


「必要だから見てるだけだし」


「ええ。葉月はいつもそう仰いますね」


「何その言い方」


「事実確認です」


「むかつく」


「それは何よりです」


「何ひとつ何よりじゃない」


 この執事、たまに絶対わざとやってる。

 葉月がじとっと睨むと、仁は涼しい顔で「では」と話を戻した。


「本件は女王さまへ報告の上、正式に拡張計画へ組み込みましょう」


「……いま掘っちゃ駄目?」


「駄目です」


「なんで」


「安全確認が済んでおりません」


「少しくらいなら」


「少しの崩落が巣全体に与える影響を、葉月はよくご存じでしょう」


 う、と葉月は言葉に詰まる。

 その通りだった。


 この巣は大きくなったとはいえ、まだ安定しきってはいない。新しい部屋を増やすなら、勢いで掘るより段取りが要る。

 わかっている。わかっているけど。


「……今すぐ掘りたい顔をしていますね」


「してない」


「しています」


「してないってば」


「触角が落ち着いておりません」


「見ないでよそういうとこ」


 仁は少しだけ、ほんの少しだけ目元を和らげた気がした。


「では、女王さまへの説明役をお願いします」


「は?」


「葉月が発見した空隙です。葉月自身の言葉で報告する方がよろしいでしょう」


「え、あたしが?」


「はい」


「……仁が言えばよくない?」


「今回の主担当は葉月ですので」


 主担当。

 その言葉に、胸の奥がくすぐったくなる。


 葉月は口をへの字に曲げた。

「……別に、そういうのいらないし」


「では私が“葉月は非常に優秀で、壁の向こうの気配を察知しました”と添えてご報告を」


「やめて」


「承知しました」


「絶対余計なこと言うじゃん」


「否定はいたしかねます」


「ほら!」


 結局、葉月は半分むくれたまま、仁と一緒に女王さまの部屋へ向かうことになった。


    


 女王さまがいたのは、休養区画と育房室の境目あたりだった。


 ちいねえちゃんが幼虫たちの様子を見ていて、女王さまはその横で、双葉ねえの育てたやわらかい葉を使って保温材を整えている。少し前まで寝台で休んでいる時間の方が長かったのに、最近の女王さまはずいぶん顔色がよくなった。


