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元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第12巻「アメリシウムの巫女」

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第5章: 次なる目的地とアメリの決意

侵入者を撃退した後、秀城とアメリは、谷の長老と共に、破壊された結界の修復と、ウラン爆弾の残骸の処理にあたっていた。アメリシウムの力は、放射性物質の半減期を促進させ、無害化する効果も持っていた。

「これで、谷の汚染は最小限に抑えられました」

アメリは、額の汗を拭いながら言った。

「しかし、アルケミスがウラン、それも濃縮ウランまで手に入れていたとは…彼の計画は、私たちの想像以上に進んでいます」

その時、ジンク、オクシア、ナトリの三人が、谷に到着した。

「メンデレ!アメリ様!無事か!?」 ジンクは、谷の惨状を見て息を呑んだ。

秀城は、三人にこれまでの経緯と、谷の民、そしてアメリの力を説明した。そして、ジンクたちから、元素狩りがウラン鉱石を集め、超重元素を生成しようとしている可能性を聞かされた。

「やはり…アルケミスの狙いは、周期表の「外」…」

秀城の懸念は、確信へと変わった。

「超重元素を安定化させ、兵器として使う…そんなことが本当に可能なのか?」

「アルカイア様に報告し、元素図書館の深淵の区画で、超重元素に関する情報をさらに詳しく調べる必要があります」

オクシアが冷静に進言した。

「しかし、地下都市に戻るのは危険です」

アメリが言った。

「アルケミスは、必ずや秀城様を待ち伏せているでしょう。それに、プルトニウムの共鳴も、いつまた始まるか分かりません」

「では、どうすれば…」

ナトリが不安げに尋ねる。

秀城は、アルカイアから受け取ったもう一つの資料…超重元素に関する断片的な記録…を思い出していた。そこには、「安定の島」と呼ばれる未知の元素領域と共に、「賢者の石」という言葉が記されていた。

「賢者の石…錬金術の究極の目標とされる、あらゆる物質を金に変え、不老不死をもたらすという伝説の物質…」

秀城は呟いた。

「もし、賢者の石が実在し、それが超重元素を安定化させる鍵だとしたら…?アルケミスは、それを狙っているのかもしれない」

「賢者の石ですって!?」

ジンクが驚きの声を上げた。「そんなものが、本当に…?」

「古代の文献には、その石が「世界の果て」にある「始まりの地」に隠されている、という記述があります」

アメリが、巫女として受け継いできた知識の中から、その情報を引き出した。

「ですが、その場所も、行き方も、もはや誰にも分かりません」

「手がかりはある」

秀城は、再び地図の断片を取り出した。

「アルカイア様から託されたこの地図には、忘れられた谷だけでなく、もう一つ、奇妙な座標が記されている。これが、「始まりの地」への道を示しているのかもしれない」

「ならば、行くしかありませんね」

アメリは、静かに立ち上がり、決意の表情で秀城を見た。

「秀城様。私も、あなたと共に行きます。アメリシウムの力は、アルケミスの崩壊を止めるだけでなく、未知の元素の安定化にも役立つはずです。それに…あなたと共に、この世界の真実を見届けたいのです」

アメリ・カレント。忘れられた谷の巫女が、数千年の沈黙を破り、外界へと旅立つことを決意した瞬間だった。

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