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閑話 登場人物解説

閑話 登場人物解説


ゴーウ村編・ここまでの人物たち


物語も少し進んできたので、ここで一度、これまでに登場した人物たちを整理しておこうと思う。


この世界に来たばかりのレンにとって、ゴーウ村で出会った人々は、ただの村人ではない。

彼のサウナーという奇妙なスキルの意味を、少しずつ教えてくれる存在でもある。



石塚蓮


読み:いしづか れん


年齢:35歳 → 転生後15歳


立場:主人公/元営業マン/サウナー


本作の主人公。


前世では日本で暮らす、ごく普通のサラリーマンだった。

営業職として毎日同じ道を走り、代わり映えのしない日々を過ごしていた。


唯一の楽しみは、仕事終わりに行きつけのサウナへ通うこと。


高温のサウナ室。

水風呂。

外気浴。

その一連の流れによって、日々の疲れや虚しさをなんとか整えていた。


しかしある日、サウナ後の水風呂から外気浴へ向かおうとしたところで意識を失い、物作りの神ヘファイストスによって異世界へ転生させられる。


転生時、もっとも強く望んでいたものがサウナだったため、授かったスキルはまさかのサウナー。


当初はハズレスキルだと思っていたが、サウナストーンを落として魔物を倒したり、家を暖めたり、凍呪に侵された村人の治療に使えたりと、少しずつその可能性が明らかになっていく。


