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元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第9巻「禁断のアクチノイド」

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プロローグ: 図書館への扉

アルケミスとの激戦から一夜明け、地下都市は表面的な静けさを取り戻していた。しかし、守護者たちの間には、アルケミスの最後の言葉、「究極の元素」への警戒感が広がり続けていた。

メンデレ秀城は、守護者たちの最高司令官であるアルゴン・ノーブルに対し、正式に「元素図書館」の利用を願い出ていた。元素図書館は、守護者本部の中でも最も奥深く、限られた者しか立ち入ることのできない、元素に関する古文書や機密情報を保管する場所である。

アルゴンの部屋は、静かで厳粛な空気に満ちていた。テーブルを挟んで、秀城、ジンク、オクシアが座り、向かいにはアルゴン、セレン、プラチナが厳しい表情でいた。

「メンデレ君の願いは理解できる」

アルゴンは、分厚い古文書を閉じながら言った。彼の声は重々しい。

「アルケミスが口にした「究極の元素」。あれが周期表のさらに深奥に存在するアクチノイド元素のことであるならば、その脅威は計り知れない。君の全元素習得をもってしても、その力に匹敵するかどうか…」

「だからこそ、知る必要があります」

秀城は深く頷き、熱意のこもった瞳でアルゴンを見つめた。

「俺の超光速発動は、アルケミスの空間転移を封じることができましたが、彼の未知の元素の力に、俺たちの防御が耐えられる保証はありません。特に、アクチノイド元素が持つ核の力は、これまでの元素とは次元が違うはずです。その力を理解し、対処法を見つけなければ、この都市は、そしてこの世界は、次の攻撃で本当に崩壊してしまう」

セレンが口を挟んだ。

「元素図書館には、アクチノイド元素に関する記録が厳重に封印されている。それらは、古代に世界を滅亡の危機に瀕させたとされる禁断の知識だ。我々守護者は、その知識を守るために、代々その元素の習得と研究を禁じてきた。君がその封印を解くことは、新たな破滅を招くリスクを伴う」

「セレンの懸念はもっともだわ」

プラチナも続けた。

「メンデレ、あなたは確かに強い。しかし、アクチノイド元素の持つ不安定性と放射性は、あなたの元素の調和の力をも乱し、最悪の場合、あなた自身が暴走する危険性がある。それを承知で、図書館の扉を開くと言うの?」

秀城は、テーブルの上に静かに手を置いた。

「はい。俺は、それを承知しています。しかし、アルケミスの目的は、元素の力の支配です。彼がその究極の力を手に入れる前に、俺がその力を理解し、制御する術を見つけなければならない。俺の全元素習得は、全ての元素を調和させるための力です。それは、危険な元素をも安定化させるためにあると信じています」

秀城の決意の固さに、アルゴンは長考した。そして、静かに立ち上がった。

「分かった、メンデレ君。君の決意と、世界を守ろうとする使命感を信じよう。だが、君の図書館への立ち入りは、セレンとプラチナの監視下、そして図書館の管理者であるアルカイアの厳重な制限下で行うものとする。決して、我々に無断で禁断の元素に手を出さないと、誓ってくれ」

「誓います、アルゴンさん。俺は、世界を救うために、この力を使います」

こうして、メンデレ秀城は、周期表の深淵へと続く、元素図書館への立ち入りを許可された。彼の旅は、いよいよ最も危険な領域へと踏み込むことになった。

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