第1章: 放射性ゴーレムの攻略法
ウラン・ゴーレムとの戦いは、熾烈を極めた。四体のゴーレムは、単なる兵器ではなく、高度な連携と思考ルーチンを持っているようだった。一体が秀城の酸魔法を警戒すれば、別の一体がアメリの回復魔法を妨害し、残りの二体がジンクとガリオの物理攻撃を封じる。
「こいつら、強すぎる!レベル20どころじゃない、レベル22クラスが四体だ!」 ガリオが、ガリウムの液体金属を鞭のようにしならせ、ゴーレムの関節部を狙うが、黒い合金は傷一つつかない。
「メンデレ、どうする!このままじゃジリ貧だ!アメリさんのMPが先に尽きるぞ!」 ジンクの雷撃も、ゴーレムの強力な電磁耐性によって威力を減衰させられていた。
「(ダメだ…!俺の原子崩壊レーザーも、一体を倒すのに時間がかかりすぎる。四体同時は不可能だ…!)」 秀城は、イッテルビウムの超光速発動で攻撃を回避しながら、必死に活路を探っていた。ウラン・ゴーレムの弱点は、その動力源であるウラン核そのものにあるはずだった。
「ウランの特性…核分裂…連鎖反応…」 秀城は、元素図書館で得た知識を総動員する。 「ウランの核分裂は、中性子によって引き起こされる。そして、その反応を制御(減速)するためには、水(H2O)や重水(D2O)、あるいは黒鉛(C)のような減速材が必要だ…!」
「そうだ!」秀城は叫んだ。「奴らの核は、暴走しないように、何らかの減速材によって制御されているはずだ!その制御を破壊すれば…!」
「どういうことだ、メンデレ!?」
「説明は後だ!ジンクさん、ガリオさん、ナトリ!三方向から、ゴーレムの胸部を集中攻撃してくれ!装甲をこじ開ける!」 「オクシアさん!俺の指示で、最大出力の水魔法を!」 「アメリ様!俺の魔力が尽きたら、すぐに持続再生を!」
秀城は、自身の攻撃の役割を変えた。破壊ではなく、一点突破。 「【ホルミウム収束・タングステンニードル】!」 秀城は、タングステン(W)の最硬の特性と、モリブデン(Mo)の硬化促進の力を、ホルミウムの超磁性で極限まで収束させ、一本の針を生成した。
「超光速発動!」 イッテルビウムの力で加速された針が、ゴーレム一体の胸部装甲の、原子レベルの隙間に撃ち込まれた。 ギィン!という甲高い音と共に、装甲に蜘蛛の巣状のヒビが入る。
「今だ!ジンクさん!」 「オオオッ!【ギガボルト・クラッシュ】!」 ジンクの最大雷撃が、ヒビに叩き込まれ、装甲を吹き飛ばした。
中から、赤黒く輝くウラン核が露出した。核の周囲には、冷却水のような液体が循環し、核分裂を制御しているのが見えた。
「オクシアさん、今だ!【純水奔流】!」 オクシアが放った大量の水が、露出した核に直撃した。
ジュウウウウウウッ!
超高温のウラン核が、制御外の水と接触し、水蒸気爆発を引き起こした。さらに、制御システムが破壊されたことで、ウラン核の核分裂反応が暴走を始めた。
「ガアアアア…!?」 ゴーレムは、自身の核の暴走に苦しみ始め、動きが止まった。
「まずい、暴走する!メルトダウンだ!」ガリオが叫んだ。
「いいや、させない!」 秀城は、この瞬間のために魔力を温存していた。 「【崩壊中和結界】!」 秀城は、暴走を始めたウラン核に向かって、プロトアクチニウム(Pa)とアメリシウム(Am)の力を全力で解放した。 青白い安定化の波動が、赤黒い崩壊の波動を包み込み、強制的に中和していく。
ウラン核の輝きは急速に失われ、核分裂は停止した。ウラン・ゴーレムは、その場で機能を停止し、ただの鉄塊となった。
「やった…!一体倒したぞ!」ナトリが歓喜の声を上げた。
「残り三体!同じ手順で行くぞ!」 秀城たちは、この攻略法を繰り返し、一体また一体と、ウランの守護者たちを無力化していった。
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