第5章: 黒の要塞とアインスタイニウムの守護者
秀城たちは、無数の魔界の魔物を退け、ついにアルケミスの黒の要塞の麓にたどり着いた。要塞は、プルトニウムと未知の超重元素で構築されており、それ自体が『崩壊の賢者の石』の増幅装置として機能していた。要塞から放たれる崩壊の波動が、ゲートを通じて元素界へと流れ込み、世界の汚染を加速させていた。
「この要塞の機能を止めない限り、世界の汚染は止まらない…!」
要塞の入り口には、アルケミスの姿はなかった。代わりに、一体の巨大な人影が、玉座に座るようにして待ち構えていた。
その人影は、アルケミスとは異なる、純粋な知性と圧倒的な悲しみのオーラを放っていた。彼の体は半ば崩壊し、魔界のエネルギーと同化しかけていたが、その瞳は、ウーアの世界の崩壊を知る、古代の錬金術師のものであることを示していた。
「…来たか。調和を司る者よ」 その人影…アインスタイニウム(Es)の守護者…が、重い口を開いた。
「あなたは…?」秀城は、その圧倒的な存在感に警戒しながらも、問いかけた。
「我は、かつてアインスタイニウムを求めた者。ウーアの世界の崩壊の際、この魔界へと弾き飛ばされ、以来、この崩壊の元素核が元素界へ流出せぬよう、永遠の時を守り続けてきた…残留思念だ」
彼は、アルケミスと同様に、アインスタイニウムを求めて魔界に到達したが、その力に飲み込まれ、守護者としてこの次元に縛り付けられていたのだ。
「アルケミスは、既に我の元を訪れた」 守護者は続けた。「奴は、『崩壊』の力で我を屈服させ、アインスタイニウムの核の一部を強奪していった。奴は、今頃、元素界で『崩壊の賢者の石』の最終調整を行っているだろう」
「なんだと…!アルケミスはもう、ここにはいないのか!?」ジンクが叫ぶ。
「そうだ。奴は、我の代わりに、貴様らがこの核の後始末をしに来ることを予測していた。この核は、アルケミスによって刺激され、暴走寸前だ。我の力だけでは、もはや抑えきれん。このままでは、魔界と元素界の両方が崩壊する」
アインスタイニウムの守護者は、秀城を真っ直ぐに見据えた。
「調和の帝王、メンデレ・秀城よ。お前に、このアインスタイニウムの崩壊を止める覚悟があるか?それこそが、賢者の石の魔法陣を完成させるための、最後の試練だ」
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