45.予期せぬ客人
2部目です。
後日、学園は再開した。だけど、1度魔物に狙われたから、警備とかがとても厳しくなっている。
アルト先生は、時間が過ぎれば元通りになると言っていたけど、どのくらいかかるんだろう。
寮もまだしまっていて、遠くから来ている生徒はちかくの家にホームステイ状態だ。
「おはよ。アイ。」
「おはよう。エルト」
ホームルーム前の教室では、まだまだ魔物についての話題が飛び交っている。
チャイムが鳴り、アルト先生が入ってきた。
「皆さん、おはよう。連絡だけど、今までどおり普通に授業はあるわ。だけど、護身術の授業が少し多くなるみたい。」
なんか皆、ちょっと微妙な顔をしている。
「ま、魔物の事なんか忘れて、いつもの日常に戻るわよ」
アルト先生がニコッと笑って、教室を出ていった。
午前中はずっと座学だ。
こちらの世界でも元の世界の数式とかが役に立つ。なので、特に問題は無い。テストはあるが、成績はいい方。
「眠いー。」
「エルトは公爵令嬢だよね?そんなのでいいの?」
「アイが家のメイドと同じ事言うー。」
いや、誰でも思うよね?
「久々に昼食一緒にたべようか?」
「うん!」
……この人一応、私より年上だ。覚えてる人いるかな?
「俺らも一緒にいいか?」
当然のごとく、澄ました顔でコルザがついてくる。ほかの人の視線が痛いので、出来るならば断りたいけど、どうせついてくる。
「キルエと、コクユも一緒?」
「ああ」
「おう!」
元気いいね。キルエ。さすがのうきn…
「失礼なこと考えただろ。」
だんだんと勘が良くなっていっている。
私は、曖昧に笑って食堂を目指す。
「ごちそうさま。」
「くっそ。コクユ早いぞ。もっとよく噛め」
「噛んでいる。」
たった十分弱で食べ終えるコクユ。キルエと早食い対決をしていたようだ。学園祭の事、根に持ってるんだろうな。
「まあまあ、得意不得意はあるんだし。」
エルトが苦笑いで、キルエをたしなめる。
こういう所はお姉さんっぽいんだけどな。
「アイは休みの時は何してた?」
「私?」
えー。王宮行って勉強して、王様たちとパーティーして(宴?)、なんか妖精王と話して……。
「色々と忙しかったよ」
少し遠目になる。
「へぇ」
少し興味を持っているようだが、遠目な私を見て、エルトが遠慮したようだ。
「……あれ?コルザどうした?」
「いや、ちょっと思い出しただけだ。」
コルザが隠れて笑っていた。
この野郎。私は大変だったんだぞ。
睨みつけるが、全く何もかわらない。受け流されている。
「楽しそうで何より。」
エルトも笑いだしたし。
まあ、なんとなく和やかだから好きだけどさ。
「ゲホッ、ごホッ」
コルザが笑いすぎで咳き込み出した。
自業自得だ。
「馬鹿なの?」
「…すまんテッシュを取ってくれ。」
こんなので王弟だぞ。ほんとに、この国なんかずれてる気がするのは気のせいか。
今日の授業は終わった。最後の授業は護身術の練習(体力づくり)だったので、汗をかいてしまった。
学校にあるシャワーを浴びて、しばらくエルトと話していたが、エルトの迎えの人が来たので別れ、図書室で時間を潰そうとする。
「やぁ。」
唐突に声をかけられた。
振り向いてみると、若い男の人だ。私より少し上くらいかな。
学校の人ではないよね?
なんとなく嫌な雰囲気だ。
「貴方は誰ですか?」
「そんなに睨みつけないでいいのに。初対面だろ?」
顔に出ていたようだ。
「ま、なんとなく分かるようだな。」
えっと、どうしよか?
「今は何もしないさ。ただアイサツに来ただけだよ。」
「ものすごく、嫌な雰囲気がするのですが。」
そう言うと、男の人は笑い出した。
「ははっ。だろうね。僕は、んー、なんて言うのかな。君たちがいう敵には違いないけど。」
風が吹き、光がはじけた。
「アイ、下がって。」
「姫、無事か?」
龍と、竜だ。
あれ?私は呼び出してないよね?
「聖獣は気づくの早いなぁ。結界張ったはずだけど。」
「お前の結界は禍々しすぎる」
男の人はキョトンとした。
「あ、そうだった。はっは。忘れてた」
自称敵さんは意外と天然なのかもしれない。自称敵さんだけど、思いっきり嫌な感じがするから、ほんとに敵なんだろうけど。
「でも、今は何もしないっての。準備中だからさ。ただ顔を見に来ただけだ。帰る。」
その人はやれやれというようにため息を吐き、手を振った。
その瞬間、黒い竜巻が巻き起こる。
「っ。」
だけど、あまり衝撃は来なかった。
目を開けてみると、白い鱗が見えた。
なんというか、蛇のとぐろの中みたいな?
「アイ、大丈夫?」
真上から声が聞こえた。龍だ。
このとぐろは龍だったようだ。
「うん。そっちは?」
「大丈夫だよ?このくらいは朝飯前だよ。」
龍がにかっと笑うけど、正直牙が怖い。
「じゃ、僕らは戻るよ。危ない時は遠慮なく呼んでね」
「姫、ご無事で。我も戻る。」
二匹が去っていった。
「あ、もう迎えきてる。」
急いで学園の正門の方に行く。
「今日のことは話さないでおこう。」
まだ、よくわからないから。
猫派です。誰が何を言おうとも猫派です。
(とくに意味はないので無視してもいいですよ)




