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みんなの安全を守ってきた「神の代行者」、パーティを追い出されたから、自分の安全を優先します。【台本形式】  作者: サアロフィア
第10章 神の代行者から神への昇格

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83/88

83 未来知見の女神からの相談


関連するお話は・・・


☆ 81 軌道に乗る商売、かりそめの平和


神の世界では、第4神 未来知見の女神 ミサキが悩んでいた。


☆ 82 伝説に支えられて


「「輝け! モンテマニーの紋章」」

少女と姫子は、力強く唱えた。




 神の世界にある、第4神 未来知見の女神 ミサキの部屋には、3人の女性神が丸いテーブルを囲んでいた。


時計回りに、

第4神 未来知見の女神 ミサキ、

第2神 愛と美の女神 イウラ・ノータ、

第14神 純愛と美しさの女神 サトス・ルウナ

が座っていた。


ミサキは優雅にティーカップに口をつけて、紅茶を飲んでいた。

イウラもミサキに合わせて、ティーカップを持って、紅茶を飲むことにした。

ルウナは、ミサキとイウラが紅茶を飲み始めたことを確認してから、紅茶を飲み始めた。


それぞれがコップに入っていた半分ほどを飲んで、ティーカップを受け皿に置いた。ミサキは、イウラ、ルウナ、ミサキの順に、紅茶を継ぎ足した。


穏やかな笑みを浮かべながら、ミサキが話を始めた。


「イウラ、ルウナ、来てくれてありがとう。

私が見守っているチータマルム星の光元国について、相談があります。

いいえ、正確に言うと私が見守っている人たちについて、助けを必要としています」


イウラは納得したというか予想通りという顔をしていた。

「ミサキが私たちを呼ぶということは、かなり重い話になりそうね。

ルウナが手伝っただけでは足りなかったの?」


本作 ☆ 82 伝説に支えられて 参照


ミサキとイウラの表情を交互に見ていたサトス・ルウナは考えをめぐらせていた。

『イウラとミサキは、シクペリア様を取り合うライバルだから、距離があるのかと思っていたけれど、お互いを尊重して助け合える関係というのが、素晴らしいわよね。私に未来絵星号をくれたときも助けてくれたわね』


☆ 【台本形式】【完結】仲間の美女3人と万能で最強のちからを手に入れました。神様にボクの「異世界アイデア」を採用された対価です。《書籍化》

☆ 063 未来知見の女神ミサキと未来絵星号 参照

☆ 065 シクペリア様の謝罪 参照 ※ミサキも、サトスをルウナと呼ぶ理由。




ミサキは、イウラとルウナに説明を始めた。

ミエルとみやび(副人格はマーサ)に迫る悲劇について。


「私が守護するミエルの恋人が刺されて、死んでしまう未来です。

これをなんとしても避けたいのです」


☆ ミエルたちは同情はされたが、みやびのなきがらを抱えてモンテ領を去るしかなかった。


☆ 81 軌道に乗る商売、かりそめの平和 より再掲



ミサキは、悲劇が起こる炊き出しを止めた場合の未来についても語りだした。


「そのときの様子をご覧ください。」


ミサキは、大きなディスプレイに未来の映像を映し出した。


ミエルがみやびを説得しようとしている。

ミエルは深刻そうにみやびに話しかけた。


「次の炊き出しは止めた方がいいかもしれない。」

「どうしてさ?」


「鑑定スキルで拾い上げる人材を探そうとすると、無防備になってしまうからだよ。」

「それでも、なんとか出来るさ!」


「そうはならないんだよ。キミが怪我して死んでしまう未来を知ったんだ。」

「じゃあ、鑑定しても集中しすぎないようにすればいいさ。」



「無理だよ。何度も条件を変えた未来を見せてもらったけれど、駄目だった。」

「じゃあ、どうするさ。炊き出しを楽しみにしている人たちが悲しむさ。」


「まだ犯していない罪で、誰かを攻撃する訳にはいかないから困っているんだよ。ある場所に行けば危険な目にあうなら行かなければいい。

 でも、炊き出しをすれば、みやびを未来で殺した犯人が来る。」

「じゃあ、スープなど熱い食べ物はやめて、冷めていても美味しいおにぎりを配ればいいさ。」


「うーん、どうなるだろう?

