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みんなの安全を守ってきた「神の代行者」、パーティを追い出されたから、自分の安全を優先します。【台本形式】  作者: サアロフィア
第10章 神の代行者から神への昇格

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86 ミサキ、マーサ、みやび、ミエルの話し合い

16方位第4神 未来知見の女神 ミサキは、武闘家みやびの主人格、いえ、今となっては副人格のマーサと話し合いをすることにした。


ミエルとみやびは、夜の9時(21時)に寝て、夜10時(22時)に眠るという理想的な生活リズムを維持している。夢の中で、ミサキはマーサに話しかけた。


「マーサさん、至急、いますぐ話したいことがあります」

「ミサキ様、ご無沙汰しています。なにか問題がありましたか?」


☆ 46 マーサとの交渉 参照


ミサキは、マーサとの話は意思疎通が楽なので、嬉しくなってしまった。

「ええ、ご無沙汰ね。話が早くて助かるわ。問題が起ころうしているの」

「私にできることはありますか?」

「この地を去って、他の場所に行って欲しいのです」

「私だけですか? ミエルさんたちといっしょにですか?」

「ミエルとマーサさん、つまり、みやびさんは必ず、他の場所に行ってもらいます。

アランさんと、アリスさんは、できれば一緒に行って欲しい。

真帆さんとワカルさんは、ご本人の意思を尊重します」

「猶予は何日ありますか? ミエルさんが、ご領主のモンテフルーツ大公爵(いいえ、白丸と呼ば無いとダメでしたね)を、お店に招待されていました。明日は無いとしても、その次の日にはお店にいらっしゃると思います」

「それなら、その後でもいいわ。だから、この町というか、この領地を出て、他の場所に移って欲しいのです」

「日程は大丈夫そうですね。理由をお聞きしても?」


ミサキは言いにくそうにしていた。だから、マーサは、さらに聞くしかなかった。

「ミサキ様、神様として言えないことも有ると思いますが、理由をお聞かせくださいませんか?」


ミサキは少し考えてから静かに話し出した。

「次の炊き出しのときに、あなたたち、つまり、みやびさんとマーサさんは刺されて、この世から退場することになります。そして、あらゆる回避策を探しましたが、ここにいる限り、結果が変わることはありませんでした。そして、ミエルはみやびさんを失った悲しみから賊どもを、残虐な方法で倒しました。

住民たちは同情はしてくれましたが、ミエルのことを怖がり避けるようになりました。そして、ミエルは動かなくなったみやびさんを抱いて、ここを去るしかないという結末でした」


マーサは少し考えていた。

「みやびさんなら、賊などに刺されることはないはず。

それは、つまり、私マーサが出ているときに襲われて、シフトの3秒間では、マーサの人格から、みやびさんの人格に変わることができなかった...ということですね」

「おっしゃる通りです。でも、マーサさんが気に病む必要はありません。マーサさんが出ていない場合でも、みやびさんは賊にやられました。

おそらく、この場所に居る限り、避けられない運命なのでしょう」

「では、炊き出しの日よりも前に、領主の白丸様の招待が終わり次第、ここを立ち去ることになりますね」

「その通りです。マーサさんが納得してくれたので、ミエルとみやびさんにも説明をしたいと考えます」

「分かりました。ミエルさんは私たちがシフトして、みやびさんとマーサが入れ替わっていることは分かっているでしょう。ただ、別人格が出ているとまでは知らないでしょうから、驚くかもしれませんね」

「たしかにミエルは驚くでしょうが、理解はできるでしょう。

では、ミエルとみやびさんを入れて、4人で話しましょう」




16方位第4神 未来知見の女神 ミサキは、ミエルとみやびの人格を起こして、マーサと4人で話し合うことにした。


ミエルは、話の内容よりもミサキの顔を見て、驚いていた。

そして、穴が開くほどに見つめていた。

みやびは不機嫌だった。


「ミエルは、女神様が好きなのさ。私よりも好き...なのさ?」


その言葉で、ミエルは現実に戻って来た。

「いや、一番好きなのは、みやびだよ」

「本当か? さ?」


みやびは納得していない。だから、ミエルは説明というか弁明することにした。

「ボクが小さいころに亡くなった姉さんに、そっくりなんだ。

それで、なつかしくて、見入っていたんだ」

「信じられないさ」

「本当だよ」

「じゃあ、女神様の前でわたしにキスして欲しいさ」


ミエルは迷いなくみやびを抱きしめてキスをした。


10分経過...


