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元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第12巻「アメリシウムの巫女」

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第4章: 谷への侵入者と古代の守護者

忘れられた谷の結界に発生した異常。それは、谷の外周部で起こった大規模な爆発だった。元素狩りの一団が、アルケミスから与えられた濃縮ウランを用いた特殊な爆弾を使い、古代の結界の一部を強引に破壊し、谷への侵入を果たしたのだ。

「敵襲!敵襲!」

谷の民たちの叫び声が響き渡る。彼らは、農具や狩りの道具を手に取り、侵入者たちに立ち向かおうとするが、元素狩りの兵士たちは、アルケミスによって強化されており、その戦闘力は守護者の正規兵にも匹敵するレベルだった。

「巫女様!敵が聖域に向かってきます!」

長老が、アメリと秀城に報告した。

「アルケミスの差し金か…!俺のアメリシウム習得を阻止し、巫女様を連れ去るつもりだ!」

秀城は、アメリシウムの力を全身に満たしながら立ち上がった。

「アメリ様、あなたはここに。俺が迎撃します!」

「いいえ、私も戦います」

アメリは、静かだが強い意志のこもった瞳で秀城を見た。

「この谷と民を守るのが、巫女の務めです。そして、アメリシウムの真の力は、守るべきものがある時にこそ、最大限に発揮されるのです」

アメリは、神殿に代々伝わるアメリシウムの杖を手に取った。杖の先端の結晶が、彼女の魔力に呼応して青白い光を放つ。

秀城とアメリは、聖域を出て、谷の民たちと共に侵入者を迎え撃った。谷の民たちは、戦闘経験こそ少ないものの、谷に満ちる精霊の力と、古代から伝わる守護魔法を巧みに操り、元素狩りの兵士たちと互角以上に渡り合った。

「これが、忘れられた谷の力…!」

秀城は驚いた。彼らは、近代的な元素魔法とは異なる、自然と調和した古の魔法体系を受け継いでいたのだ。

しかし、元素狩りのリーダー格の男…アルケミス四天王には及ばないまでも、レベル16相当の実力を持つ指揮官…が、強力な破壊魔法で谷の民の防御を打ち破り、アメリに向かって突進してきた。

「巫女は我々がいただく!」

「させるか!」

秀城は、男の前に立ちはだかった。

「超光速発動!原子崩壊レーザー!」

イッテルビウムの精度で放たれたレーザーが、男の魔法障壁を貫通し、彼の肩を撃ち抜いた。

「ぐあああっ!なんだこの威力と速度は…!?」

男は驚愕し、後退した。

「アメリ様、今です!」

「はい!アメリシウムの静寂(アメリシウム・サイレンス)!」

アメリが杖を掲げると、青白い光の波動が広がり、元素狩りの兵士たちの魔力そのものを鎮静化させた。彼らの魔法が一時的に使えなくなり、動きが鈍る。これは、元素崩壊とは異なる、安定化による無力化だった。

「すごい…これがアメリシウムの制御の力…!」

秀城は、動きの鈍った敵指揮官に畳み掛けた。

「ホルミウム収束!プラズマ・キャノン!」

収束されたプラズマが指揮官を直撃し、完全に戦闘不能にした。

リーダーを失った元素狩りの兵士たちは、谷の民の守護魔法とアメリの鎮静化の力によって次々と無力化され、捕縛されていった。

谷への侵入者は撃退された。しかし、彼らが結界を破壊するために使ったウラン爆弾の残骸からは、依然として危険な放射性の魔力が漏れ出していた。

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