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38.学園祭④

今日は朝9時から10時まで店番。

お客さんは学生以外も沢山いて、クッキーが早速売り切れたので、クッキーを焼いている。


「ここか。アイのクラスは」


ん?知ってる声が聞こえたんだけど。

気のせいだよね?一国の王が気軽に来る訳ないよね。

そう思い、クッキーを焼き続ける。

今更だけれど、教室は布の幕で二つのスペースに区切ってある。

狭い方のスペースが、調理場だ。


「チョコクッキー2袋下さーい。」


うん。テライトかな?このこえは。

仕事はどうした。


「やっぱり、テライトとメイト様。」

「やぁ」

「来たぞ。」


テライトはこちらを見て微笑み、メイト様は片手を上げた。

テライトに作ったばかりのチョコクッキーをあげ、メイト様にあいさつをする。


「メイト様、よくここに来られましたね。」

「ちょうど時間が空いたからな。今日は暇だ。」

「ねぇ。アイはいつ店番終わる?この後一緒にまわろう。」


テライトが目をキラキラさせて、私の方に向く。

私は時計を見る。現在9時40分。


「あと20ぷn……」

「いいよ。店番やっとくよ。」


他の店番の子が、気を使ってくれた。



そういう事で、現在3人で学園祭をまわっている。

……なんだこの状況。

幸い(?)イケメンには耐性はある。テライト、コルザ、メイト様でかなり耐性つけたよ。あぁ、龍(人型)でもね。


「どこ行くの?」

「決めてないな。」

「あ、そういえばお化け屋敷誘われてたな。」


兎の魔物であるティールの幼体のイーニアを届けた際、フェルンス先生にお化け屋敷に誘われてたことを思い出した。

そのことをいうと、メイト様は行こうと言ったが、テライトが若干青い顔をしているように見える。


「どうしたの?怖いの、テライト?」

「い、いや。こ、怖くはな、ない。き、き、気のせいだ、ろ。」

「はは。そういえばテライトはそういう系はダメだったな。ゴースト系の魔物も嫌いだったっけ。」


テライトは挙動不審になり、それを見てメイト様が笑う。


「テライト、1人で入ってこい。俺らは2人で入るから」

「え、」


メイト様はにやっとして、テライトに非情な命令を下す。

面白そうなので、私もそれに賛成した。


「で「反論はなしだ」」


テライトの文句に重ねて、メイト様がいう。

テライト泣きそう。



「うわーー!」


後ろからテライトの悲鳴が聞こえる。

私達は、くすくす笑いながら先に進んでいく。


「かなり精巧だな。」

「ですよね。」


ゾンビやら化け猫(何故かメイド服)やら悪魔やら。バリエーションが豊富だ。たぶんすべてフェルンス先生がメイクしているんだろうな。


「お、出口か」

「そうみたいですね」


出口では、一つ目のメイクをした生徒が飴を配っていた。

一つ目と言っても片方の目を髪の毛で隠しているだけだが。


「うぉぉぁぁいっ!!」


テライトが走り抜けてきた。そして見えなくなった。


「どこ行ったんでしょう?」

「さぁ?後で戻ってくるさ。」


メイト様がテライトが走り去った方向を見て、そう言った。

テライトほんとにこういうの苦手なんだなぁ。



「あ、アイさんとメイト様ではないですか。お化け屋敷どうでした?」


ちょうどフェルンス先生が来た。今日はメイクをしていないようだ。眼鏡をかけている理知的な美人だ。


「楽しかったです。」

「ああ、とても楽しめた。」

「それは良かった。しかし、もう一人どなたか居たような気がしますが。」


フェルンス先生が首をかしげ、辺りを見回す。メイト様は笑いを堪えるのに必死だ。


「居ましたが、気にしなくてもいいです。」

「ふむ。ならいいです。」


フェルンス先生は特に突っ込むこともなく納得した。


「では、僕はこれで。まだ運営の仕事がありますので」


フェルンス先生と別れた。



「テライトを探すか。」


メイト様はちょうどそこにいた鳥の姿をした精霊に声をかけた。


「テライトがどこにいるか知ってるか?」

『私が見えるんだね。王族か。あの子は体育館に行ったよ。』


たぶん行ったんじゃなくて体育館方面に走ってっただけと思うけどね。


「ありがとう」

『いえいえー』


私達は体育館の方に歩き出した。



「はぁ、はぁ。」

「テライト、怖がりすぎだ。」


木の陰で座り込んでいたテライトにメイト様が笑いながらいう。テライトはメイト様を睨んだ。だけどメイト様はそれをスルーして、周りをみた。


「俺は婚約者に会ってくる。」

「そういえば、メイト様婚約者いたんでしたね。」


メイト様と別れ、テライトを起こす。


「ふぅ。あ、そういえばリリスが来ている。友人に会うとか言ってたなぁ。」

「リリスさんか。友人とは?」

「確かハーフエルフの人だったような。」


ハーフエルフは……アルト先生がいるな。アルト先生の所に行ってみよう。


「アイとテライトさんか。」


ちょうどリリスさんが来た。そして前のように、ぎゅっと抱きしめられる。


「リリスさーん。だから私はもう17だってー。」


リリスさんの隣を見ると、アルト先生が苦笑している。


「アルト先生ー」

「諦めなさい。リリスは可愛いものが好きだから。」


味方がいない。



―――――精霊の国上空にて――――――


「ふむ、エレウカの気配がすると思ったら、巫女が現れている。だが、まだ不完全のようだ。」


黒い翼を持った青年が言う。考えるように腕を組んだ後、禍々しい色をした丸い玉のようなものを学園の上に落とした。


「力試し……だ。でも後から消さないとなぁ。こちらの計画を潰されたらすべて水の泡だ。」


それからニヤリと笑い、精霊の国を後にした。


その玉は落ちている間に割れ、中から禍々しいモノが現れた。

それは、空中にとどまり、不快な叫び声をあげる。


――――――――――――――――――――


ギィァァァァァ


《緊急事態、緊急事態!魔物が上空に現れました。生徒の皆さんは、地下に避難してください!高等部2年以上の1組、2組は臨戦態勢に入ってください!また、訪れている人で戦える人は臨戦態勢に、戦えない人は避難をお願いします!》


















謎の青年〉やっと出番と思ったのに短い(泣)

作者〉……



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