エピローグ: 勝利の後に残された謎
アルケミスを撤退させた秀城たちは、地下都市に平穏を取り戻した。元素狩りの残党は全て掃討され、守護者たちは勝利に沸いた。秀城の功績は、都市の歴史に深く刻まれた。
しかし、秀城の心には、アルケミスの最後の言葉が残っていた。
「究極の元素」
秀城は、自室で周期表のタペストリーを見上げていた。習得した63個の元素。残る元素は55個。その中には、超ウラン元素と呼ばれる、人工的にしか存在しない、不安定で強力な元素群が含まれている。
「アルケミスが言っていた「究極の元素」…それは、この周期表のさらに奥、アクチノイドや超アクチノイド元素のことかもしれない…」
彼の前には、プラチナとセレンが立っていた。
「メンデレ。アルケミスの最後の言葉は、気にする必要はないわ」
とプラチナは言った。
「彼は負け惜しみを言っただけよ」
しかし、セレンは首を振った。
「いや、プラチナ。奴は嘘を言っていないかもしれない。アルケミスは、この世界の元素使いではない。彼が異世界から転移した者であるならば、この世界の常識を超えた元素を知っていてもおかしくはない」
秀城は二人に尋ねた。
「セレンさん、プラチナさん。この世界の誰も習得したことのない元素、特に原子番号92のウラン以降の元素については、何か知っていますか?」
セレンは真剣な表情になった。
「ウラン以降…それらはアクチノイド元素と呼ばれ、極めて不安定で、強力な放射能を持つ。古代の文献には、その元素を操ろうとして、世界を滅亡の危機に瀕させた魔導士の記録がある。守護者たちは、それらの元素がこの世界に影響を与えないよう、その存在自体を封印してきた」
プラチナは不安そうに言った。
「でも、アルケミスがその一つを習得したというのなら…」
秀城は決意を固めた。
「俺は、アルケミスの究極の元素に対抗できる力を手に入れなければならない。そのためには、残りの元素も、そして、危険なアクチノイド元素についても知る必要がある。アルゴンさんから、守護者本部の元素図書館へ行く許可をもらいます」
秀城の戦いは、まだ終わらない。アルケミスを退けたことで、彼は、この世界の最も深く、最も危険な真実に触れることになったのだ。
第8巻「超光速の反撃」をお読みいただき、ありがとうございます。今回は、修行を終えた秀城が地下都市に戻り、因縁の宿敵アルケミスとの決戦に挑む物語でした。ホルミウム、ツリウム、イッテルビウムの力が融合し、秀城の魔法は「超光速」という新たな次元に到達しました。これにより、アルケミスの絶対的なアドバンテージであった空間転移を見事に封じ、勝利を収めることができました。しかし、アルケミスの最後の言葉「究極の元素」は、新たな謎と脅威を残しました。物語は、いよいよ周期表の深淵、アクチノイド元素という、極めて危険な領域へと突入していきます。
【第8巻終了時点での習得済み元素(全63種)】秀城の習得元素は63種のままで、経験値を大幅に獲得しました。
周期元素名 (元素記号)第1~5周期第6巻あとがき記載の57元素
第6周期 (ランタノイド)ランタン (La) ~ サマリウム (Sm), ホルミウム (Ho), ツリウム (Tm), イッテルビウム (Yb), テルビウム (Tb), タングステン (W), 白金 (Pt), 金 (Au)その他セシウム (Cs), バリウム (Ba)(合計63元素。レベルアップはしていないものの、経験値は大幅に増加し、次のレベル17に近づきました。)
【重要登場人物】
メンデレ・秀城: 主人公。元素錬金術師。Lv.16、習得元素63個。超光速発動でアルケミスの空間転移を封じる。次の目標は、アクチノイド元素の調査。
プラチナ・ノーブル: 白金族の精鋭。秀城の超光速発動の力を認め、その強さに驚愕する。
アルケミス・ダーク: 敵対組織「元素狩り」のリーダー。秀城の成長に驚きつつも、「究極の元素」の存在を匂わせ、再び撤退する。
セレン・ルミナス: 元素の守護者。アルケミスの言葉から、アクチノイド元素の危険性を察知する。
【重要語句】
超光速発動: イッテルビウムの力で、魔法の詠唱時間と発動速度を限界まで短縮する、秀城の新たな切り札。アルケミスの空間転移を封じることに成功した。
全元素の調和: 習得した全ての元素の魔力を一瞬で協調させ、元素崩壊の魔力すら吸収・再構築する秀城の奥義。
究極の元素: アルケミスが言及した、秀城の知らない強大な元素。アクチノイド元素の可能性が高い。アクチノイド元素: 周期表の深奥に位置する、ウラン以降の元素群。極めて不安定で放射能を持つとされる。
感想等お待ちしています。




