第4章: 決戦の行方
広場の中央で、秀城とアルケミスの激しい攻防が続いていた。 秀城のチタン合金剣は、「鋼」の力で強化され、アルミニウムとチタンの「軽量化強化」により、目で追うのも困難な速度で振るわれている。一撃一撃が、アルケミスの纏う黒いオーラを削り取っていく。 一方、アルケミスも純粋な魔力による攻撃と、卓越した体術で応戦する。彼の動きには無駄がなく、的確に秀城の急所を狙ってくる。
「なかなかやるな、転移者!だが、いつまで持つかな?」
アルケミスは余裕の表情を崩さない。レベル差は依然として存在し、基礎能力ではアルケミスが上回っている。
(このままでは、先に俺の体力が尽きる…!MPも残り少ない !)
秀城は焦りを感じ始めていた。彼のMPは「元素の調和」 スキルで消費が抑えられているとはいえ、強力な魔法の連発で確実に消耗していた。
「「限界突破」!」
秀城はセシウムの魔法を発動。一時的に全能力を限界以上に引き上げる危険な賭け。彼の体が金色のオーラに包まれ、速度とパワーがさらに増した。
「まだ力を隠していたか!」
アルケミスが目を見開く。秀城の剣撃が、ついにアルケミスのローブを切り裂いた。
「ぐっ…!」
浅いが、確かに傷を負わせた。
(今だ!最大火力で決める!)
秀城は距離を取り、最後の切り札となる融合魔法の詠唱を開始した。
「「多重融合」!水素、酸素、ナトリウム、リン、そして…セシウム!」
五つの元素を同時に融合させる。プラズマバースト に、セシウムの限界突破の力を加える。
「「アルティメット・プラズマバースト」!」
白金の触媒効果 と魔力増幅 スキルも発動し、秀城の持つ最大魔力が、黄金色に輝く超々高温のプラズマとなって放たれた。それは、まるで小さな太陽のようだった。
「その力…!素晴らしい!」
アルケミスは防御するのではなく、両手を広げてプラズマを受け止めようとした。
「全て、私のものだ!」
黄金のプラズマがアルケミスを飲み込んだ。 凄まじい爆発。轟音と閃光が広場を包み、地面が揺れた。
爆風が収まった時、そこには… 黒焦げになったアルケミスのローブだけが残っていた。
「…やったのか?」
秀城は膝をつき、荒い息をついた。MPは完全に尽き、限界突破の反動で全身が軋んでいる。
だが、その時。 空間が再び歪み、黒い渦が現れた。そして、渦の中から、無傷のアルケミスが現れた。
「なっ…!?」
秀城は信じられない思いで目を見開いた。
「見事な攻撃だった。だが、残念だったな」
アルケミスは嘲笑した。
「私には「空間転移」の能力もあるのでな。直撃する寸前に、別の空間に逃げたのだよ」
絶望。 秀城の心に、暗い影が差した。最強の攻撃すら、通用しないのか。
「さあ、終わりだ。メンデレ・秀城」
アルケミスは秀城に向かって、黒いエネルギーを集束させた。今度こそ、逃れられない。
「させるか!」
その声と共に、セレンとプラチナがアルケミスに飛びかかった。一時間 が経過し、彼女たちの魔法も完全に復活していたのだ。
「「聖なる光」!」 「「プラチナブレイク」!」
二人の強力な魔法がアルケミスに迫る。
「ちぃっ!邪魔が入ったか!」 アルケミスは舌打ちし、二人の攻撃をいなしながら後退した。
「今日はここまでにしておこう。だが、覚えておけ。お前の力は、必ず私が手に入れる」
そう言い残し、アルケミスは再び空間転移で姿を消した。元素狩りの残党たちも、蜘蛛の子を散らすように撤退していった。
戦いは、終わった。 守護者たちは勝利したが、その代償は大きかった。多くの負傷者が出た。幸い死者は出なかったが、地下都市の一部は破壊された。
秀城は、ナトリ、オクシア、ジンクと共に、倒れた仲間たちの救護にあたった。 自分の無力さを痛感していた。アルケミスを倒せなかった。仲間を守りきれなかった。
「メンデレ」
セレンが秀城の肩に手を置いた。
「落ち込むな。君はよく戦った。そして、アルケミスに一矢報いた」
「でも…」
「今は休め。そして、更に強くなるのだ。次こそ、奴を倒すために」
秀城は、仲間たちの顔を見た。 ナトリ、オクシア、ジンク、プラチナ、セレン、アルゴン… みんな、彼を信じ、支えてくれている。
(そうだ…まだ、終わりじゃない)
秀城は拳を握りしめた。
(必ず、もっと強くなる。そして、アルケミスを倒す!)
決意を新たに、秀城は立ち上がった。
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