みやびが武闘家として集中していれば、大丈夫かも知れないけれど・・・

ボクとしては、未来で危害を加えてくるとわかるなら、やられる前に倒したい。」

「明日の天気でも思ったとおりにならないのに、決めつけたらダメさ。」


 みやびを説得できなかったミエルは、みやびのそばを離れないようにしたのだが、おにぎりを受け取る無関係なひとを壁に利用された。 そして、みやびがおにぎりを渡す相手に目を合わせている隙に、砂の様なものを目に掛けられた。その隙に刺されました。

 その後の展開は、同じでした。




ミサキは無力感を漂わせながら、結論を告げた。


「あらゆる未来を、様々な分岐ルートを調べても、ダメだったのよ。

 残された道は、みやびさんが無事に生きている間に、ミエルたちをモンテ領から脱出させるしかない。

 でも、どこに行けばいいの?」


イウラは少し考えてから答えた。


「わたしがデザインした身体は美しいだけでなく、環境に応じて、変化できる余地があるわ。 だから、光元国の外に出ても、生きていけるけれど・・・」


ルウナは、イウラが言いよどんだので、疑問を口にした。


「ねえ、イウラ? もしかして、光元国の外に出たら、なにか問題があるの?」


答えようとしないイウラに代わって、ミサキが答えた。


「私たちが見守りできる範囲の外に出てしまいます。

そして、一番の問題は、ミエルたちが別人になってしまうことです」


ルウナは理解できずに考え込んでいた。イウラは覚悟を決めた。


「ルウナが人間だったころ、私があなたを見守っていたことは覚えているわね」


「うん、もちろん、覚えているわ。あの頃からイウラにはお世話になって感謝しています」


「よろしい。そう言ってくれるなら報われるわ。

私がデザインした身体であっても、精神というか脳は【光の元】でこそ正常でいられるのよ。正常という言い方に不都合があるなら、そうね、言い換えるわ。


 衣食足りて礼節を知ると言うわ。

 明日の御飯が食べられない状況で、正義を考える余裕があるのか?

 武士は食わねど高楊枝なんて選択をする個体は、いいえ、人間は、あくまで、【神の光の元】でだけ成立します。

 神に愛されているはずだから、ひどい死に方をすることはないはずだ...

という安心感が無ければ、どうなるか?」


ルウナはイウラの言葉を真剣に考えていた。

そして、ルウナは人間だったころに見た世界での出来事を思い出した。


「もしかして、強い者には媚びへつらうけれど、弱い者には攻撃的になるとか。

みんなで攻撃する的を求めて、団結しようとするとか。

つきあって、得する間は仲良くして、得しないと感じたら、どろぼうして去るとか」


ミサキとイウラは深くうなづいてくれた。


そして、無表情のミサキが少し怖い顔をして、言葉を発した。


「このチータマルム星もシクペリア様が創造された世界のひとつですが、

目的は理想郷を作るというか、信頼できる精神の持ち主を作り出すための実験場です。だからなのか、光元国の外に出て行った個体たちは余裕が無いのです。

弱肉強食というか、チカラが無いと生きていけないというか、生き残るためには他者を攻撃しても良いというか、そんな考え方に、落ちてしまいます。

そして、『自分のことしか考えていない!』と他人を責めるくせに、その発言者が一番、『自分のことしか考えていない!』」



そんな身もふたもない言い方をするミサキをフォローするかのように、イウラが続けた。

「ミサキは、人間たちが、人々が、そうならないように、ミエルという守護者を通して、正しい道を選べるように加護を与えてきたのだけれど・・・


ミサキが私たちを呼び出して相談するということは、そろそろ限界みたいね。」


ミサキは首を縦に振って、イウラの推察が正しいことを示した。


「つきましては、【神の光】が届く範囲をシクペリア様に広げてもらいたいのだけれど・・・」


イウラは察したようだ。


「そう言えば、また何か創造するのに、夢中になっていらっしゃるようね」


ルウナは約150年前を思い出した。


「そう言えば、ボクの異世界アイデアを高く買ってもらいましたね。

ということは、新しい世界を実現しようとされているのかな?」


イウラは結論を出した。


「わかったわ、ミサキ。わたしたち3人で、シクペリア様にお願いしましょう。

なにに夢中になっておられるかは、3人で聞けばいいわ。

そして、3人がかりでお願いすれば、シクペリア様も聞き届けてくださるわ」


ミサキは無表情だったが、嬉しそうな気がした。


「イウラ、ありがとう。あなたが居て良かったわ」


イウラは意味深な笑顔をミサキに向けた。


「ミサキに貸しが作れそうで良かったわ」


表情豊かなルウナが無表情になっていた。

『ミサキとイウラは仲が良いのか、そうではないのか、どっちだろう?』


3人は、シクペリア様に会いに行くことにした。


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