46.久しぶりの夢
テストめ(TωT)
それから、しばらくが過ぎて寮に戻れた。皆も無事なようで、どんどん寮に戻ってきていた。
ーーーーーーーーーー
「やぁ。アイ久しぶり。」
エレウカが笑う。私はエレウカと向かい合う。
……?なんか違和感が。
「エレウカ?成長してない?」
さらさらの髪は少し長くなり、背丈も5cm程伸びている。顔つきも少し青年に近くなってきた。15歳いかないぐらいの見た目。
「あ、これ?気にしない、気にしない。アイの封印を解く度に、もともとの姿に戻るだけだよ。」
つまり、少年の姿はもともとの姿では無いんだ。
「えっとね。今日はアイの封印の三つ目を完全に解いたんだ。」
それを報告するために呼んだのね。
「でもね、この力普通は精霊の民は持ってないから、できるだけその時以外は使わないでね」
「へぇ」
私は普通の精霊の民ではないんだね。少しショックだけど、薄々気づいてたから、まあいいか。
「三つ目の力、魔力を操る力なんだ。」
「それ、魔法の民とかが使うやつよね?ん?三つ目?」
あれ?確か、それだったら精霊の民にはなれないはずなんだけど。
そして、二つ目は?飛ばしたよね。
「二つ目は浄化の力。もうアイは使ってるから説明は省くね。その人たちは自分の中にある魔力をつかうんだけど、アイは自然界の魔力を使うんだ。」
「へぇ。自然界に魔力なんてあったんだね。」
「うん。たまに森とかに溜まって魔物とか生み出すよ。」
えー。魔物の発生原因それですか。
「それ、常に発生しているもの?」
「うん。自然界の魔力は自然に発生して、消滅もする。まあ総量は変わらないけどね。」
あ、そういえば聞きたいことがあった。
「前に学園でね、自称敵さん見たよ。かなり禍々しかったね、気配が。」
「敵?」
エレウカが首をかしげ、真剣な表情でこちらを見た。
うん。まだかわいい。
「少し、待ってね。」
エレウカは目を瞑って、動かなくなった。
言う通り待っているとやがて目が開いたけど、なんか不思議な表情だ。
「世界から禍々しい気配が全く感じられない。まさか、僕の力が防がれている?」
そして、こちらを見る。
「敵がどのくらいいるのか、どのくらいの力を持っているのかが全くわからない。気を付けて。」
「うん。出来るなら会いたくない気配だったしね。」
でも、最終的に倒さないといけないけれどもね。まだ今の私ではたぶん太刀打ち出来ない強さ。
「僕も封印の開放急ぐから。」
そこで、私の意識がだんだんとなくなる。
「あ、時間か。じゃ、またいつか。」
「またね。」
ーーーーーーーーーー
起きる。
「そうか。今日は休みなんだった。」
時計を見て、テーヌを起こそうとしたけどやめる。
私は着替えて、朝食を取りに食堂に向かう。
「おはよ。アイ。」
途中で、まだ半分寝ているような顔のエルトにあった。
……実験してみよう。
エルトの顔に水があたるという想像をして、なんとなくこれが魔力かなぁと思うふわふわした力を動かしてみる。
パシャン
……多すぎた。
「わ、何?」
エルトが面白いくらい慌てている。誤魔化すか。
「いや、エルトがねむそうだったから起こそうかなと。」
幸い近くに水道があるから。
「はい。タオル。」
「アイー?」
おお、しっかり起きたようだ。よかったよかった。
若干睨まれているような気がするが、気にしない。なんとなくエレウカが苦笑しているような気もする。
「あはは。」
「……?アイどうやって水を?」
「秘密」
エルトが怪訝そうに私を見たけど、私のそばにある水道を見て納得したように頷いた。
ごまかすことが出来たようだ。
嫌な予感がする。すっとエルトの側から離れて壁際による。
「とりゃっ。」
「うげっ」
あー、テーヌの体当たりをエルトが全部受け止めたようだ。
痛そうな音がした。
「あらら。エルト大丈夫?」
「いたた。」
エルトが背中をさすりながら起きる。
「テーヌ?貴女、獣人に入るんだから、手加減をして。」
「気にしない気にしない。」
テーヌは聞く気がないようだ。
「そんなことより、食堂ついたよー。」
喋りながら歩いていたから短く感じた。食堂に突っ走っていくテーヌを見送りながら2人で笑う。
「今日は何しようか。」
宿題とかも早めに終わらせたし補習とかもないので、暇だ。
「街に出る?」
アルト先生が、私達を見つけてこちらに来た。今日は珍しく、私服を着ているようだ。
「いいんですか?」
「私の手伝いをしてくれたらね。ちょっと魔物退治だけど。」
生徒にさせていいんですか?と思ったけど、この学園、冒険者も育成することを思い出して納得する。エルトは冒険者の技術よりも護身術という体面が大きいけれど。
「行きます!アイもエルトもいいよね?」
元気よくテーヌが答えた。 エルトを見ると苦笑はしてるけど断る気配は無い。
「いいけど。銃を学園に預けているから持ってこないと。」
「私も、ナイフ持ってこないとね。」
アルト先生が嬉しそうに笑って、腰についていた少し大きめのポシェットから、私の銃とエルトのナイフを取り出した。
…なんで持っているんです?
「断らないと思ってね。」
驚いている私達を見て、アルト先生がウインクをした。心を読まれているみたいだ。まぁ、そんなわけはないだろうけれど。
「"世界に満ちる精霊たちよ。魔物を凍らせよ"」
テーヌを襲おうとしていた蟻のような形の魔物を凍らせる。それをテーヌは足で叩き割った。
「先生ー。数が多いんですがー。」
「わしもこんなに多いとは聞いてなかったよ!」
アルト先生が術を飛ばしながら返事をする。半分ヤケクソで叫んでいるようだ。
「巣を見つけないと、殲滅できないから頑張って!」
「はい!」
私とエルトは精霊術で、アルト先生がエルフの術で、テーヌは大剣と蹴りで蟻の魔物を散らしている。
銃と投げナイフは、蟻の魔物の表面の硬さのせいであまり効かなかったので使っていない。
「ていりゃっ!」
……テーヌの大剣がどんどん蟻の魔物を切断している。表面の硬さはあまり問題ないようだ。
「"世界に満ちる精霊達よ、我らを守る結界となれ"」
私は1度休憩した方がいいと判断し、自分達を守る結界を張る。判断はあっていたようで、エルトが疲れた様子で座り込み、アルト先生も息が上がっている。テーヌはまだ元気そうだ。
「これはキツイ。アイは大丈夫?」
「はい。私はまだいけます。」
エルト先生が精霊を呼び出す(私には、精霊が寄ってくる様子が見える)。今度の精霊は、手のひらサイズの小さな人の姿をしていた。
精霊は、少し話すと離れていった。(先生達には、消えたように見える。)
「巣が少し先にあるって。でも、今は休憩しよっか。」
先生がポシェットから水筒を取り出して、私達にお茶を配る。少し苦いお茶だ。テーヌは飲めるかな?
「苦っ!」
予想通り。テーヌがお茶を吹こうとしたけど、アルト先生が口をふさいで飲ませた。
「我慢ね。これ薬草入りのお茶。」
ああ、だから苦かったのか。
しばらく結界の中で四人で休憩する。結界を維持する力はそんなに要らないので、私も休憩することが出来た。
「じゃ、そろそろ行こうか。皆。」
アルト先生が立ち上がる。




