↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/35

第28話 やっと抱き合える

転生したらゴブリン 第28話 ~やっと抱き合える~




 我ら守備隊が前門で頑張っていた頃、死霊の軍団が城内から沸いて、襲ってきていたらしい。モルガンの奴は召喚術で後方からも敵を送り込んだみたいだ。強大な攻撃力より、こういった姑息な感じに気をつけなければならない相手のようだ。だが、モズを筆頭とする近衛兵や奥様方、バーン一家がこれを撃退した。剣士アイラとドールマスターのコーデリア、両名の活躍は目覚ましかったようだ。やはり、持つべきものは強力な妻なのだ?!



 玉座の間



 職業グラップラーであるバーンは玉座についたが、右手にカイザーナックルをつけたままであった。


「あ、いけね。」


 慌てて外すと、彼はすまし直した。はっはっは。皆が共に戦った同志でもある王を暖かく見守る。


 そして、改めて王らしく口を開く。


「皆、よく頑張ってくれた。おかげで見事、魔王軍を撃退することに成功した。これからも舐めた魔王軍など存分に蹴散らしてやろうぞ!」


 うおおおおっ!!


 場が興奮に湧いた。


「だが、油断は禁物だ。我らは明日、本日の有力な功労者の一部を送り出さなければならない。その後は残った我らだけで頑張るのだ。気を引き締めてかかってくれ。」


 はいっ!!分かりました!!

 少し様々だが、いいお返事が出来ました。


「守備隊や出発を明日に控えた魔王討伐隊にそれぞれ辞令を下す。」


 バーンは続ける。と同時にメモを確認する。


「守備隊長ゴーダ、その任を解き、魔王討伐隊隊長とする。魔王討伐隊はゴーダとその妻たちで編成するものとする。

 副守備隊長コマンドー、ゴーダに代わり守備隊長、守備隊ノリス、小隊長から副守備隊長にそれぞれ昇格とする。」


 パチパチパチパチ・・・


 今になって少し寂しいような気もするが、人間は勝手だ。最初は「天国に一番近い職場」とか言って、嫌がっていたのは俺自身だった。俺は意外と短い、そして意外とコマンドーに任せきりだった守備隊長時代を振り返った。バーンは辞令を続けている。


「ゴーダの性奴隷、美琴。今回の功績を称え、ゴーダの第三夫人とする。」


 おおおお!!おめでとう!!おめでとうございます!!


 暖かな拍手が玉座の間を包む。何といっても結婚の慶事。そして、実力通りに大活躍した美琴は皆にしっかり受け入れられたようだ。いい感じの実力社会だなぁ。


「ルフトの第二夫人、ノルン。ルフトとの婚姻を白紙に戻す。」


 え?・・・ここで流れが一転した。一部、事情を知らない人々が息をのむのが分かる。ざわざわざわ。が・・・


「そしてノルン、改めてゴーダの第四夫人とする。法術士として、ゴーダ率いる魔王討伐隊をしっかり補助してやってほしい。」


 おおおお!!そういうことか。良かった。おめでとう!!おめでとうございます!!

 バーンは話の持って行き方が上手い。これで皆がしっかり丸く収まった。


「今日は本当に皆頑張った!!無礼講だ!まだ昼過ぎだが、今日は思う存分楽しんでくれ!!」


 いえええい!!!

 エレクツィオン砦が弾けた!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 リストランテのテーブル席


 俺は両脇に新妻である美琴とノルンを伴って、前の席のノリスに講釈を受けて、つまり絡まれている。


「いいですかぁ。げふっ。我らゴブリン、ヤボン族は元々は聖ロムルス帝国の辺境警備を担っていたエルフ兵でした。まともな糧食もない過酷な環境下で、光合成が可能な緑色の肌を手に入れ、繁殖能力も段違いになりましら。らがら、我々を昔話の怪物みたいに呼ぶのは、失礼千万なのでありまっす。」


「お、おうっ。そうなんでありますね。副隊長殿。」

 は、話に乗っておこう。


「あ、だからゴーダさんは耳が弱いんですね。」


 ノルンが俺の耳の先を弄る。ほふっ。だからやめろ。弱点だ。そうじゃなくて、高い耳をしている理由だ、ってことじゃないんかい!


「ちょっと、あなた。いけませんよ。偉い人に絡んで。」

 ミルクティー色の髪をした美しいエルフの女性が現れた。


「きょ、今日は無礼講じゃないかぁ~。」


「だめっ。それでも限度があります。・・・申し訳ありません、皆様。」

 

 ノリスの奥さんらしい。横にはそっくりなエルフのちび少女がいる。ノリスの娘だ。確かに普通にエルフの子供だ。生まれてくる女の子には緑色の肌が遺伝しない・・・ようだ。奥さんにあれこれガミガミ言われながら、やがてノリスが連れ去られるまで、俺は人種問題?を分析していた。


 ああ、勉強になったし、構わないんだけどね。俺は鷹揚な人間だ。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 ノリスが去ったあと、俺の前は空席になった。

 まるで待ち構えていたかのように、ルフトの妻、ルナ・マリアがやってきて座った。少し思いつめた顔をしている。


「あの。私、ノルンのことが嫌いだったわけじゃなくて、その、ルフトも変わっているから。何て言うか、その方針に従わなくちゃいけないというか、そんな空気になってしまって。」


