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【台本形式】みんなの安全を守ってきた「神の代行者」、パーティを追い出されたから、自分の安全を優先します。  作者: サアロフィア
第9章 モンテ領に迫る悪と伝説の声

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81 軌道に乗る商売、かりそめの平和

150年前に月夜たちが借りていた店をミエルたちが借りてから、1年が経過していた。


真帆(まほ)は、3択の洋服店を経営していた。


店には、人形に着せられた上下の服が3色並んでいた。

5月の新作 赤、緑、青の3種類しか店には無かった。


多くの人は、数ある服の中から自分に合う服を選ぶことを楽しみではなく、苦痛だと思っていた。また、服を買ったあとで、新作が出ると、待てなかったことが悔やまれてしまう。


そんな後悔や苦痛から客を開放することを目的とした、真帆(まほ)の方針は正しいと証明されたのだった。


デザインも素晴らしい。毎月1日に買えば、新作気分を30日味わえる。

また、3色であれば、全色そろえようというひとも多かった。


1人で出来る商売形態で、大手洋服店が真似をしたくても、大勢の従業員に給料を払うことができない。この点を考え付いた真帆(まほ)の賢さと決断する勇気が高く評価されていた。




ワカルは、日替わり弁当の店を経営していた。


弁当屋は、多くのメニューがあるものだが、ワカルの店は1種類の弁当しか無かった。メニューも月ごとに決めるのではなくて、ワカルが買った食材に応じたメニューを出していた。

好きなものばかり食べていると栄養に偏りが出て、美容に悪い。

栄養がありバランスが取れた食事をすれば、太らずに美しい体型を維持できる。

ダイエットと言う名のダンジッキ、つまり、断食という食事を減らす、食事を抜く行為が不要になるので、人気が高かった。


美しいみやびが売り子をしていたので、買いに来る客が男女を問わず多かった。


みやびの美しい体型は、ワカルの食事で出来ている!

と説明しなくても、多くの人が推理していた。




アランとアリスは、警備人材を紹介していた。

2人が良さそうと思うひとを、みやびの副人格マーサに鑑定してもらうので、裏表がある人を見つけることが出来た。信用できるひとたちだけで、仕事を回せるので、評判が良かった。

警備よりも向いている仕事がある場合、警備先の店に紹介していた。


商売、政治、組織運営に必要なものは、ひと、モノ、カネと言われる。

しかし、実際は、ひと、人、ヒトだ。

モノとカネが有っても、他者をだましたり、踏みつけたり、仲間外れにするひとが1人でもいれば、賢い優秀なひとは静かに去っていく。


だから、ひとを選ぶことよりも大事なことは無い。


アランとアリスは、ミエルとみやびを守る使命を受けている上に、心技体のすべてにおいて、1流なので、他人に嫉妬を感じることは無く、自分と同等以上の人に出会っても、楽が出来るとしか考えないので、最適な配置だった。




みんなの安全を守ってきた「神の代行者」のミエルは何をしていたかと言うと、なにもしていなかった。


正確に言うと、真帆、ワカル、みやび、アラン、アリス、みやびの副人格マーサの仕事に少しずつ関係していた。


ミエルの機器察知能力で安全を確保するように支援していた。


時間に追われない暮らしをしていたので、情報収集をする余裕があった。

ミエルが手に入れた情報を、必要に応じて、みんなに提供していた。


ミエルの最初の仲間たちとちがって、ミエルの言葉の価値を高く評価していたので、それぞれの商売を成長させて行くことが出来た。


モンテ領に移住してから、ミエルたちは幸せに暮らしていた。




神の世界では、第4神 未来知見の女神 ミサキが悩んでいた。


「ダメ、どうしても、不幸な未来しか見えない」


その未来とは...


