エピローグ:決戦前夜
十三日目の夜。 明日、元素狩りが襲撃してくる。 地下都市は、厳戒態勢だった。 秀城は、仲間たちと最後の夕食を取っていた。
ジンク、ナトリ、オクシア、そしてプラチナたち貴金属族の元素使いたち が、テーブルを囲んでいた。食事は質素だったが、皆の瞳には決意の光が宿っている。
「メンデレ、本当に凄いわ」
プラチナが静かに言った。
「一週間で十七個。そして、元素崩壊無効のスキルまで手に入れた」
「これで、アルケミスの最大の武器は封じられる」
ジンクが満足そうに頷いた。
秀城は少し顔を赤らめた。
「皆さんのおかげです。それに、まだです。アルケミスはレベル20以上」
「今はレベル16ですが、まだ実力は足りない」
「謙虚だな」
ジンクが笑った。
「だが、その通りだ。だからこそ、俺たちチームの存在がある」
「明日、私たちはあなたの白金触媒を信じて、全力で攻撃するわ」
オクシアが力強く言った。
「白金族として、私も全力で支える」
プラチナが続けた。
秀城は、一人一人の顔を見た。 彼らは皆、彼を信じ、共に戦うことを選んでくれた仲間たちだ。
「ありがとうございます」
食後、秀城は自室に戻り、ステータスを再度確認した。
習得元素:60/118 レベル:16 防御力:1151
最終ステータスは表示されていないが、ジルコニウム習得後に上昇
彼は腰の剣に手をかけた。チタン、コバルト、モリブデン、タングステン… 習得した金属元素の力を感じた。硬さ、速さ、そして不屈。
窓の外の地下都市は静まり返っていた。この静けさの向こうで、500人規模の元素狩りの大軍が、静かに襲撃の時を待っている。そして、その中心には、彼の力を狙うリーダー、アルケミスがいる。
悪夢の声が、脳裏をよぎった。
「メンデレ・秀城... お前の力を、我々に...」
秀城は強く目を閉じた。
「絶対に、渡さない」
彼は剣を抜き、静かに素振りを始めた。疲労は限界を超えていたが、今は心が折れるわけにはいかない。 一振り、二振り。流れるような動き。そこには、ニオブの「抵抗のなさ」 と、バナジウムの「しなやかな強さ」 が宿っていた。
夜が明ける。 戦いの火蓋が切って落とされる。
秀城は剣を収め、朝を待った。
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