 そう言われて、当のノルンも面食らって言葉を発せない様子だった。


「あれですか?ルフトは戦利品の奥さんを受け入れないってやつですか?」

 俺は助け船を出すつもりで質問した。


「そう。それ。あとは通い妻のマグダレーナやソフィア、ガートルード、アガタ辺りが、法術師は理論体系が違うから、相棒のルフトの魔力が低下するとかなんとか心配して。」


 た、沢山いるなぁ。今軽く4名紹介してくれたが、それ以外にもいるんじゃないだろうか。絶倫ゴブリン。超絶エロ世界が繰り広げられているのは、何も俺の周りに限った事ではなかった!ノルンも全部は把握していなかったのか、目を白黒させていたが・・


「別に法術も魔術も生命エネルギーの使い方が違うだけで、本質は変わらないんですけどね。」

 ノルンは自分が差別されていた点に食いついた。


「あー、それ、私も分かりますね。倭国では気を練ると表現しますけれど、それをそのまま体に吸収させるか、変換して攻撃的に使うか、その程度の違いですよ。」

 理論派侍の美琴も言う。


「本当にそうよね。迷信みたいなものだわ。代わりに私が謝ります。」

 謝罪を込めてルナ・マリアは同意した。


「大丈夫です。今となっては。でも最後に、ルフトが寂しく思わないか、それだけが心残りです。」


 はっ。何て優しさなんだろう。やはり聖母。聖職者の鑑のようではないか!俺はノルンの横顔を見て、本当に惚れ惚れした。


 ルナ・マリアも驚いた目でノルンを見ていた。


 だが卓上に目線を落とし


 ふっと笑った。


「もちろん、彼だって寂しいでしょうけどね。その代わりに私たちが慰め係としてしっぽり犯られるから、大丈夫よ。」

 

 言い終えると、優しくノルンを見つめた。その言葉にノルンは洗われた様子だった。それにしても、あどけない見た目に反して、さらっと言う事がえぐい。正直今の一言で軽く勃起してしまった。やはり実年齢はしっかりとお姉さんなのだ。


「お邪魔したわね。」

 軽く手を振りながら、ルナ・マリアは去って行った。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 気分を変えたくなって、俺たちはラウンジに場所を移した。


 カウンター席に向かうと、当たり前のように常連の女性客がいる。常連さんはマスターと話している。シャキッとしたおじいちゃんゴブリンのマスターは少しバーン王とキャラが被っている。頭部の光的に。常連さんの方は剣士アイラだった。


挿絵(By みてみん)


「ああ、守備隊長・・・じゃなかった、これからは魔王討伐隊長のゴーダ様でしたな。どうぞ。」


 マスターはにこやかに迎えてくれて、俺たちはアイラと並ぶように着席した。


 剣士同士というか、白兵同士というか、アイラはまた美琴と話したかったみたいで、左から順に、ノルン→俺→美琴→アイラの順になった。美琴が色んな意味でデカすぎて、アイラはほとんど見えない。美琴のデカすぎる、失礼、立派なおっぺえより前に顔を出して何とか会釈した。


 ノルンは以前ここに来たとき、ヴァレリアが飲んでいた赤紫色のドリンクを選んだ。俺はやっぱり、エール。異世界と言えば、エールなのだ!ふんぬっ。いや、先日も普通にワイン飲んでたな。特にそんな決まりはない。美琴はアイラに合わせて、ウィスキーベースのカクテルにしているようだ。ハイボールみたいだが、レモンの香りがする。


 乾杯~♪


「王妃様も城内から湧いた死霊?との戦いは大変でしたでしょう?」

 俺は話を振った。


「死霊というか、しつこく、骸骨、骸骨。とにかく骸骨よ。」


「一体どこから入ってきたのでしょう?」

 ノルンも疑問を投げかけた。


「さぁ、一番先に見つけた子達によるとね、ワープゲートみたいなところから出て来たんだって。」


「そうなると、油断できませんね。今後、どこからでも湧いてくるんじゃないですか?」

 美琴も少し心配そうだった。


「それが、ワープゲートは本人が行ったことのある場所にしか設置出来ないんだって。だから、モルガンの行動範囲だけだと仮定すると、前門から玉座の間までのルートだけだって。今回の出現場所も玉座の間の前だったし。」


「その分析、すごいですね。」

 立派な胸をなでおろした美琴。


「ええ。先程ルフトや第一王妃が中心になってルート全体の浄化作業をやっていたわ。」


 大したもんだ。後を任せても全く問題ない面子だと思われる。それにしても謁見自体も今回の布石だったのだ。モルガンはなかなかに姑息だ。その割には情けない逃げっぷりだった。何か非常にアンバランスだな。


 その後、アイラと美琴は様々な冒険譚に花を咲かせていた。俺はノルンとマッサージ屋の話をしていた。ノルンは、「マッサージ屋は今後、女性向けのエステにしていこうかしら。」なんて展望を語っていた。


 陽が沈むころにはラウンジを後にして、ノルンとも別れた。順番通り第四夫人ノルンは明日、旅の宿でのお相手となる。それはそれで楽しみだ。今日のお相手はお互い待ちに待った、第三夫人美琴だ。


 部屋を訪れると、目の前には誰もいない。


 はて、面妖な。


 ドアを閉めると・・・


 すっと後ろからホールドされる。一体どこの八尺様だ?


 恐怖と快感がせめぎ合い、ゾクゾクする。


 俺の両肩にのしかかるたわわな乳房。ふたつの巨大な風船が俺の頭部を挟み込む。


「んふふふ。ご主人様ぁ。今まで散々辛い目に遭わせてくれましたね。どうしてあげましょう?」


 恐ろしい言葉と裏腹に、美しい腕が俺を優しく締め付ける。待ちに待った快楽の時間が始まろうとしている。

人物紹介 その22


ノリス


非転生系のゴブリン。魔法剣士。華奢な体ながら、しっかりと任務をこなす生真面目で頼れる戦士。とても博識で、主にゴブリンの関わる過去の歴史を色々と識っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。