第3章: 白金の輝き、不屈の刃
秀城だけが魔法を使える。 その事実は、絶望に沈みかけていた戦場に、一筋の光明を投げかけた。
「メンデレさん!」
「行け!メンデレ!」
「頼むぞ!」
魔法を封じられ、苦戦を強いられていた仲間たちから、声援が飛ぶ。彼らは魔法を使えずとも、剣や体術、そして不屈の闘志で必死に時間を稼いでいる。その姿が、秀城の背中を押した。
「面白い…!実に面白いぞ、メンデレ・秀城!」
アルケミスは最初の驚愕から一転、仮面の下で歪んだ狂喜の表情を浮かべていた。
「「元素崩壊」すら無効化するスキルだと?ますますお前が欲しくなった!そのスキルごと、お前を我が物にしてくれる!」
アルケミスは黒いエネルギー弾を嵐のように連射する。一つ一つが、並の元素使いならば致命傷になりかねない威力を持っている。 秀城は「白金の盾」 で巧みにそれらを防ぎ、あるいは回避しながら、アルケミスとの距離を詰めていく。白金の盾は純粋な魔力攻撃に対しても高い防御力を誇る。
「「飛翔」!」
アルミニウムの魔法を発動。秀城の体がふわりと宙に舞い、アルケミスの死角へと高速で回り込む。
「「チタンブレード」!」
チタン合金剣にチタンの魔力を込め、超高速の斬撃を繰り出す。軽量化された剣が、空気を切り裂き、アルケミスに迫る。
「甘い!」
アルケミスは最小限の動きでそれを回避し、カウンターの掌底を放った。純粋な魔力を凝縮した打撃。見えない衝撃波が秀城を襲う。 秀城は吹き飛ばされ、地面に叩きつけられた。受け身を取ったものの、内臓に響く衝撃が走る。
「ぐっ…!」
(強い…!魔法を使わずとも、これほどの戦闘力…!レベル20以上は伊達じゃない )
アルケミスは追撃の手を緩めない。黒いエネルギーを纏った拳打が、雨あられと秀城に降り注ぐ。 秀城は剣で受け流し、時には「アルゴンシールド」 を展開して衝撃を吸収する。アルゴンの不干渉の力が、純粋な魔力攻撃に対しても一定の効果を発揮する。
(防御だけではジリ貧だ…!何か、打開策は…!)
秀城はアルケミスの動きを観察した。彼の攻撃は強力だが、パターンがある。そして、秀城には圧倒的な手数の多さがある。六十個の元素 、そしてそこから生まれる無数の融合魔法 。
「「多重融合」!」
秀城は複数の元素魔法を同時に発動させる。
「「塩結晶」 !「クリプトンフラッシュ」 !」
塩の結晶がアルケミスの足元を覆い、動きを阻害すると同時に、クリプトンの強烈な閃光が彼の視覚を奪う。
「小賢しい真似を!」
アルケミスは一瞬怯んだが、すぐに体勢を立て直した。だが、その一瞬が秀城にとっては好機だった。
「「鋼」 !「軽量化強化」 !」
自身のチタン合金剣に鉄と炭素の融合魔法、そしてチタンの魔法を重ねがけする。剣が黒い輝きを放ち、その切れ味と速度が極限まで高められた。
「「不屈の意志」!」
さらにチタンの魔法で自身の精神力を強化する。どんな苦痛にも耐え、決して折れない意志。タングステンの「不屈」 と共鳴する力。
「これが、俺の…今の全力だ!」
秀城はアルケミスに向かって再び突進した。その動きは、先ほどとは比べ物にならないほど速く、鋭い。まるで、光の刃そのもの。
「ほう…面白い!」
アルケミスも黒いオーラを全身に纏い、迎え撃つ。 剣と魔力が激しく衝突し、火花と衝撃波が広場に散った。
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