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43.自分とは何か

王達とのパーティーを終え、しばらく庭園を散策する。庭園は広く、珍しい花や木で飾られていた。


「アンゼリカ。私に宿る記憶の持ち主なのかなぁ。」


時折、夢で見る記憶。"私"が主人公みたいな夢もあれば、誰かを他視点で見ているような夢もある。

"私"がアンゼリカならば、アンゼリカは誰を見ているんだろう。

そして、私とアンゼリカは同じなの?


「よく分からない。今の私は、何だろう。」


私と"アンゼリカ"は同一とすると、"アンゼリカ"が今いない。というか、封じられている?

なら、片割れである私は、本当に"私"なの?


エレウカは、力を戻すと言っていた。

つまり、私をアンゼリカに戻すの?


足を止め、空を見上げる。綺麗な星空だ。


「少し恐いなぁ。」


でも、エレウカが言う世界の危機を救うには、私がアンゼリカに戻ることが必要なことだとなんとなく思う。


空を見ることをやめ、視線を戻す。



「まあ、まだ時間はある。もっと詳しく調べてみないと。」


エレノウン様は、知りたいなら妖精の国に来るといいと言っていた。いつか行ってみよう。

また、違う国に行ったことで、魔法の国に行った時みたいに夢で記憶が見れるかもしれない。


「世界を回ることが、記憶を取り戻すことにつながるかもしれない。」


それが、今出来ること。



「あ、アイ。ここで何をしてるんだ?」


コルザが声をかけてきた。


「いや、ちょっとね。考え事をしてただけだよ。」


私は笑って、コルザを見る。

コルザは怪訝そうな顔をしていたけど、ふーんと一言言った後は、何も言わなかった。


「コルザは、私がどう見える?」


なんとなく尋ねた。


「え?アイが?」


コルザは、その質問に最初戸惑って、少し考え込む。

そして、顔を上げて微笑んだ。


「アイはアイだ。いつも通りだよ。」

「そうなんだ。」


なんとなく、安心する。


「何か、相談したいことがあったらいつでも言っていいぞ。」


コルザは微笑みを、少し心配そうな顔に変えた。

なんとなく可笑しくなって、笑う。


「大丈夫。何でもないよ。」

「そうか。ならいいが。」


コルザも一緒に笑う。


「じゃ、戻るか。」

「そうだね。庭園も充分見たし。」



王宮に戻り、与えられた寝室に戻る。こういう状況に少し慣れてきた私に少し笑う。

ベッドの上で、寝転がる。


この世界を守るためなら、私が私でなくなることは許せるかもしれない。でも、出来るなら、私のままでいたいなぁ。

許せるのは、私が少なからずアンゼリカの意思を持っていることにつながっているんだろう。


そう思った。










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