表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第10巻「崩壊と調和の最終決戦」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/190

第4章: 崩壊中和、プロトアクチニウムの奇跡

広場の中央では、秀城とアルケミスの戦いが最終局面を迎えていた。

アルケミスは、秀城のプロトアクチニウムによる干渉でプルトニウムの制御を乱され、怒りに燃えていた。彼は、もはや都市のエネルギーを吸収することに集中するのをやめ、自身の魔力とプルトニウムの暴走寸前の核エネルギーを直接秀城に叩きつけることを選択した。

「貴様を消し去り、その魂ごと元素の力を奪ってくれる!喰らえ!究極崩壊・ブラックホール!」

アルケミスの周囲に渦巻いていた黒いエネルギーが、一点に収束し、本物のブラックホールのような、光すら飲み込む漆黒の球体へと変化した。それは、プルトニウムの核分裂エネルギーが臨界点を超え、空間そのものを崩壊させ始めた兆候だった。

その漆黒の球体は、ゆっくりと、しかし確実に、秀城に向かって動き出した。周囲の瓦礫や空気が、その重力に引かれて吸い込まれていく。

「あれは…まずい!防御結界が…吸い込まれる!」

秀城は、ツリウムの波動変換結界を展開したが、ブラックホールの超重力の前には、光エネルギーへの変換が追いつかず、結界そのものが歪み、引き裂かれ始めた。

「秀城さん!」

「メンデレ!」

仲間たちの悲鳴が聞こえる。

(これが…アルケミスの究極の元素の力…!崩壊の連鎖そのもの…!)

秀城は、絶望的な状況の中で、アルカイアの言葉を思い出していた。

「君の調和の力は、崩壊の力に打ち勝つ」

(そうだ…俺の力は、調和…!)

秀城は、瞳を閉じた。彼は、自身の内に存在する64個の元素全てに語りかけた。水素の軽さ、ヘリウムの自由、リチウムのエネルギー、ベリリウムの硬さ…炭素の結合、窒素の静寂、酸素の生命…ナトリウムの反応、マグネシウムの光…アルミニウムの軽快さ、ケイ素の安定…リンの光、硫黄の二面性…塩素の浄化、アルゴンの不干渉…カリウムのバランス、カルシウムの支え…スカンジウムの希少性、チタンの不屈…

彼は、ホルミウムの収束力で全ての元素の意志を一つに束ね、ツリウムの再生の光でその力を増幅し、イッテルビウムの究極の精度でその方向性を定めた。

そして、最後に、プロトアクチニウム(Pa)の力を解放した。

崩壊中和結界(アンチ・ディケイ・フィールド)!」

秀城の全身から、純粋な白色の光が溢れ出した。それは、プロトアクチニウムの不安定な核エネルギーが、他の63個の元素との完全な調和によって安定化され、究極の防御エネルギーへと昇華した瞬間だった。

白色の光は、巨大なドームとなって広場全体を覆い尽くした。

アルケミスの放ったブラックホールが、その白い結界に接触した。

空間が軋む。光と闇が激しくせめぎ合う。ブラックホールは結界を飲み込もうとし、結界はブラックホールの崩壊エネルギーを中和しようとする。

「無駄だ!私の崩壊は止められない!」

アルケミスが叫ぶ。

「いいや、止める!俺の元素は、破壊のためだけにあるんじゃない!」

秀城は、結界の中心で、両手を天に掲げた。

「全ての元素よ!今こそ、調和の力を示す時だ!」

秀城の呼びかけに応えるように、結界の白色の光が、虹色へと変化した。水素の赤、ヘリウムのオレンジ、リチウムのピンク…118の元素が持つ固有のスペクトルが、結界の中で美しいハーモニーを奏で始めた。

そして、その虹色の調和の光が、ブラックホールの中心、プルトニウムの核へと流れ込んだ。

崩壊の連鎖が、調和の波動によって上書きされていく。不安定なプルトニウムの原子核が、プロトアクチニウムと他の元素の力によって、強制的に安定した鉛(Pb)の原子核へと変換されていく。

ブラックホールは、そのエネルギー源を失い、急速に縮小し始めた。そして、最後には小さな光の粒子となって、静かに消滅した。

「馬鹿な…私の…私の究極の崩壊が…中和されただと…!?」

アルケミスは、信じられないものを見る目で、呆然と立ち尽くしていた。彼の最強の切り札が、完全に破られたのだ。

感想等お待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