みやびは、ミエルを押し返した。

「わかったさ、ミエルがわたしを好きという気持ちは分かったさ」

「ありがとう、みやび」


ミエルは、ミサキに向き直った。

「姉さん、ボクが一番好きな女の子が、こちらにいるみやびです」


ミエルの真剣な表情を見て、みやびは満足した。

「照れるさ」

ミサキは優しく微笑んだ...ような気がした。無表情なので、よく分からなかった。

しかし、ミサキは満足そうな優しい声で答えた。

「みやびさん、ミエルと、ずっといっしょに居てくださいね」

「もちろんさ、その声、聞いたことがあるさ」

「覚えていてくれて、うれしいわ」


☆ 10 賢者はレベル22で花が咲く 参照




モンテマニー領を去ることを決めたミエルたちに、ミサキが移動先について説明していた。


「ミエルは知らないと思いますが、北にあった旧ワイダー公爵領と旧カニング公爵領は、海の中に消えてしまいました。だから、南に向かってもらいます」


☆ 44 月夜橋という逃げ道と後悔 参照


「そして、ここから、かなり遠い場所に行ってもらいます。

もう、ここに帰ってくることは無理でしょう。

ミエルたちの孫の孫の孫が帰ってくることがあるかどうかです」


ミエルは、あきらめたような表情だった。

「うん、わかったよ、姉さん。でも、みやびがいっしょに生きていられるなら、場所なんて気にならないよ。あっ、でも、みやびは友達が多いから、別れがつらくなるね」


みやびは首を横に振った。

「ううん、友達は大事だけれど、ミエルといっしょに居る方が大事さ」

みやびは気にしていないようだった。

『わたしとサヨナラしたミエルが、あばれて止まらないよりは、マシというか、良いさ』


マーサがミサキに質問をした。

「ミサキ様、質問しても良いですか?」

「どうぞ、ミサキさん」


マーサは、これだけは確認したいという様子だった。

「どれくらい遠い場所に行くのですか?」


ミサキは空を見上げて、指さした。

「空に浮かぶ月よりも、小さな星よりも遠いところです」


マーサは驚きを隠せなかった。

「ど、どうやって行くのですか?」

「ここから出て、3日くらいは普通に南に歩いてもらいます。

そして、だれもいないタイミングで、時空トンネルをつなぎます。」


ミエルが不思議そうに聞いてきた。

「姉さん? 時空トンネルって、何ですか?」


ミサキは説明に困っていた。

「天狗の抜け穴みたいなものと思ってください。

ただし、大きい穴にするので、ミエルたちは気付けないはずです」


ミエル、みやび、マーサは分からないままだったが、それ以上は聞いてこなかった。

ミサキは、次の話題を始めた。

「ミエル? みやびさんとマーサさん以外で、いっしょに連れて行きたいひとは、いますか?」

「アランとアリスは、みやびの護衛だから、連れて行きたいです。

そして、真帆とワカルは店を持ったばかりなので、ここに残れるようにしてあげたい。

本人たちに希望を聞いてから返事させてください」

「ええ、それで、構いません。3日後に確認したいので、書面に書いてください」

「分かりました」

ミエルは、空を向いて、誰について来てもらおうか?を考えていた。


ミサキは、連絡事項を伝え終わったので、去っていった。

「眠る邪魔をしてしまったわね。この夢は朝起きたときも思い出せるようにしておくわ。じゃあね、ミエル、みやびさん、マーサさん」


みやびとマーサに見送られて、ミサキは帰っていった。

ミエルは、誰を連れて行くべきか考えていて、ミサキに送る言葉を言えなかった。


つづく


お読みいただき、ありがとうございます。 作者のサアロフィアです。


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