訪れた転移から始まる物語 じーじとルナと僕 9 刀の制作
さて、刀作りはどんなでしょう? 期待です。
今日の午前中は二人で農作業、葉物野菜の収穫をするんで、籠を浮かせて収穫をする魔法の訓練を最初にしたんだ。
ルナの魔法の例えがとても良かったんだ。
エルフ ルナ
【トーヤ、この籠が、布団の上に乗っかってるような感じで、その布団を自分の腰の高さに固定するの。 布団じゃなくても、そんなイメージで籠の下に有る何かを作って、腰の高さで固定するの。 出来るかな?】
この例えで自分の中に、電車の自動運転で、腰の高さで浮いて、俺に付いてくるという魔法を作ったんだ。 【自動運転フォース】 これが新作の魔法なんだ。
それを訓練して、農作業をして、午前中は終わったんだ。
昼食は野菜とハムのサンドイッチと野菜スープ。 またスープをお代わりした。
それで、じーじと朝話しをしていた、刀作りになる。
さて、休憩が終わったら、じーじと刀作りだ。 楽しみだな。
じーじ
「トーヤ、じーじの所に行こう。 刀作りが始まるよ!」
元気なルナの誘いに苦笑しながら、じーじの作業場にルナに先導されて行く。
「じーじ、来たよ。 手伝う事有る?」
「いんや、まずは落ち着いて座るんじゃ。 それとトーヤ、刀は硬い鉄で柔らかな鉄を挟んで、焼きながら叩いて整形していくんじゃな。」
「はい、そうです。 普通は外身が鋼、中は真鉄だと思います。」
「そうか、じゃが鋼と言う物が分からんでな。 外身は魔鉄、中はミスリルの合金にしようと思うんじゃ。 どうかの?」
「うーん、ぼくが魔鉄とミスリルを知らないから、何とも言えません。 すみません。」
「謝る事では無いぞ。 お互いに知らんのじゃ。 まあ試しで作ってみよう。」
じーじは魔鉄でも硬い魔鉄を使い、魔力と闘気に親和性が有るミスリルの合金を挟むつもりだ。
そして、水桶、油桶、灰の桶を用意して、魔導炉に火を入れる。
そこに炭を足してから、外身の魔鉄を2本入れて、フイゴで吹いて高温にする。
赤くなる魔鉄を外に出して、ミスリル合金の中身を入れる。十分温まったミスリル合金を、まだ熱を持つ魔鉄の外身と合わせ、また魔導炉に入れて、今度は赤くなったミスリル合金を挟んだ魔鉄をヤットコで掴み、大きな金槌で挟んだ本体を金床で叩いていく。
段々とミスリル合金が魔鉄に挟まれて包まれていく。
うん、凄いな。 ルナもジーと見つめている。
カン カン カン カン カン 叩いて温度が下がると魔導炉に入れて、また高温にし、金床で叩くのを繰り返す。
うん? 叩かれてる本体が少し光に包まれている。 魔力を込めないといけないのかな?
でも、段々と本体が伸びて、反りも入って行く。
まだ、分厚いな。 でも、さっきより薄くなってる。
じーじは叩く、魔導炉に入れる。叩くのを繰り返し、刀身が出来上がっていく。
うーん、凄い集中力だ。 これは良い刀になるんじゃないかな?
さらに刃は付いていないけど、大体の形になってきた。 それを油桶に入れて冷ます。
「ふう、こんな形かの? え、トーヤ? 今度は細かな叩きになるがの。」
「ええ、この形で大丈夫だと思います。 しかし、見事な集中力ですね。 びっくりです。」
「そうか? まあ、昔作ったアダマンタイトの剣に比べればまだ良い方じゃ。 あれは疲れたの。」
「では、続きをするぞ。」
じーじは冷めた刀身を、魔導炉に入れて温め始める。 段々と赤くなってくる刀身を、今度は細い金床で叩いていく。
うん、刀の反りと刃紋が出来てきている。 聞いただけでここまで出来るとは、じーじは匠だな。
「よし、これで良いじゃろ。」 灰の桶に入れてから、また魔導炉に、また灰の桶に入れる事を繰り返してる。
それからまた叩き出し、最後は水桶で冷ました。
「ふう、これで良さそうじゃな。 後は研ぎじゃな。」
「トーヤ、ここまでで何か気づいた事は有ったかの?」
「えーと、灰の桶の使い方が分からないです。 教えてもらえますか?」
「ええじゃろ。 灰の桶の灰は魔鉄を使う時に硬すぎるのを防ぐためじゃ。 まあ気休めじゃけどな。」
「でも、その叩く時に魔力を流していましたよね。 それは?」
「ミスリルを扱う時は魔力がいるんじゃ。 その魔力が無いと、金属が整形出来なくってな。 でも、製品となると硬さも変わるんじゃ。」
「そうですか。 貴重な教え、ありがとうございました。」
休憩が終わり、今度は研ぎに入る。
丸い砥石が回る器具に、刀身を押し当てて、研いでいく。 回る砥石の下は水が張ってあり、砥石での焼けがしないようになっている。
段々と光ってくる刀身、そして刃が付いてくる。
それから平らな砥石に変わり、シャー シャー シャーと刀身が砥石の上を滑っていく。
今度は魔力が流れているのが、はっきりと分かる。 ミスリル合金が研がれているんだろう。
そしてきれいになっていく刀身と刃紋がきれいだ。
