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22.魔法の国

 青空が広がる。宙に浮いた建物、積み上げられたような階段、動く道路。何処へ繋がっているのか、扉だけあるもの。道行く人々はどこからか物を取り出す。―――そんな景色が広がっていた。精霊の国と全く雰囲気が違う。重力無視が半端ではない。魔法の民の見た目は、私達精霊の民とほぼ違わないのに別種族の国をみせられたような驚きがある。

これが魔法の国テールスエイトの首都レイネストの風景だ。



「相変わらず不可解な国だよ。」


テライトが笑いながらいう。何度も来ているテライトでも不思議な光景。


「私たち、魔法の民にしてみれば精霊の国が不可解な国だけどね。」


リリアさんも、微笑しながらテライトにかえす。やはり、国によって価値観が違うようだ。私から見ると、どちらも同じように不思議な国だけれども。


「アイ、この景色どう思う?」


リリアさんが私に訊ねた。


「凄い....としか言いようがないです。初めて見ました。こんな景色を。」


そう言うと、リリアさんが笑った。そんなに珍しいのかなあとか呟いている。


「じゃあ、用事を伝えに行こう。」


テライトが歩きだし、私達もそれについていく。



「そういえば、リリアさんとテライト....兄様はどのような関係なんですか?」


ふと思ったことを聞く。それに答えてくれたのはリリアさんだった。


「テライトさんは、元々私の知人の親友でね。知人が用事で他の所に行ってるから、たまにこうやって魔法の国に送ってるんだよ。」


友人ってところなのかな?仲は良さそうだ。テライトは大通りをまっすぐ進んでいる。人が多くなってきた。


「テライト兄様?どこに行くのですか?」


敬語をテライトには使わないので、違和感を感じる。


「ああ、ちょっとね。王城に。」


おい、ちょっと待て。今王城という単語が出てきたけれど、この格好で!?この世界ってこんな簡単に王城に行くの?


「王城って....」


「服装は気にしなくていいよ。ここの王はメイトといとこの関係にあたるから。僕とも仲が良いしね。」


いとこかあ。そういえば、精霊の民と魔法の民に子供が生まれたら、どちらかの民になるんだっけ。つまりメイト様の父か母のどちらかの兄弟姉妹がこの国の王族に入ったんだろうな。テライトの交友関係広いな。


「ソウデスカ」


それでも、私にはたいした負担だ。



城門前にいた兵士が、テライトを見る。


「あ、テライト様とリリア団長ですね。ご案内します。」


けっこうあっさり通してくれた。リリア団長?まあ、後で聞いてみるか。


「そういえばそちらの方は?」


兵士が私に気付く。


「僕の義妹のアイだ。こういった所に慣れてないのでな、ほぼ連れ歩かないから知らないのも当たり前か。」


これ誰?口調と雰囲気が変わってる。とりあえず、礼と挨拶をしておく。


「アイ様ですね。分かりました。」


兵士は、城にはいり、私たちを案内する。城は広く、案内がないと迷いそうだ。魔法の国らしく、浮いている花瓶等があったが、気にしない。壁一面にかかれた絵が見えた。建国当時の魔法の国の絵らしい。



「おお。久しぶりだな。テライト。」


玉座の上の人を見て、驚いた。女の人だったのだ。服装は軍服に似ている。やはり、かなりの美人だ。


「シシリア様、お久し振りです。」


テライトは礼をする。私もそれにならって礼をした。


「リリアも、久しぶりだな。」


「はっ。シシリア様、お久し振りでございます。」


リリアさんはなぜか、軍部の人がするような礼をした。軍人なのかな?


「そちらは、テライトの義妹らしいな。ふむ。整った顔立ちをしているな。」


なぜか、誉められた。


「ありがとうございます。アイと申します。」


とりあえず、お礼をいって自己紹介をした。シシリア様はこちらを向いて少し考えると、テライトに言った。


「今日はここに泊まっていけ。あと、テライトは別室で用件を聞く。リリアは久々に魔法騎士団の部下とゆっくりしていくといい。アイは、リリアと一緒に行くといい。」


良いことを思い付いたというような表情で言われた内容に、テライトは唖然とし、リリアは嬉しそうにし、私は驚いた。



玉座の間にテライトを残し、私とリリアさんは魔法騎士団の訓練所に行った。


「リリアさんって魔法騎士団の団長だったんですね。驚きました。」


リリアさんにそう言うと、リリアさんは照れたように笑った。


「まあね。」


しばらく歩いていると、訓練所に着いた。そこでは、模擬実戦が行われていて、魔法騎士の人達が、凄い迫力で闘っていた。


「ちょっと、待っててね」


リリアさんが手に剣を持つとその中に入っていった。


「リリアさん!?」


驚いてそちらを見ると、魔法騎士団の人達が次々と倒されていっている。最後リリアさんと戦っているのは青い髪の男の人。だが、リリアさんに押されている。


「団長ー。不意打ちはないですよ。」


青い髪の男の人が戦いながら不満そうにそう言っているのが聞こえた。リリアさんは笑って受け流している。


「残念。これで終わり。」


キィンと音が聞こえ、男の人の剣がとんだ。



「リリア団長、おかえりなさい!」


「やっぱりリリア団長は強いですね!全く敵いません!」


「でも、不意打ちは駄目ですよ!団長、只でさえ強いんですから!」


リリアさんに、魔法騎士団の人が群がる。リリアさんはちょっと迷惑そうにしている。魔法騎士団は女性、男性どちらもいて、大体30人ほどがいた。


「はいはい、わかったわ。」


リリアさんがげっそりしながら、返事をしている。私が、遠くで不思議そうに見ているのが見つかったのか、今度は私の方にきた。


「リリア団長、この子は?」


「テライトさんの義妹のアイちゃんよ。」


ちゃん付けは止めてほしい。


「義妹か。親が居ないのか。」


何か皆、目がうるうるしてません?皆一斉にこちらを向く。

....なにこのデジャウ。

嫌な予感は当たるもの。

男性のかたには頭をなでなでされ、女性の方からはぎゅーと抱き締められた。


「だから、もう17ですから!」


何を言っても無駄でした。

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