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元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第8巻「超光速の反撃」

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第2章: アルケミスの宣戦と都市の防衛網

秀城が帰還してから三日後、地下都市に緊張が走った。

それは、都市の全域に、アルケミスの冷たい声が響き渡った時だった。魔法によって増幅されたその声は、岩壁を震わせ、人々の心に恐怖を植え付けた。

「元素の守護者どもよ。そして、元素の宝箱、メンデレ・秀城よ」

アルケミスの声は、どこか余裕を含んでいた。

「お前たちが、あの磁鉄山脈で何の力を得たのか、興味深い。だが、私の力は、お前たちの小細工程度で防げるものではない。私は、お前たちが防御を固めている間に、より確実な方法を見つけた」

アルゴンの指示で、秀城たちは管制室に集結した。モニターには、都市の外周防御網の魔力反応が表示されている。

「奴は、一体何を企んでいる?」

ジンクが苛立ちを隠せない。

「前回と同じく、空間転移で奇襲をかけてくるのでは?」オクシアが分析した。

その時、アルケミスの声が続いた。

「お前たちが私を警戒しているのは知っている。故に、今回は空間転移は使わない。私が使うのは、お前たちの防御網そのものを崩壊させる方法だ。お前たちの生命線である、元素の力の根源を奪ってやる」

次の瞬間、モニターの外周防御網を示す魔力反応が一斉に消失した。赤く光っていた多数の防御魔法陣が、瞬時に灰色に変わった。

「馬鹿な!?外周のケイ素の岩盤強化魔法と鉄の電磁障壁が、同時に停止した!?」

アルゴンが驚愕の声を上げた。

「これは…!元素崩壊ではない!元素崩壊は、魔力を無効化するが、魔法陣の元素そのものを破壊することはできないはず!」

セレンが分析した。

秀城は、管制室の壁に設置された巨大な周期表を見て、ある可能性に思い至った。 「アルケミスは、元素崩壊とは別の、元素の物理的な構造を破壊する元素を習得したのかもしれない。例えば…フッ素や塩素のような、反応性が極めて高い元素を応用して、魔法陣の素材を分解したんだ!」

「そんな…たった一瞬で、大規模な防御網を…!」

プラチナが顔を青くした。

アルケミスの声が、勝利を確信したようなトーンで響いた。

「さあ、メンデレ。お前の新しい力を試す機会だ。私は、お前の最も大切な場所を奪う」

管制室の地下から、凄まじい振動が伝わってきた。敵の侵入だ。外周防御網の崩壊は、全方位からの同時侵入を可能にしたことを意味する。

アルゴンは、冷静さを取り戻し、指示を出した。

「全守護者に告ぐ!各員、配置につけ!メンデレ、プラチナ、ジンク、オクシア!君たちの任務は一つ!中央区画への侵入阻止だ!奴らを、市民のいる場所へは絶対に行かせるな!」

「了解!」

秀城たちは、管制室を飛び出した。エレベーターに乗る暇もなく、ジンクが雷の力で壁を打ち砕き、直通の通路をこじ開けた。

「メンデレ、俺が先導する!敵の数は多いぞ!」

ジンクが先頭に立つ。

「分かった。オクシアさん、ジンクさんを頼む。俺は、ホルミウムの収束力で、一気に突破する!」

通路の先には、数十体の元素狩りの兵士たちが待ち構えていた。彼らは、低レベルの元素使いばかりだが、数が多すぎる。

「超磁性収束!プラズマ・キャノン!」

秀城は、自身の核融合魔法である「プラズマバースト」に、ホルミウムの力を加えた。通常は広範囲に拡散するプラズマが、秀城の魔力制御によって、青白い、極細のレーザーへと収束する。

光速にも近いレーザーが、通路を一直線に貫いた。レーザーが通過した場所の兵士たちは、魔力核を破壊され、一瞬で塵と化した。

「すげぇ…!メンデレ、その一撃は、まるで一点集中型の核融合だ!」

ジンクが興奮して叫んだ。

その間に、オクシアが防御を固める。

「「酸素障壁」!ジンクさん、前線を維持して!秀城さん、奥にいるリーダー格を狙って!」

秀城のホルミウムの力が、大量の敵を相手にする戦いを、一瞬で殲滅戦へと変えた。しかし、その時、最奥の区画から、異様なほど強大な魔力の波動が検知された。

「メンデレ!来やがったぞ!この魔力、間違いなくアルケミスだ!」

ジンクが叫んだ。

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