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【完結】みんなの安全を守ってきた「神の代行者」、パーティを追い出されたから、自分の安全を優先します。【台本形式】  作者: サアロフィア
第10章 神の代行者から神への昇格

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100 帰って来たみやびと過去への手紙

あと1話、本日14:20頃公開で、最終回です。

みなさんの応援のおかげです。

真エンディングをご覧くだされば幸いです。

「ミエル、そこまでにするさ」


スラリと長い長身だが出るところは出た魅力的な女性が現れた。

長い黒髪を後頭部でひもでくくったポニーテールが目を引いた。

優しい笑顔をミエルに向けていた。


その笑顔を見た俺は嬉しくてたまらなかった。

予想よりも長い180年もかけて、神力をチャージし続けて目覚めさせることができた【みやび】が俺の従属神として、生き生きと動いていた。


「みやび、本当に目覚めてくれて、うれしい」


「ミエルのおかげさ。

しばらく会わないうちに、ミエルは覚えることが苦手になったさ。

これで、もう10回は同じ会話をしているさ」


「みやびにとっては、昨日ぶりでも、俺にとっては、180年ぶりだからな。

大目に見てくれないか?」


「わかったさ。

じゃあ、ミエルもサトスさんへのイジワルはやめるさ」


「意地悪じゃないんだ。これくらいしないと分からないからな。

サトスは頑固だから、聞く耳を持ってくれない」


覚悟を決めて死にそうな顔をしていたサトスだが、みやびが俺に抱きついて、俺とイチャイチャしている様子を見て、冷静さが戻ったようだ。


「ギアム、どういうことですか?

わたしをあなたの者にしたいんでしょう?」


俺は、首を横に振った。

「いいや、サトスが美しくて魅力的な女性だということは知っている。

だけど、俺には、みやびがいる。他の女性に手を出す気はない」


サトスは顔を真っ赤にして、怒り出した。

「はあ、どういうこと? わたしが【レベル8の加護を与える者】を生まれ変わらせるための神力を貸す条件として、わたしの心身を要求したわよね」


俺はサトスを刺激しないように、無表情で返事をした。

「俺の【天祥】のサシムと、サトスが【レベル8の加護を与える者】のNTTS6人を転生させるのに必要な神力が、どれくらいかかるか思い出せ。


なんの条件や見返りも無しに貸し出したら、他の神々からも貸してくれ!と迫られて、俺は破産してしまう」


「そ、それは、そうだけれど」


サトスは理解したようで、落ち着きを取り戻しつつあった。

聞く耳を持ったサトスに、説明が届きそうだと安心した俺は、話を続けた。


「わすれるなよ。俺は、【みやび】に注ぐ神力を減らすことになったんだ。

サトスに神力を貸し出さなかったら、【みやび】の復活を早めることが出来たんだぞ」


イウラさんとミサキ姉さんから貸し出す神力を渡されたことを秘密にするように言われているので、つじつまを合わせた説明をした俺。

それを聞いたサトスは、少し考えてから、返事をしてくれた。


「従属神への神力チャージに換算すると、50年分くらいですね。

それを考えると、申し訳ない気になってきました」


俺は落ち着いたサトスを見て、話を収束できそうだと思った。


「もちろん、代わりの対価は払ってもらう。拒否はさせない」


サトスは首を縦に振った。


「わかったわ。どうすればいいの?」


俺はサトスが【怒気当て】を放っても良いように、俺自身とみやびの周りに気を展開した。


「【天祥】と【レベル5以上の加護を与える者】への過干渉をやめること。たとえそれが正しい答えだとしても、だ」


サトスは驚いていた。


「でも、守護する魂を導くことは、【天祥】を持つ神の責務よね?」


俺は自分の頭をなでて、気を鎮めながら、反論した。


「その結果に、責任を取れなかったことを思い出せ!

サトスのアドバイスで、【白沢絵美】が【サーク】に会いに行ったことは悪手だった」


サトスは今は理解しているようで、おとなしかった。

「ぐっ」


「【アリム】が【ティーナ】を選んだとき、【ナーム】に止めさせたことも悪手だった。

【アリム】は理由を聞かれて『【ナーム】にそっくりだから』と答えたが、【アリム】は上手く答えられなかっただけで、【ティーナ】の慈愛のこころに癒されたかった。やすらぎを感じたかった。


これが答えだと思うぞ。


【ナーム】に薦めさせた【リーナ】は、待つ男性ではなく、求めてくれる男性の方が好みだった。だから、【リーナ】には、待ちの【アリム】よりも、攻めの【サシム】の方が良かった。


