44.種族の原点
王宮の図書室を借りる事にした。
種族がなぜこんなに別れているのか知りたかったからだ。コルザはついてきたけど、向こうのテーブルに突っ伏して寝ているようだ。
「種族が結構あるけど、元を辿れば一つだよね。」
例えば、魔法の民は天魔族の血が薄くなって現れたように。そのことは、メイト様とエンジェ様に聞いた。
「妖精族とエルフ族は多分近いと思うし。あ、でも違うかな」
妖精族とエルフ族には共通点が多い。でも、エルフ族は精霊族にも近い。
「そういえば、エルフ族は人と精霊族のハーフだと聞いたことがあるなぁ。」
ブツブツつぶやきながら、本を見て回る。王宮の図書室だから、いろいろ種類がある。ちなみにここは許可を取れば入れる場所だ。
「あ、これか。」
古ぼけた本をとる。
……昔は人と魔族、二種族しかいなかった。だが、魔族のバランスが崩れ好戦的な原始魔族が増えた。それらが人を襲うようになった。人は1度魔物に滅ぼされかけたが、原始魔族以外の魔族が味方したことと、精霊族という目には見えない者達の協力によってその危機を乗り越える。……
「あれれ、だいぶ前すぎた?」
何ページか飛ばし、読み進める。
……ある時、精霊族が見える者が現れる。その者達は、自らを精霊族と人の子として霊族と呼び始める。霊族は、森に住む者と人に紛れ住む者にわかれた。森に住む霊族は森精となり、人に紛れ住む霊族は人に近くなった。……
「森精、エルフ族のこと?」
……森精は、霊族の血が濃く残ったせいか、見目が違うものや違う力を持つ者達が現れた。だが、すべての森精がそうなった訳ではなく、比較的力の強い者達だけだった。その特徴を持った者達は薄い羽を持っていた。その者達を妖精族と呼ぶようになった。そして、変化しなかった森精をエルフ族と呼ぶようになった。……
「精霊族と妖精族は、力が違う?そもそも精霊族ってどこから生まれたんだろう?」
……ドワーフ、水人については、その土地に適応した人の進化だと考えられている。ある説では、神ノームと人の子がドワーフであると考えられているようだ。水神フィーリアと人の子が水神であるという説も同じく。……
「ドワーフ、水人はよくわかっていないのか。そもそも、この世界って神は実在するのかな?」
……天魔族は、人と原始魔族以外の魔族の子だと考えられている。原始魔族以外は理知的で人と変わらなかった。天魔族のほとんどは、人と魔族の間の姿をしていて、一目で区別はつく。そこから、人と交わっていき、人に近くなる。……
「人ねぇ。人は結局すべて交わってしまって、純血の人はいなくなったんだ。今の精霊の民の血が薄い人と、魔法の民の魔力が極端に少ない人達が昔の人に近いんだろうな。」
純血と言われる姿は霊族に近いのか。なら、精霊族とも近い。精霊族って、ほんとになんだろう。
「んー、ふぁ。よく寝た。調べるの終わったか?」
コルザが起きてきた。ゴシゴシと目をこすっている。
「まあまあかな。でも、今はこれでいいや。戻ろう?」
コルザが無言なので、顔を見ると立ったまま寝ていた。
……器用だな。
そのままだと、倒れそうなので軽く頭を叩いて起こした。
「んー、とても眠い。俺、寝るわ。」
王宮に戻るとさっさとコルザが行ってしまった。今は、夕食の一時間前ぐらい。
すぐに起こされるだろうと思って小さく笑う。
「……なんで休暇の間は王宮にいるんだろう。」
素朴な疑問。
誰か答えてくれますか?
後日、読んでいた本をメイト様に見せたらよく読めたねと言われた。どうやら、今の文字ではなく昔の文字のようだった。
「どうして読めたんだろう?」
疑問だ。とくにつっこまれなかったけれど。
ブクマありがとうございます。色々と忙しいので更新が遅くなりますが、これからも応援よろしくお願いします。
あ、本日2部更新します。