 もちろん、まだ完全ではない。

 でも、一葉が集めてくる蜜や、アブラムシの甘露や、双葉の栽培の成果が少しずつ効いてきているのだろう。声にも前より張りがあるし、座っている姿にも安定感が出てきた。


「あら、葉月。仁も。どうしました?」


 女王さまが顔を上げて、ふわりと笑う。

 その笑顔を見ると、少しだけ肩の力が抜ける。


 ……報告、あたしがするんだっけ。


 葉月はちらりと仁を見る。

 仁は「どうぞ」とでも言いたげに、静かに一歩下がった。


 むかつく。


「……あっちの通路の奥の壁の向こう、変なの」


「まあ」


 第一声がそれになってしまって、葉月は自分でちょっと嫌になった。

 でも女王さまは嫌な顔ひとつせず、むしろ興味深そうに首を傾げる。


「変、というと?」


「空いてる感じがする。壁の奥に、たぶん空洞がある」


「空洞」


「うん。まだちゃんと開けてないからわかんないけど、部屋になるかもしれない」


 女王さまの目が、ぱっと明るくなる。


「まあ……! それは素敵ですねえ」


「まだ決まったわけじゃないし」


「でも、もし本当に空いていたら、新しいお部屋が作れるのですよね?」


「……たぶん」


 そう答えると、女王さまはとても嬉しそうに笑った。


「葉月、すごいです」


「いや、だから、まだ」


「それでも、見つけてくれたのでしょう?」


「……まあ」


「すごいです」


 まっすぐに褒められて、葉月は居心地が悪くなった。

 こういう時どうしていいかわからない。


 すると、横からちいねえちゃんがやわらかく口を挟んだ。


「新しいお部屋ができたら、育房室も少し広げられるかもしれませんねえ」


「そうですねえ。最近、みんな大きくなってきましたもの」


 女王さまも頷く。


「双葉の葉っぱ置き場も増やしたいですし、一葉たちの持ち帰るものを置く場所も、もう少


し欲しいです」


 そこに、ちょうど噂をすれば何とやらで、一葉が通路の向こうから顔を出した。


「呼びました?」


「呼んでない」


「でも、あたしの名前が聞こえた気がして!」


 一葉は元気よく入ってきて、葉月と仁の顔を見比べる。


「何かあったんですか?」


「葉月が、新しい空洞の気配を見つけてくれたのです」


 女王さまがそう言うと、一葉は目を輝かせた。


「ほんとうですか、葉月!」


「まだ気配だけ」


「それでもすごいです! 葉月、かっこいい!」


「うるさい」


 反射でそう返したけれど、一葉はまったく気にしない。


「新しい通路ができたら、探索班も出入りしやすくなるかもしれませんね!」


「まだ通路になるって決まってないし」


「でも、葉月が見つけたなら、きっといい場所です」


「だからそういうのやめてってば……」


 一葉は褒める時、ほんとうに遠慮がない。

 ちょっとだけ顔が熱くなるのを誤魔化すように、葉月はそっぽを向いた。


 そこへ、今度は双葉までやってきた。

 両腕に葉っぱの束を抱えていて、どうやら栽培区画から直行してきたらしい。


「新しいお部屋のお話ですか?」


「双葉まで来た」


「だって気になります」


 双葉は葉っぱを抱えたまま、わくわくした顔をする。


「もしお部屋が増えるなら、日当たり……じゃないですね、通気のいいところに、もう少し植物を置けるかもしれません」


「地下で日当たりは無理でしょ」


「気持ちの問題です」


「何その返し」


 でも、双葉が植物のことになると少しだけ早口になるのは、もうみんな知っている。

 女王さまがくすくす笑い、ちいねえちゃんも「ふふ」と柔らかく笑った。


 にぎやかだ。

 少し前まで、この巣はもっと静かだったのに。

 葉月はその輪の端で、なんとなく落ち着かない気持ちになる。

 悪い感じじゃない。ただ、慣れないだけだ。自分が見つけた壁の向こうの話で、こんなふうにみんなが集まって、楽しそうに先のことを話しているのが、まだ少し不思議だった。


 仁が一歩進み出る。


「現段階では、葉月の発見した空隙について、調査と安全確認を優先すべきかと存じます」

「はい、仁」


 女王さまが頷く。


「では、どうしましょう?」


「本日中に簡易測定を行い、明日以降、段階的に掘削を開始するのが妥当かと。主担当は葉月、補佐を私が務めます」


「主担当」


 女王さまが葉月を見る。


「葉月、お願いできますか?」


「……うん」


「まあ、頼もしい」


 まただ。

 でもさっきより、少しだけその言葉がくすぐったくなくなっていた。


「それから」


 仁が続ける。


「もし向こう側の空間が安定しているなら、将来的には新規区画として転用可能です。育房室の拡張、栽培区画の増設、貯蔵室の分離、あるいは外部接続用の中継通路にも利用できるかと」


「外部接続?」


 一葉が首を傾げる。


 仁は静かに答えた。


「他の地下空間と、です」


 その場が一瞬だけ静かになった。

 他の地下空間。

 それはつまり、この巣の外にある、まだ見ぬどこかの空洞。もしかしたら別の蟻の巣かもしれないし、土の下に住む他の生き物の住処かもしれない。


 葉月は、その言葉に胸が跳ねるのを感じた。


 あたしが知りたかったのは、たぶんそれだ。


 壁の向こうに何があるのか。

 この巣の先に、どんな空間が広がっているのか。

 まだ見ぬ道が、どこへ続いているのか。


「……つなげられるの?」


 思わず、葉月は口にしていた。


 仁がこちらを見る。


「条件が整えば」


「危なくない?」


 ちいねえちゃんが心配そうに言う。


「相手によるでしょうね」


「では、危ない場合もあるのですねえ」


 女王さまが少し真面目な顔になる。


 仁は頷いた。


「はい。ですから軽率には進めません。ただ、選択肢として知っておく価値はあるかと」


 葉月は黙ったまま、壁の向こうを思い描く。

 まだ何も見えていない。空気の気配と、土の響きだけ。

 でもその先に、今の巣にはない何かがあるかもしれないと思うと、身体の奥が熱くなった。


 もっと広くできる。

 もっと繋げられる。

 この巣を、もっと大きくできる。


「葉月?」


 女王さまの声に、はっと顔を上げる。


「ごめん。ちょっと考えてた」


「ふふ。どんなお部屋になるか、でしょうか」


「……まあ、そんな感じ」


 女王さまは嬉しそうに微笑む。


「葉月が作ってくれる巣、わたし好きですよ」


 葉月は固まった。


「……は」


「歩きやすくて、崩れにくくて、みんなが過ごしやすいですもの。葉月の通路は、なんだか安心します」


 だめだ。

 こういうのは、ほんとうにだめだ。

 葉月はさっと顔を逸らした。


「そ、そういうの、急に言わないで」


「本心なのですが」


 女王さまはきょとんとしている。


「葉月、顔が赤いですよ」


 一葉が余計なことを言う。


「赤くない!」


「赤いです」


「双葉まで言うな!」


「少し赤いですねえ」


「ちいねえまで!?」


 逃げ道がない。

 葉月が思わず後ずさると、とどめみたいに仁が静かに口を開いた。


「照れておられるようです」


「仁!!」


 巣の中に、笑い声が広がった。

 一葉は声を上げて笑うし、双葉は葉っぱを抱えたままくすくすしている。ちいねえちゃんは困ったように笑いながらも「でも、葉月が頼もしいのは本当ですよ」と追い打ちをかけてくるし、女王さまは「まあまあ」と言いながら、ちっとも止める気がない。

