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元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第14巻「レムリアの試練と賢者の石」

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プロローグ: ウランの守護者

古代都市レムリア、その中央神殿。数千年の静寂は破られ、今は死闘の舞台と化していた。海に沈んだ都市の薄暗い広場を、禍々しい放射性の魔力が満たしている。

メンデレ秀城、ジンク、オクシア、ナトリ、アメリ、そしてガリオの六人は、神殿の祭壇を守るように円陣を組んでいた。彼らの前に立ちはだかるのは、アルケミス・ダークが仕掛けた最悪の罠——ウラン・ゴーレム。

それは四体。それぞれがレベル20に匹敵する、圧倒的な存在だった。黒曜石のような黒い合金でできた巨体は、古代ウーア文明の技術の粋を集めたものだろう。だが、問題はその動力源だった。ゴーレムの胸部で赤黒く輝くコアからは、秀城がプロトアクチニウムの試練で感じたものと同質、いや、それ以上に強烈なウラン(U)の放射性魔力が放出されていた。

「くそっ…!こいつら、近づくだけで体力が削られていくぞ!」 ジンクが、亜鉛の防御強化を自身と仲間にかけながら叫んだ。ウランの核が発する放射線は、不可視のダメージとして彼らのHPをじわじわと蝕んでいた。

「【持続再生の波動】!」 アメリが即座に反応した。彼女のアメリシウムの力が、ツリウムと酸素の力を増幅させ、青白い光がパーティー全体を包み込む。放射線によるダメージが、奇跡的な速度で回復していく。

「アメリ様、ありがとうございます!でも、これではMPが…!」 オクシアがアメリの消耗を案じる。

「問題ありません。これが、アメリシウムの『持続』の力。私の役目です」 アメリは毅然として杖を構えた。

「ガアアアァァァッ!」 一体のゴーレムが、重い腕を振り下ろした。ガリオがガリウムの液体金属の盾で受け流そうとするが、ゴーレムの質量とパワーは桁違いだった。

「重すぎる!こいつ、物理攻撃も並じゃねぇ!」 ガリオは吹き飛ばされ、神殿の柱に叩きつけられた。

「ガリオさん!」 秀城が叫ぶ。「こいつらは、俺の酸魔法で!」

秀城は即座に融合魔法を構築した。 「【王水(アクアレギア)】!」 塩酸と硝酸の融合魔法。金すら溶かす最強の酸が、ゴーレムの一体に降り注ぐ。ゴーレムの黒い装甲が、ジュウウッと音を立てて溶け始めた。

「よし!効いてる!」 しかし、ゴーレムは溶解する装甲をものともせず、胸部のウラン核の出力を上げた。赤黒い光が閃光となり、放射性熱線ウラニウム・レイとして秀城を襲った。

「【波動変換結界】!」 秀城は、ツリウムと不活性元素の結界を瞬時に展開。熱線は結界に吸収され、無害な光に変換された。

「メンデレさん、こっちも!」 ナトリが、ナトリウム・スーパーノヴァの熱線で別のゴーレムを攻撃するが、ゴーレムはウランの力で熱線を吸収し、自身のエネルギーに変えてしまった。 「なっ…!私の炎が効かない!?」

「ダメだ、ナトリ!」秀城は叫んだ。「奴らの核はウランだ!中途半端なエネルギーは吸収されてしまう!弱点は、俺の酸か、ジンクさんの雷、あるいは超低温だ!」

「厄介な相手だぜ!」 ジンクが雷撃を放ち、ゴーレムの動きを牽制する。

広場に刻まれた石碑が、戦いを見下ろすように静かに佇んでいる。 『石に触れし者、アクチノイドの試練を受けよ。ウラン、プルトニウム、アメリシウム、キュリウム…』

「試練…!」 秀城は、この絶望的な戦いこそが、石碑が示す『ウランの試練』そのものであると直感した。 「こいつらを倒さなければ、次のステップ…賢者の石の鍵となるキュリウム(Cm)にはたどり着けない!」

秀城は、レベル17の全魔力を解放し、ウランの守護者との死闘に身を投じた。

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