32.いつもの光景
一旦、緩い日常を挟みます。
まったりヾ(⌒(_*'ω'*)_
始業式も数日前に終わり、無事に学校が始まった。
改めて見ると、学園にもたくさんの精霊がいることが分かる。
さっきなんて、魚の姿をした精霊がここの生徒の男の子を通り抜けていった。
『ねぇ』
子供の姿をした精霊が横にいる。
うん。今話しかけられても答えないよ?変人だと思われるから。
この力はほぼ王族専門の力となっているようで、あまり騒ぎにはしたくない。面倒臭いしね。
頑張る時は頑張る。バランスはとる。
あ、ちなみにこの力を知っている人は、コルザ、メイト、テライトの3人。テライトの使用人さんにも機会があれば話したい。
今何をやっているかというと、武術についての説明を受けている。武術というより、体術か護身術。素手が基本だ。
「――だから、気を付けてね。あなた達が学ぶのは軽めとはいえ、人を落とすぐらいの力を持っている。」
あれか。落とす=気絶させるか。
物騒な。
「3年の2人、前に出なさい。」
先生として連れてこられていた、高等部3年の人たちが前に出て、技を見せてくれる。落とすことはしないけれど。
魔法の国で見た模擬戦とは違う迫力があった。
「そこまで!!」
今まで組み合っていた2人がすぐに離れる。かなりはやい。
「これは、本格的なもの。あなた達はここまでとは言わないわ。」
本格的なのは1組だったっけ。大変そうだな。
「じゃあ、まずは……」
ランニング中だ。体操服に着替えている。
基礎的体力が必要らしい。エルトの隣を走っているが、エルトが死にそうだ。
「大丈夫?」
「まっ、だ、だい、じょ、ぶっ。ゲホッ」
全然、大丈夫じゃない。ような。あと、少しで終わるけど。
「もうちょっとだから。」
「うっん。」
私は、普通に走っている。
ここで疑問。私は運動部所属したことがなく、学校の体育の時ぐらいしか運動して無かったような人だ。
なぜ、こんなに走れる?
『アイの世界の重力が凄かったから。』
そうですか。精霊よ。心読むのをやめて。
『はーい』
うん。素直で宜しい。
「アイは、凄いね。」
エルトが息を整えて言った。まだ、疲れているようだ。
「エルトが体力が無さすぎるだけだよ。みんなも、エルトほど疲れてはいないしね。」
苦笑しながらみんなを見回す。うん。ストレッチをしている人がほとんどかな。
というか、アレ、ラジオ体操だよね?
広めたのは転生者か。
「皆、走り終えた?次は、縄跳びだよ」
「縄跳び?」
「そっちの方が皆楽しいでしょう?」
確かに、普通のトレーニングよりはマシかも知れない。あくまで、私個人の意見だけれども。
「縄は配るわ。」
一人ひとりに縄が渡される。ちゃんと自然の糸で、出来ているものだ。重い。
「さて、5分間飛び続けるわよ。」
「うぇ。」
なんか、隣で変な声が聞こえたけど、気にしない。
5分間は意外と長い。
「初めー」
アルト先生も縄跳びしている。
「これ、先に腕が痛くなるね。」
「うん」
エルトが必死だ。すごい形相をしている。
それが面白くて笑ってしまう。
「……」
何故かこちらを睨むエルトさん。
なにかしたっけ?
「取り敢えず、最初は体力作りだから、これは毎回する。まあ、頑張れ」
アルト先生が笑って言う。武術の授業は、週一である。
エルトは魂が抜けたような顔をしている。大丈夫かな?
授業が終わり、エルトと一度離れる。
『ねぇ、お喋りしよう』
精霊が話をしたいようだ。たまにこういうふうに話し掛けられる。
傍から見ると、独り言をしているようにしか見えないので、あまり話したくは無いけれど。
「あ、アイか。相変わらず精霊に好かれているな。」
「コルザ、丁度いいところに。しばらくここにいて。」
コルザと居れば2人で話しているように見えるはず。コルザも精霊が見えているので状況は分かっているようだ。
「なるほどな。分かった。」
コルザは少し嬉しそうだ。
『あのね…』
精霊が喋り始める。話題は、コロコロと変わる。
得に重要性もない普通の話題だ。たまに、学園内の話題になる。
『何かね。学園祭あるらしいの。』
学園祭ね。どの世界でもあるんだな。
「学園祭か。どんな出し物があるんだろうな。」
コルザが欠伸をしながら言う。眠そうだ。
「あ、もうそろそろ次の授業が始まる時間だ。じゃあ、またね。」
『またねー』
精霊と別れ、次の授業に行く。
確か、次は薬学の授業だ。