まあ、結果論だけどな」


サトスはしぶしぶ納得したようだった。


「まあ、結果論だと言われたら、反論できないわね。

わたしの助言は無かった方が良かったのかもしれないわね」


落ち込んでいるサトスを見て、みやびがサトスをなぐさめた。


「サトスがいろいろと考えて、【天祥】と【レベル5以上の加護を与える者】に教えることはいいさ。

だけれど、選ぶのは、自分でさせるべきさ。


ミエルはわたしに、いろいろと教えてくれるけれど、答えは教えてくれないさ

だから、わたしは自分で考えた答えと、ミエルがくれる答えをくらべて、一番良いと思うものを、自分で選んださ。


もちろん、間違うことが多かったさ。

それでも、ミエルはわたしに怒らなかったさ。


死ぬことになったり、大ケガをすることになったりするときだけ、止められたさ」


みやびの話を聞いたサトスは、ようやく納得したようだ。


「つまり、本当にあぶないときしか、選択を強いてはいけない。

つまり、言うことを聞かせたらダメなのね。


みやびさん、ありがとう。

あなたのおかげで、分かった気がするわ」


「どういたしまして、さ」


「じゃあ、サトス、俺に協力してもらうぞ。

姉さんの力を借りて、過去に手紙を出す。

このループよりも良い未来を、良いループを作るためには、過去を変えるしかない。


【白沢絵美】と【竜豪】が結ばれていれば、だいたい上手く行きそうだ」


サトスの表情を見ると、こころから納得している様子だった。


「その通りね。ずいぶん前からやり直しになるけれど、そこからやり直せば、大きく変えられるわね。

 じゃあ、過去に出す手紙の内容を、あなたと考えれば良いのね」


俺は首を横に振った。

「いいや、それだけじゃ足りない。

ミサキ姉さんだけでなく、イウラさんの助けが必要になる」


サトスは分かっていない様子だった。


「ミサキ姉さんは大事なことを決めるときは、シクペリア様ではなく、イウラさんに相談していた。 そして、サトスに関することはイウラさんの支援が無ければ、過去のサトスも安心できないだろう。

だから、イウラさんとサトス、ミサキ姉さんと俺の4人で、手紙の内容を決めるべきだ」


『もう、イウラには見捨てられた。頼れない』とサトスは考えていたのかもしれない。

でも、俺が、イウラさんの名前を出したことで、イウラさんがサトスのことを心配して、遠くから見守っていることに気付いたようだった。


その証拠として、サトスは親元に帰った子供のように安心した表情をしていた。


「そうね、イウラは今でも、わたしの心強い味方です」


「ご理解してくれたことに感謝する」


俺は、みやびの顔を正面から見て、感謝を述べた。


「みやびのおかげで、サトスが分かってくれた。ありがとう、みやび」


みやびの笑顔はいつだって、輝くほどにまぶしい。


「どういたしましてさ、ミエル。

お仕事が片付いたら、ミエルの熱い愛を欲しいさ」


俺は照れながら、答えた。


「ああ、もちろんだ。みやびの熱い愛も欲しいぞ」


「もちろんさ、じゃあ、後で会おうさ。

サトスさん、うまく行きますように、さ」


「ありがとう、みやびさん」


去っていくみやびに、サトスは手を振っていた。



◇


イウラさんとサトス、ミサキ姉さんと俺の4人で、手紙の内容を相談し合った。


過去のイウラさんに出す手紙の内容については、イウラさんとミサキ姉さんが相談するからと、俺には教えてもらえなかった。


「過去を変えるための大事な話だから、俺も入れて欲しい!」と頼んだら、

「【ガールズトーク】だから、ダメよ」と断られた。


ミサキ姉さんが【ガールズトーク】だとか意味不明なことを言うときは、もう仕方ない。あきらめることにした。俺の要望に基づいてミサキ姉さんがイウラさんと話してくれるなら大丈夫だろう。


過去に手紙を送ることができる神様は、ミサキ姉さんだけだから、俺がコントロールできるのは、俺が過去の俺に送る分の手紙の内容だけだ。


サトスの【天祥】、いや【レベル8の加護を与える者】だったをやめて、俺の【天祥】になりたいと言った【アリム】の魂を過去に送る手紙に同封することになった。


俺の【天祥】だった【サシム】、サトスの

サトスの【天祥】、いや【レベル8の加護を与える者】だった【サーク】、【ナーム】、【ティーナ】、【ティルル】、【リーナ】の来世は、過去には戻らず、平凡な人生を送る【ニュートラル】の人間になりたいとのことだった。


【レベル8の加護を与える者】の地位を捨てるのは損だと思うが、俺はそれぞれの選択には干渉する気は無かった。【サーク】と【ナーム】は気が変わったら、ふたたび出会えるように、近い時代と近い場所に転生するように、手を尽くした。


俺とサトスの影響度が4/8の魂として転生させることで、気が変わったら【レベル5以上の加護を与える者】に戻れるように手を打ったが、もう、御縁は切れた気がする。


【アリム】は、【竜豪】としての過去をやり直す権利を得る代わりの苦行に後悔するだろうが、まあ、頑張ってもらうしかない。彼は、今回のサトスとの賭けに勝った魂のひとつだから、なんとかなることを祈ろうと思う。


では、過去の自分が読む手紙を書くことにしよう。


「過去の俺へ

いや、過去のボクへ

と書くべきだろうか?