さて、そろそろ出来上がりだな。 凄いよ。 半日でここまで出来るんだ。
「よし、出来たぞ。 どうじゃ? トーヤ?」
「凄いです。 こんなに早く出来るなんて。 それにこの刃紋もきれいだし、本当の刀です。」
「そうか、ならこれで刀身は出来上がりじゃ。 今度は柄と鞘を作らなくてはの。 色の好みは有るかの?」
「そうですね。 「あたしは赤がいい! 絶対赤。 それで刀法を教えてもらうの」
「あのな、ルナ、これはトーヤのじゃ。 長さが全然違うぞ。」
「えーっ こんなにきれいなの初めてだもん。 私、欲しい!!」
「ふむ、ではルナよ。 作ってやるから順番じゃ。 儂の次じゃ、良いな。」
「えーっ 次じゃないの? やだやだ。」
「あのな、トーヤが使って、何か有ったら、今度は儂ので問題の所を無くす。 それから作るから一番良のが行くんじゃぞ。 それでも待てんか?」
「うーん、ならトーヤが使ってから試させてもらう。 作ってもらうのは待つわ。」
「それで良いか? トーヤ。」
「ええ、大丈夫です。 柄と鞘の色は黒が良いと思います。」
「そうか、なら黒で作ろう。 材料を取ってくるぞ。」
じーじが保管庫から堅い木を持ってきて、柄の部分と、鞘の部分で切り分ける。
柄は刀身の後ろが尖って、穴が空いているので、それを嵌めて、目釘を打つ必要が有る事を伝える。
じーじは柄を俺の手の長さに合うように作り、目釘を打つ場所を決め、それから何かの皮を巻いて、錬金術で一体化する。 それから柄糸を巻き、さらに。中子を入れて、目釘を嵌めた状態で革紐を巻いていく。 それを錬金術で馴染ませる。
今度は鞘を作る。 持ってきた木から板を取って、それに刀身を当てて、彫っていく。 それから刀身が引っかからないのを確認してから板を合わせて、削っていく。
それが終ると、何かの塗料を塗り、錬金術で仕上げた。
うーん、全部が半日以下で出来たよ。 じーじ凄い匠だったよ。
「トーヤ、出来たぞ。 これでどうじゃ?」
「はい、試してみます。 外に行きますか?」
「そうじゃな、外に行こう。」
「それで、的を作ります。 木の枝の人形みたいなのを作りますから。」
俺は外に出て、木の杭を作り、2本地面に刺して、木の人形を作り、同じく地面に刺して的にする
ルナがワクワクした感じで俺の所に来て言った。
「トーヤの刀法が見れるのね。 期待してるわよ。」
「儂も見てみたいぞ。 期待しておるからな。」
腰に吊るした刀を何度か鞘から抜いたり、入れたりして感覚を掴んでいく。
的の近くに寄り、キェーー と発声し、抜刀術の居合を行う。
チン 刀が鞘に収まる。 それから切れた杭がズレて落ちる。
もう一度今度は離れて、キェーー 飛び込み抜刀の居合で、チン、と鞘に収まる刀。
それから、木の人形に相対して、上段から袈裟斬り、横薙ぎ、それから下段からの中斬りとして、木の人形がバラバラになる。
じーじが拍手して言う。
「凄いぞ。 これが刀の刀法か。 見事なものじゃ。」
「ねえねえ トーヤ カッコいい!! ぜったいに教えてね。 シュパッ チン やってみたい!!」
「いいですけど、時間掛かりますよ。 良いんですか?」
「えーっ すぐに出来る方法ないの? でも頑張るわ。」
「儂にも教えてくれ。 これが曲刀の理なんじゃな。 こちらの直剣とは全然違うな。」
「ええ、自分でも驚いてます。 ここまで身体が動くとは思わなかったです。」
「そうか、でも出来るもんじゃな。 さすが武術を修めたと言えるだけの事は有るな。」
「はい、それは自分の頑張りなので。 でもこれから午後は体術と刀法の練習で良いのですか?」
「うむ。 良いぞ。 ルナも良いじゃろ。」
「私は刀法だけでいいよ。 体術は後回し。」
「いえ、体術をすると、刀法も良く分かりますよ。」
「えーー なら、するわ。 トーヤ、分かりやすく教えてね。」
「はい、出来るだけ分かりやすく教えます。 よろしく。」
こうして、刀の制作と刀法の試技が終わり、楽しい夕食を食べて寝る準備に入った。
「トーヤ、こっちにいらっしゃい。 拭いてあげるから。」
「はい、行きます。」
「本当に、こんなに小さいのに、よくあの刀であの木を切ったわね。 結構硬い木なのよ。 あの木。」
「そうですか? スパッと切れたから、じーじの作った刀が良かったんでしょう。 斬れ味も凄そうでしたし。」
「ふーん。 じゃあ、使うのは気をつけないといけないのね。 でもあのカッコいいのしたいわ。 教えてね。」
「じゃあ、今度は私の背中を拭いて。 服脱ぐから。」
「はい、待ってます。」
「じゃーん、どうトーヤ、おっぱいが当たったでしょ サービスだから明日刀を触らせてね。」
こうして、過激なサービスも受けて、ルナとじーじに刀法と体術を教える事になった俺だった。
やっと刀が出来ました。 じーじはすごい匠だったのですね。 脱帽です。




