第3章: 放射性鉱石の謎とアルケミスの狙い
秀城たちが忘れられた谷でアメリシウムの習得に集中している間、地上ではジンク、オクシア、ナトリが、元素狩りと「呪われた石」…ウラン鉱石に関する調査を続けていた。彼らは、鉱山町での聞き込みと、守護者本部の情報網を駆使し、驚くべき事実を突き止めていた。
「どうやら、元素狩りは、この数ヶ月間、各地の古い鉱山から大量のウラン鉱石を秘密裏に採掘し、どこかへ運び込んでいるらしい」
ジンクは、彼らが拠点としている宿屋で、集めた情報を地図上に書き込みながら報告した。鉱石の輸送ルートは、巧妙に隠蔽されていたが、最終的には大陸中央部の、古代遺跡が多く存在する地域へと向かっているようだった。
「ウラン鉱石…やはり、アルケミスはプルトニウムだけでなく、ウランも利用するつもりなのね」
オクシアは、手元の資料…元素図書館から持ち出したウランに関する記録のコピー…を確認した。
「ウラン235は、プルトニウムと同様に核分裂を起こしますが、天然ウランにはごく少量しか含まれていません。まさか、アルケミスはウラン濃縮の技術まで持っているというの…?」
「それだけじゃないかもしれない」
ナトリが、不安そうな表情で口を開いた。
「町の人が言ってたんだけど、元素狩りが掘り出してるのは、ただのウラン鉱石だけじゃないみたい。「見たこともない、もっと重くて、もっと禍々しい光を放つ石」も一緒に運び出してるって…」
「もっと重くて、禍々しい石…?」
ジンクは眉をひそめた。
「まさか…アルケミスは、ウランやプルトニウムを使って、人工的に超重元素を生成しようとしているのか…?ノクターンの言っていた「周期表の外」の力とは、そのことか!?」
もしそうだとしたら、事態は秀城たちが想定していた以上に深刻だった。超重元素は、理論上存在が予測されているだけで、その性質は全くの未知数。もしアルケミスが、不安定な超重元素を兵器として安定化させる方法を見つけ出していたとしたら、プロトアクチニウムの中和能力すら通用しない可能性がある。
「アルケミスの真の狙いは、単なる世界の支配じゃないのかもしれない…」
オクシアは、ある恐ろしい可能性に思い至り、顔を青ざめさせた。
「彼は、元素の法則そのものを書き換え、この世界を彼だけの法則が支配する、異質な次元へと変貌させようとしているのでは…?」
その時、宿屋の窓の外で、空が一瞬、赤黒く染まった。遠く、忘れられた谷の方向から、巨大な魔力の爆発が起こったような衝撃波が、微かに伝わってきた。
「今の光は…!?」
「谷の方向だ!まさか、メンデレたちの身に何かが!?」
「急いで戻らないと!」
三人は、最悪の事態を予感し、忘れられた谷へと全速力で引き返し始めた。
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