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元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第10巻「崩壊と調和の最終決戦」

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第1章: 歪む時空、四天王の襲来

地下都市の境界に展開されていた時空安定化フィールドは、プロトアクチニウム、イッテルビウム、ランタンの力を融合させた、アルケミスの空間転移を完全に封じるための絶対的な防御壁のはずだった。しかし、今、そのフィールドが内側から歪み、悲鳴を上げていた。

「どういうことだ!?空間転移は外側からのはず…!」

セレンが管制室のモニターを睨みつけ、叫んだ。モニターには、都市境界の複数箇所で、空間が引き裂かれるような異常な魔力パターンが表示されていた。

「奴め、空間転移そのものではなく、空間の歪みそのものを武器として攻撃してきたか!」

アルゴンは即座に状況を理解した。アルケミスは、プルトニウムの力で増幅させた自身の魔力を使い、守護者たちが構築した安定化フィールドの調和を乱し、強制的に時空の裂け目を作り出したのだ。

裂け目からは、元素狩りの兵士たちが次々と現れた。彼らの数は数百に及び、以前よりも明らかに練度が高い。しかし、それ以上に守護者たちを驚愕させたのは、その先頭に立つ四人の異様な姿だった。

一人は、全身が紅蓮の炎に包まれた大男。 一人は、絶対零度の冷気を纏う細身の女。 一人は、大地そのものを操るかのような、岩石の巨人。 そして最後の一人は、影の中に完全に溶け込み、気配すら感じさせない暗殺者。

「あれは…!アルケミスの側近、「元素狩り四天王」!」

プラチナが、忌々しげに呟いた。彼女は、かつて彼らと交戦した経験があるようだった。

「それぞれが、単一元素を極めた、レベル18以上の強者たちよ。炎のマグマロス、氷のフリージア、地のガイアード、闇のノクターン…彼らが揃って現れるなんて!」

四天王は、出現と同時に凄まじい破壊活動を開始した。マグマロスは紅蓮の炎で防御壁を溶かし、フリージアは絶対零度の吹雪で守護者たちを凍てつかせる。ガイアードは大地を隆起させて通路を破壊し、ノクターンは影から影へと移動し、守護者の指揮官たちを次々と暗殺していく。

「くっ…!これほどの戦力を一度に投入してくるとは!」

アルゴンは苦渋の表情で指示を出す。

「セレン、プラチナ!君たちは四天王の迎撃を!他の守護者たちは、雑兵の掃討と市民の避難誘導を急げ!」

「アルゴン様、我々も行きます!」

ジンクが前に出た。

「四天王は強敵だ。セレン様とプラチナ様だけでは危険すぎる!」

アルゴンは一瞬躊躇したが、頷いた。

「分かった。だが、決して無理はするな。君たちの最優先任務は、メンデレ君を守ることだ」

「秀城さん、私たちは四天王の足止めをします!」

オクシアが、ツリウムで強化された回復魔法のオーラを放ちながら言った。

「その間に、あなたはアルケミスを!」

秀城は頷いた。

「分かった。だが、もし危険になったら、すぐに退いてくれ。俺が必ず後を追う」

秀城は、一人、都市の中心部へと向かった。アルケミスの巨大な魔力は、そこから感じられた。仲間たちを信じ、彼は最終決戦の地へと急いだ。

通路を進む途中、秀城はイッテルビウムの力で強化された感覚で、アルケミスの魔力の質が変化していることに気づいた。それは、単なる強大な魔力ではない。まるでブラックホールのように、周囲の元素エネルギーを無尽蔵に吸い込み、そして崩壊へと導く、禍々しい波動だった。

「あれが、プルトニウムの力…!既に、連鎖反応が始まっているのか…?」

秀城は、自身のプロトアクチニウムの力を感じた。それは、アルケミスの崩壊の力とは対極にある、静かで、しかし揺るぎない安定の力だった。

「待っていろ、アルケミス。あんたの崩壊は、俺の調和で必ず止める!」

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