 葉月は触角をばたつかせた。


「もうやだこの家族……!」



 結局その日の午後、葉月は仁と一緒に例の壁の調査をすることになった。


 通路の一部を封鎖し、崩落時に備えて補強材を積み、空気の流れを確認しながら、慎重に表層を削っていく。こういう段取りをきっちり踏むあたり、仁は執事というより現場監督なのではないかと葉月は思う。


「右、もう少し上」


 葉月が言う。


「このへん、薄い」


「承知しました」


 仁が指定した位置を細く削る。

 ぱら、と土が落ちた。


 その瞬間、ひやりとした空気が、向こう側からわずかに流れ込んできた。


「……開いた」


 葉月が息を呑む。

 仁も目を細めた。


「ええ。空間に接続しましたね」


 開いた穴はまだ小さい。

 でも、その向こうに確かな空洞があるのがわかる。葉月はそっと目を寄せて、暗がりの向こうを覗き込んだ。


 そこは、自然にできたらしい小さな地下空間だった。

 今の巣の一室ほど広くはないけれど、通路一本分を延ばすには十分な余裕がある。壁面は比較的乾いていて、天井もすぐには崩れそうにない。


「どうですか」


 仁が問う。


 葉月はしばらく見つめ、それから、口元を少しだけ上げた。


「……いい部屋になる」


「ええ」


「補強はいるけど、ちゃんとやれば使える。通路も引けるし、奥側の土を見れば、まだ先があるかもしれない」


「つまり」


「掘る価値、ある」


 言い切ると、胸の奥がじわっと熱くなった。


 自分の勘が当たったこと。

 壁の向こうに、本当に道の種みたいなものがあったこと。

 そしてそれを、ちゃんと“巣の未来”として形にできるかもしれないこと。


 仁が静かに頷く。


「では、正式に拡張対象として申請いたしましょう」


「申請って、誰に」


「女王さまへ」


「また報告あたし?」


「もちろんです」


 葉月は顔をしかめた。


「仁、絶対面白がってるでしょ」


「いえ」


「嘘」


「否定はいたしません」


「ほら!」


 でも、そのやり取りをしながら、葉月は少しだけ笑っていた。


 壁の向こうには、ちゃんと続きがあった。

 この巣の外側に、まだ知らない空間がある。

 それは少し怖くて、でもそれ以上に、たまらなくわくわくすることだった。


 あたしは、掘る。

 この巣がもっと息をしやすくなるように。

 みんながもっと暮らしやすくなるように。

 そしていつか、壁の向こうのその先まで、ちゃんと見に行けるように。


 葉月は新しく開いた小さな穴に手を当てる。

 ひやりとした空気が、指先を撫でた。


 その向こうに何があるのか、まだ誰も知らない。

 でも、きっといつか行き着く。


 別の巣かもしれない。

 別の種族の住処かもしれない。

 あるいは、もっと大きな地下の道かもしれない。


 どれでもいい。

 知らないままより、ずっといい。


「葉月」


「なに」


「触角が楽しそうです」


「うるさい」


「否定はなさらないのですね」


「うるさいって言ってるでしょ」


 葉月はそう返しながら、もう一度だけ壁の向こうを見た。


 その視線は、いまいる巣の中だけではなく、まだ見ぬその先へ向いている。

 小さな王国の坑道係は、今日初めて、壁の向こうにある未来の輪郭を見つけたのだった。



仁の日誌


本日、葉月が新規空隙の兆候を発見。

調査の結果、小規模ながら安定した地下空間への接続を確認。


当該空間は、拡張区画・中継通路・貯蔵室候補として有望。

葉月は空間把握と掘削勘に優れており、坑道係として極めて有望です。


なお、本人は褒められると分かりやすく不機嫌そうな顔をしますが、触角は正直です。

家族一同からの賞賛に対し「もうやだこの家族」と発言しておりましたが、あれは恐らく照れです。


……神よ。

坑道係が壁の向こうへ目を向け始めました。

この巣は、想定よりずっと遠くまで伸びるかもしれません。

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