第3章: 賢者の石、二つの道
カリホルニウムを習得し、レベル20に到達した秀城。その体からは、習得した69個の元素のオーラが虹色に輝き、精霊界の純粋なマナと共鳴して、神々しいまでの輝きを放っていた。
「レベル20…!そしてカリホルニウムまで…!許さん、許さんぞ、メンデレェェ!」 アルケミスは、最大の獲物を奪われ、怒りに身を震わせた。彼は、自身の『崩壊の賢者の石』の力を、カリホルニウムを失った精霊界の不安定な魔力に向けて解放した。
「貴様がカリホルニウムを得たところで、賢者の石の魔法陣は完成せん!アインスタイニウム(Es)が無ければ、貴様の『調和』も不完全なままだ!」
アルケミスは、秀城が賢者の石を完成させる前に、この精霊界そのものを崩壊させ、秀城を次元の狭間に葬り去ろうとした。
「【アビス・ゲート・オープン】!」 アルケミスは、自身の超重元素の力を使って、精霊界のさらに下層、『魔界』への扉を強制的にこじ開けた。
精霊界の床(と秀城たちが認識していた空間)が裂け、そこから純粋な『負』のエネルギーと、崩壊した元素の怨念が溢れ出してきた。
「まずい!精霊界が、魔界のエネルギーに汚染される!」 船上で見ていたアメリが叫んだ。
「アルケミス!お前は、この精霊界まで破壊するつもりか!」 秀城は、賢者の剣を構えた。
「そうだ!全ての元素は、一度『無』に帰るべきなのだ!そして、その『無』から、私という唯一の法則が生まれる!」 アルケミスの狂気は、もはや救いようのない領域に達していた。
秀城は、アルケミスと、彼が開いた魔界の扉を交互に見た。 (奴を倒すには、今この場で全力を尽くすしかない。だが、あのゲートを放置すれば、精霊界が崩壊し、その影響は元素界…俺たちの世界にも及ぶ!)
秀城は、苦渋の決断を迫られた。
「…アルケミス。お前との決着は、いずれ必ずつける」 秀城は、アルケミスに背を向け、賢者の剣を魔界の扉に向けた。
「何?私を無視するというのか!?」
「俺の目的は、お前を倒すことじゃない。世界を守ることだ!」 秀城は、習得したばかりのカリホルニウム、そしてバークリウムの力を解放した。 「賢者の石の魔法陣(不完全)起動!【次元跳躍・強制閉鎖】!」
バークリウムの次元を渡る力と、カリホルニウムの莫大な中性子エネルギーを使い、秀城は魔界の扉そのものを別の次元へと強制的に転移させようと試みた。
「させるかァ!」 アルケミスが、秀城の背後から崩壊の波動を放つ。
「【持続再生の波動】!」 「【雷神の障壁】!」 「【フレイム・ウォール】!」 「【ガリウム・リフレクター】!」
ガリオン・ハート号から、アメリ、ジンク、オクシア、ナトリ、ガリオの五人の全魔力が、秀城を守るために放たれた。仲間たちの支援が、アルケミスの攻撃をわずかな間、防ぎ止める。
「みんな…!」
その隙に、秀城の魔法が完成した。魔界の扉は、凄まじいエネルギーの奔流と共に、精霊界から切り離され、未知の次元へと消え去った。
精霊界に、再び静寂が戻った。
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