24.魔法騎士団との交流
なにか、嫌な予感がした。まあ、気のせいか。
「純血か。ここまできれいな色はなかなか居ないよ。」
頭をなでなでされながら、言われる。目の前がぐるぐるし始めてるから、もうそろそろ止めてほしい。あと、ライネスじゃないです、と言いたいが、そのような状況のなかでは言えない。
誰かー助けてー。
半ば本気でそんなことを思う。周りをキョロキョロ見てるけれど、助ける人は一人もいない。諦めよう。
........隣にあるテーブルにどんどんお茶や御菓子が用意されていっている。でも、ティーカップがぷかぷか浮いているんだけど。
「お茶会の準備が出来たわよ。」
リリアさんが皆をよぶ。勿論、私は強制参加....だね。魔法騎士の人の視線がいたい。笑顔なんだけど、怖い。
「アイは....ココアでいいね。はい。」
なにも言っていない。けれど、ココアは好きだ。ココアが入ったティーカップがぷかぷか浮きながらこちらに来ている。私の前まで来ると、テーブルにおりた。
「これも魔法ですか?」
「厳密には魔法ではないけれど、魔力を固めて、ティーカップの周りに纏わせてるんだよ。見えない手みたいなイメージ。」
最後にリリアさんと打ち合っていた男の人が答える。美形だけど、ほんわかした雰囲気の人だ。これだけ見れば、強さが、全く分からない。
「まあ、一般的には無属性魔法って言われているけどね。」
リリアさんが補足をした。クッキーを食べている。
「リリア団長、行儀。」
説明してくれた男の人がリリアさんに注意をしている。行儀を気にする質のようだ。
「はいはい、ところで皆アイに自己紹介したの?」
慌て出す魔法騎士達であった。取り敢えず、小隊長と副団長の紹介だけになった。
魔法騎士団の小隊は4つあって、7人ほどの人数で構成されている。魔法騎士の一人の強さは、普通の騎士の最低でも5人分の強さを持っているそうだ。リリアさんは普通の騎士100人分くらいだそうだ。なんでも、才能に恵まれているからということ。
「第一小隊長のイルル・レナーシアです。第一小隊はいわゆる戦闘隊なんです。だから、他の隊より一番戦闘に関しては強いです。」
「第二小隊長のピルクだ。俺はドワーフの血が混ざってる。俺の隊は、工作隊って言えばいいのか?まあ、落とし穴とか罠を主に作ってる。」
「第三のモルル・レナーシアだよー。イルルと双子なんだ。うーんとね。あたしたちは防戦特化かなー。ほら、防具が他の隊より充実してるでしょ?」
「第四小隊長のトト・クラウです。第四小隊は補助専門の隊なんだ。だから僕らは、あまり戦力にならないんだ。」
隊によって違う面を持つらしい。ちなみにリリアさんは、隊に入っていなくて副団長と組んでいる。ピルクさんがちょっと背が小さい理由がわかった。他種族とのハーフかあ。イルルさんとモルルさんは口調が違うし、顔はとても似ているだけど髪色も違う。イルルさんが暗めの赤で、モルルさんが金髪だ。目は両方同じ色でエメラルドのような碧だ。
「で、僕が副団長。フィリって言うんだ。女の子っぽい名前だからちょっと嫌だけどね。」
ほんわかした美形の男の人が副団長だった。フィリさんと言うらしい。リリアさんと打ち合える唯一の魔法騎士だそうだ(他の隊の方目線)。
「あの、セカンドネームがある人が何人か居ますが何故ですか?」
「ああ、レナーシア姉妹とクラウとかか。あいつらは元は貴族なんだ。」
フィリさんが教えてくれた。魔法の国にも貴族制度があるらしい。詳しく聞くと、精霊の国の貴族制度と少し違うらしい。
精霊の国は、普通の平民が貴族になるには大きな功績が必要で、力とかは関係ないけど、魔法の国は、魔力が強ければ貴族になれるかもしれないという点だ。どちらにしても伝統的な貴族と、突発的な貴族が混じるということは同じだ。
「レナーシアは昔から続く貴族だ。まあ、なぜかレナーシア家は旅好きが多い。クラウ家も昔から続いている。クラウ家の方はかなりの芸術家や発明家を生んでいる。まあ、名門といったところか。」
家の説明をしてくれた。
「僕はそんな才能ないけどね。」
トトさんが苦笑しながら言った。
「いやいや、こいつは凄いよ。計算が得意でいつ、誰が魔力切れを起こすかピタリと当てて、そいつの補助をするんだ。」
「凄いですね。魔力切れを予想ですか。難しそうなことをさらっとやりますね。」
トトさんを抜かして話を進める。たまにチラッとトトさんを見ると、顔が赤い。照れているようだ。
「アイ、折角だから、模擬戦闘見てみる?」
リリアさんの提案で、模擬戦闘を見ることになった。断りたかったんだけど、日本人の特性が働いてしまった。
「いつでもいいよ。」
リリアさんが声をかけたのは、副団長のフィリさんだ。フィリさんは体に風を纏い、剣には炎を纏わせているようだ。リリアさんは特に変化は見られない。
「何故僕が....」
不満そうに剣を構えたフィリさん。その直後、凄いスピードで、リリアさんを攻める。しかし、リリアさんはそれを軽く受け流すと、持っている剣を振った。瞬時にフィリさんがよける。
ズゴゴーン!
「....は?」
地面に亀裂が走った。状況をよく飲み込めない。
「リリア団長!後で掃除が大変なので力抜いてください!」
フィリさんが、リリアさんに言う。突っ込むところそこなのか?
「アイさん。解説しますね。今リリア団長は重力操作の魔法と衝撃波の魔法を使っています。無属性魔法だから、見た目に変化ないのです。」
トトさんが解説役をしてくれた。その間にも、激しい戦闘は続いている。あちこちに亀裂がはしり、へこんでいる場所もある。
「はっ!」
フィリさんの一閃。だが、弾かれる。リリアさんは手をフィリさんに向け、何かを唱えた。
「あっ!」
剣が浮いてリリアさんの所にいき、フィリさんの周りがへこんでいる。フィリさんは手をあげて、降参の意思を訴えている。
「死なせる気ですか!?リリア団長!」
フィリさんが、リリアさんに苦情を言っている。
「あのくらいじゃ死なないわよ。」
リリアさんは聞き流している。
メモ....魔法騎士は強いけど、手加減を知らない。