ミサキ姉さんから注意されたと思うが、この手紙の内容は、声に出さないで読んでください。

特に、目の前に居るサトス・ルウナには内緒というか秘密の内容が書いてあるからだ。サトスは手紙の内容を知ろうとして、過去の俺を見ているだろうが、俺のことは恋愛対象と思っていない。前世が男性だったので、サトスが恋愛感情を持つとしたら、女性が相手だと思う」


うーん、ここまで読むまでに、過去の俺は何回サトスの顔をチラチラ見るだろうな?

このころは、ポーカーフェイスという概念が無かったから仕方ないと言えば、仕方ないか。 


おっと、手紙の続きを書かなければ。


「みやびが眠ったままなので、さびしいと思うが、みやびの面影をサトスの中に感じるのは気の迷いだ。他人のそら似だから気にするな。

サトスがイウラと話すときなどに見せる笑顔を見ることがあれば、ドキッとするだろうが、みやびの笑顔とは意味が違うからな。サトスの前で、というか、自分の部屋の外で、みやびのことを思い出さないようにした方が無難だ。面倒くさいことになるぞ」


今、過去を振り返っても恥ずかしいから、ここまで読んだ過去の俺は、顔を赤くするだろうな。


おっと、手紙の続きを書かなければ。


「【異世界アイデア】と【性魔力】のアイデアを考えたサトスを尊敬して、尊敬の眼差しをサトスに向けているころだったはずだ。でも、サトスはそんなことは全然予想していない。男性が女性を見るときは、【愛情交換】をしたいときである。そうとしか考えていないので、気持ち悪いとしか思っていない。

これは推測ではなくて、未来のサトスから聞いた話だ。


みやびが【従属神】として復活して、俺とイチャイチャしているのを見て、安心したサトスが過去の心情を語ってくれた。


サトスは前世で、男性は敵ばかりだったから、男性である過去の俺に対して、本当に余裕が無いというか、敵だと思っているから、常に不機嫌な態度をぶつけてきているだろう。腹が立つだろうが、気にするだけ無駄だ」


自分の尊敬の想いを、【愛情交換】をしたいという欲求と勘違いされていたと知ったら、怒るだろうなあ。でも、未来の自分であることを証明するためには、必要だからなあ。


「【異世界アイデア】と【性魔力】のアイデアについてのインタビューをしたければ、みやび、または、イウラさんに同席してもらうしかないが、イウラさんは忙しいから、無理だと思ったほうがいい。


異世界創造しているシクペリア様、美しい身体をデザインしているイウラさん、過去や未来を遠視しているミサキ姉さんの邪魔は、絶対にしないように、気を付けてくれ。

料理中の熱い鍋の中に、指を入れる方がマシなくらいだ」


インタビューできる未来を夢見て、ワクワクしたり、危険に近づかないようにと決心したり、するだろうなあ。

さあ、ようやく、本題を書けるぞ!


「これくらいで、俺が未来のあなただと理解してくれることを祈っている。


過去の選択を後悔して、やり直したいと考えることは、16方位第7神となった後も多いだろう。

今のあなたから見て、62年後の2032年の俺やサトスが後悔していることがある。


暗黒の未来を、明るい輝く未来に変えるために、過去の自分にお願いしたい。

ぜひ、チカラを貸して欲しい」


過去のボクが使命感を感じてくれることを、願うしかないな。


「同封した魂は、ボクの【天祥】になることを希望した【アリム】の魂だ。既にボクの神力をチャージしてある。

今すぐ転生させて、1970年の夏に人間として生まれ変わらせて欲しい。


あなたが、今すぐにそうしてくれれば、未来が大きく変わる。

だから、なにも聞かずに転生させて欲しい。


そして、この魂は多くの困難に直面して、見ていて悲しくなって、つらい思いをするだろうが、それでも、【天祥】関係を維持して見守って欲しい。

時が来れば、ミサキ姉さんからの指示を、この魂に伝えて欲しい。


過干渉のサトスに対して、完全放置のギアムと呼ばれることになるだろうが、その後は、大きく報われるはずだ。


無理難題を押し付ける形になるが、いますぐ、ギアムの【天祥】として、転生させてくれることを信じて、礼を言っておく。

ありがとう、過去のギアム。


そして、あなたがいるループが、俺がいるループよりも良い未来につながることを願います。


過去のギアムへ 未来のギアムより」


おれは、この長い手紙を、ミサキ姉さんに読んでもらってから、封をした。

現在のミサキ姉さんから、過去のミサキ姉さんに、手紙を送ってもらうことになっている。


イウラさんとサトス、ミサキ姉さんと俺の4人からの手紙が届けば、俺がいるループよりも良い未来につながるループになるはずだ。


俺は、サトスが神になったころからの年表を見ていた。


つづく


お読みいただき、ありがとうございます。 作者のサアロフィアです。


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