慎重なようで、思いつくとすぐ試してしまうところがある。

そのため、ルミ婆さんやイルからはたびたび無茶を止められている。


本人は自分を勇者とも魔法使いとも思っていない。

ただ、凍りついた誰かを温めることならできるかもしれないと考え始めている。



イル


読み:いる


年齢:8歳


立場:ゴーウ村の少女/レンが異世界で初めて出会った村人


ゴーウ村に住む小さな少女。


金色の髪と大きな瞳を持ち、年齢よりも幼く見えるほど小柄。

しかし、その中身はとてもしっかりしている。


村が冬に閉ざされ、父を失い、母と姉が凍呪に侵されてからは、毎日ひとりで山へ入り、蟒蛇草を採っていた。


本来なら、大人でも危険な山道。

それでもイルは、母と姉を助けるために通い続けていた。


レンとは、山で小さな狼型の魔物に襲われていたところを助けられたことで出会う。


最初はレンを「魔法使い様」と呼んでいたが、名前を知ってからは「レンさん」と呼ぶようになる。


レンのサウナスキルを誰よりも近くで見ており、サウナ小屋での治療にも積極的に関わる。

患者の顔色や呼吸の変化に敏感で、後に湯気隊の中心的な存在になっていく。


レンに対しては強い信頼を寄せているが、同時に無茶をしがちな彼を心配している。



リナ


読み:りな


年齢:12歳


立場:イルの姉/凍呪に侵された少女


イルの姉。


村が冬に閉ざされたあと、母親とともに凍呪に侵され、長く眠り続けていた。


イルにとっては、母親と同じくらい大切な家族。

父を失ったあと、イルの心の支えでもあった。


レンがサウナ小屋、冷却浴、外気浴の流れを整えたあと、最初期の治療対象のひとりとなる。


治療の中で、一度だけかすかに「イル」と声を出し、イルに大きな希望を与えた。


まだ完全に回復したわけではないが、サウナーの力が凍呪に対して有効であることを示した重要な存在。



イルの母


読み:未定


年齢:未定


立場:イルとリナの母/凍呪に侵された女性


イルとリナの母親。


村が冬になったあと、夫を凍呪で失い、その後自身も凍呪に侵されてしまう。


現在はリナとともに寝床で眠り続けている。


イルが料理や家のことをできるのは、母親から教わっていたため。

イルにとっては、まだ帰ってきてほしい日常そのものでもある。


レンの熱によって氷が一時的に引き、サウナーの力が家族を救う可能性を示した。


今後、彼女が目を覚ますことは、イルにとって大きな転機になると思われる。



イルの父


読み:未定


年齢:未定


立場:イルの父/凍呪の最初期の犠牲者


イルの父親。


村が冬に閉ざされたあと、食料確保のために男衆とともに狩りへ出た。

その後、強い寒気に襲われて帰宅し、足元から氷に覆われていく。


家族が必死に温めたものの、凍結は止まらず、最終的には全身が凍り、砕けるように消えてしまった。


衣類すら残らず、そこに残ったのは空の寝床だけだった。


イルにとって、この出来事は大きな傷になっている。


彼の死によって、凍呪がただの病気ではなく、命そのものを奪い尽くす異常な現象であることが示されている。



ルミ婆さん


読み:るみばあさん


年齢:未定


立場:ゴーウ村唯一の薬師


ゴーウ村で唯一の薬師。


口は悪いが、村人たちを見捨てない人物。

凍呪の正体を完全には解明できていないものの、蟒蛇草によって進行を遅らせる方法を見つけた。


イルに蟒蛇草の使い方を教えた人物でもある。


のちに自身も凍呪に侵されるが、レンのサウナ治療によって一命を取り留める。


レンのサウナーという力を、ただの不思議な魔法としてではなく、治療に応用できる力として冷静に観察している。


レンの無茶を誰よりも警戒しており、たびたび「馬鹿サウナー」と呼ぶ。


サウナ小屋での治療では、薬草の調合、患者の状態確認、治療順の判断など、医療面で欠かせない役割を担っている。



ゴルド村長


読み:ごるどそんちょう


年齢:未定


立場:ゴーウ村の村長


ゴーウ村の村長。


厳しい表情と低い声を持つ老人。

よそ者であるレンに対して最初は強い警戒心を見せる。


しかし、村の状況が追い詰められていることも理解しており、レンの力が本物だと判断してからは、サウナ小屋づくりを許可する。


村人たちの不安や不満を受け止めながら、誰を先に治療するかを決めるという重い役目を担っている。


希望が見えたことで村人がレンに殺到しそうになった時も、村長として前に立ち、レンを守る判断をした。


厳しいが、村を守る覚悟のある人物。



ダグ


読み:だぐ


年齢:未定


立場:ゴーウ村の狩人/力仕事担当


ゴーウ村の若い男。


大柄で力があり、斧を扱う。

雪牙狼が村を襲った時には、村人たちの前に立って戦った。


最初はレンのことを警戒していたが、ともに雪牙狼と戦ったことで少しずつ信頼するようになる。


サウナ小屋づくりでは、石や薪を運ぶ力仕事を担当。

火加減や石の扱いにも慣れていき、湯気小屋の運営に欠かせない存在になっていく。


細かいことは苦手だと言っているが、実際には状況を見る力がある。

レンが無茶をしそうな時には、物理的に止める係としても期待されている。



ノル


読み:のる


年齢:10歳前後


立場:ゴーウ村の少年/自称・湯気隊長


ゴーウ村の少年。


元気がよく、少し調子に乗りやすい。

レンのサウナに強い興味を持ち、自分も覚えたいと言い出す。


「レンの湯気隊」という名前を広めた張本人。


レンからはサウナ番見習いとして、水運びや白霜樺の枝集め、患者の様子を見る仕事を教わる。


子どもらしい勢いはあるが、家族や村を助けたい気持ちは本物。


後に、湯気隊の中心人物として育っていく可能性がある。



ヘファイストス


読み:へふぁいすとす


立場:物作りの神/レンを転生させた存在


レンを異世界へ転生させた神。


地球では物作りの神として知られる存在。

自分の管理する別世界で人材を探しており、地球での役目を終えたレンの魂を見つけた。


レンに言語理解、読み書き、クラフト、収納などの加護を与えた。


ただし、レンがメインスキルとして得たサウナーは、ヘファイストスが意図して与えたものではなく、レン自身が転生の瞬間に強く望んだ結果として発現したもの。


夢の中でレンに助言を与えることもある。


どこまで世界の状況を把握しているのかは不明だが、黒い塔については自分の管理外のものだと語っている。



雪女


読み:ゆきおんな


立場:ゴーウ村周辺に現れた白い魔性


ゴーウ村を覆う冬と深く関係していると思われる存在。


白い髪。

白い衣。

青く光る目を持つ。


ルミ婆さんは、山にいる白いものとしてその存在を語った。


村を凍らせる元凶かもしれないが、レンたちの前に現れた時、すぐに襲いかかることはなかった。


サウナ小屋から立ち上る湯気を見つめ、

「あたたかい」

「返して」

という言葉を残している。


敵なのか。

呪いに操られている存在なのか。

それとも、何かを奪われた側なのか。


現時点では謎が多い。


今後、ゴーウ村の冬の真相に深く関わる存在になると思われる。



ここまでの関係性


レンは、異世界に来て最初にイルと出会った。

イルを通じてゴーウ村を知り、村を覆う凍呪と向き合うことになる。


イルはレンを信じ、レンはイルの家族を助けたいと思うようになる。


ルミ婆さんは治療の知識でレンを支え、村長は村全体の判断を担う。

ダグは力仕事と防衛で支え、ノルたち子どもは湯気隊としてサウナ文化を覚え始めている。


つまり、レンひとりが村を救っているわけではない。


サウナストーンの熱。

白霜樺のヴィヒタ。

蟒蛇草の薬。

冷却浴。

外気浴。

そして、村人たちの協力。


それらが少しずつ重なり、凍りついたゴーウ村に湯気を立ち上らせている。


この村が本当にととのうのは、まだ先の話である。

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