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元素の旅人 「理系社畜、異世界で元素魔法の賢者になる」周期表はチートじゃない。俺の「化学知識」が世界を救う法則だ  作者: 花咲かおる
第6巻「元素狩りとの決戦」

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プロローグ: 決戦の朝

十三日目の夜が明けた 。 地下都市には、張り詰めた空気が満ちていた。空には暗雲が立ち込め、まるでこれから起こる激戦を予感させるかのように、重苦しい静寂が支配している。今日、元素狩りの大軍が襲来するのだ 。都市全体が厳戒態勢の中 、戦士たちは静かにその時を待っていた。

秀城は日の出と共に目を覚ました。昨夜の決意が、彼の心を奮い立たせていた。一週間の猛特訓で得た十七個の元素 、そしてレベル16への到達 、何よりスキル「元素崩壊無効」 の獲得。それは、アルケミスに対抗するための、確かな力だった。

部屋を出ると、既にナトリ、オクシア、ジンク、そしてプラチナが待っていた。皆、決戦用の装備を身に着け、その瞳には強い決意が宿っている。


「おはようございます、メンデレさん!」


ナトリがいつもの快活さで声をかけたが、その声にはわずかな硬さが混じっていた。


「おはよう。みんな、準備はいいか?」


秀城が問うと、全員が力強く頷いた。プラチナは秀城に近づき、白金で作られた小さなアミュレットを手渡した。


「これは、白金族からの守りよ。あなたの「元素崩壊無効」スキルを増幅させ、精神を安定させる効果があるわ」


「ありがとうございます、プラチナさん」


秀城はアミュレットを受け取り、首にかけた。ひんやりとした金属の感触が、彼の高ぶる神経をわずかに鎮める。


「アルケミスは必ず、あなたの力を狙ってくるでしょう」


オクシアが冷静な声で言った。


「私たちが全力で守ります」


「ああ。そして、俺たちは勝つ」


ジンクが拳を握りしめた。彼の瞳には、雷のような激しい闘志が宿っている 。

その時、地下都市全体にけたたましい警鐘が鳴り響いた。 重く、不吉な鐘の音。それは、敵襲を告げる合図だった。


「来たか…!」


秀城は腰に差したチタン合金剣を握りしめた。コバルト 、ニオブ 、モリブデン 、タングステン …習得した金属元素の力が、剣を通じて彼に流れ込むのを感じた。


「配置につきましょう!」


プラチナの号令で、彼らはそれぞれの持ち場へと急いだ。地下都市の防衛ラインは、この日のために幾重にも張り巡らされている。秀城たち「元素探求者」、ジンク、そしてプラチナ率いる貴金属族の精鋭たちは、都市の中央広場、敵の主力が突破を狙うであろう最重要拠点に配置された。ここは最後の砦であり、アルケミスとの決戦の舞台となる可能性が高い場所だった。


「みんな、死ぬなよ」


ジンクが短く、しかし重い言葉を口にした。

「もちろんです!」


ナトリが力強く答えた。

秀城は広場を見渡し、擬似的な空を見上げた。地下都市の天井に描かれた空。だが、今はその青さがやけに現実味を帯びて見えた。


(守り抜く。この場所を、仲間たちを )


決戦の火蓋が、今、切って落とされようとしていた。

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