ワカルの店では、月に1回、味見の日として、材料費だけで安く弁当を販売している。その日だけは、主人格みやびではなく、副人格マーサが売り子をしているのだった。鑑定スキルを持つマーサが店に立つことで、無職無収入で引きこもっている不幸な人材を見つけ出して、拾い上げるためだった。


「味見の日に参加ありがとうございます」

笑顔で接客するマーサ


ほとんどのひとは、好意的だった。

「美味しいお弁当ありがとう」

「(儲け無しで売ってくれて)感謝します」

「(おかげで生活費が節約できて)助かっています」


能力があるのに、働けないひとを見つけると、アランとアリスに合図をして、スカウトしてもらうのだ。


ミエルは、買いに来てくれるひとが行列に割り込んだりしないように、誘導する役割をしていたので、マーサから離れていた。


悪人であっても、食べ物を原価で売ってくれるひとには、悪意を持たないと油断していたのだった。


しかし、悪意を持つ人たちが入り込んでいた。

マーサによる鑑定スキルで採用されなかった人たち、アランとアリスの警備人材派遣先での悪事を見抜かれて解雇された人たちだった。


「いい気になりやがって!」

「おまえのせいで、おれは!」

「あなた、ナニ様のつもりなの?」


刃物を持って襲い掛かるひとに気付くのに遅れたマーサ。


「シフト、みやび」


3秒後に、マーサからみやびに人格交代したときには、腹を短刀で切られていた。刺されないように避けようとしたが、みやびに交代したときには、短刀が半分ほど刺さっていた。それでも、敵を倒したみやびだったが、ミエルでも治せない深い傷だった。


僧侶の呪文 回復かいふく だいは体力を回復するだけで、大きな傷は治せない。


ミエルは、万能治療呪文 スリーカーは使えない。



☆ 09 賢者レベル1は役立たずなのか 参照

☆ 

☆ ミエル こころの声

☆ 『性魔力せいまりょくのトゥート、トゥベルサ、ベルマイラ、

☆ テグトスは、使えるけれど・・・


☆ 11 みやびがいてくれて幸運だよ 参照

☆ 

☆ 呪文: 僧侶

☆  回復かいふく しょうだい

☆  治療ちりょう

☆    どく麻痺まひ、混乱、精神疲労



ミエルはみやびを抱きかかえて叫んだ。

「みやび、みやび、ボクでは体力だけしか回復できない。

この大きな傷を治すことは出来ない。

でも、これ以上は血が出ないように、傷口を焼いて血を止めるしかない。

痛いけど、我慢してね」


みやびは、ミエルのほほを撫でた。

「ありがとうさ。ミエル...」


みやびは、チカラつきてしまった。


「みやび、みやび、ボクを一人にしないで...

ブツン」


ミエルの精神が切れてしまった。


「ざまあみろ!」

「思いあがった罰だ!」

「自業自得よ!」


その声に返事をする代わりに、

ミエルが召喚した【氷の矢】が3人の攻撃者の手足を貫いて、張り付けにした。 

動けなくなった3人の攻撃者を【見えない刃】が襲う。

開いた傷口を、【火球】が焼いた。



☆ 11 みやびがいてくれて幸運だよ 参照

☆ 

☆ 呪文: 魔法使い

☆  火球かきゅう しょうだい

☆  こおり しょうだい

☆ 

☆ 呪文: 僧侶

☆  見えないやいば しょうだい



それでも、攻撃者3人は死ななかった。

いや、死なせてもらえなかったのだ。

みやびを失ったミエルからは、温情や理性、良心などは残っていなかった。


ありとあらゆる痛みを与えたあとで、気を失わないように、【回復】された。

苦痛で気が狂うと、状態異常を【治療】された。


致命傷にならないように加減され、攻撃者3人が死ぬことを許されたときには、夜空に月が輝いていた。


ミエルたちは同情はされたが、みやびのなきがらを抱えてモンテ領を去るしかなかった。




神の世界では、第4神 未来知見の女神 ミサキが決断していた。


「せめて、この悲劇が起こる前に、ミエルたちをモンテ領から脱出させるしかない。でも、どうすれば...


イウラとルウナに相談しましょう」


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