1+2分の1
前の話とかぶっているところがあります。苦手な人はご注意下さい。
<テライト目線>
「いつも通りだな。」
起きてから呟く。
僕はテライトという。精霊の民である。
....だけど、けっこう末端で、銀の髪に朱色の目をしてる。
純血だと黒髪と群青の目を持つ。純血ではない(ヒーブリッド)と、だんだん反対の色に近づく。
朝食を食べ、矢と弓を持ち、いつも通り狩猟に出かける。
昼食用のパンと非常用のパンを買う。なぜパンばかり買うのかというと、ただ単にパンが一番安いからだ。結構な節約家なのである。
狩猟小屋に着いた。
お腹が空いたのでパンを食べる。
「今日はどの区画に行こうかな。」
地図を広げ、行くところを選ぶ。
「決めた。小川辺りに行こう」
準備をして、小屋を出た。
「おー、結構な量とれたなぁ。売るの大変そうだ。」
短時間で魚や獣がいつも以上にとれた。
うれしいが後で大変だ。
太陽は真上にきている。1度狩猟小屋に戻ることにした。
採れたものをアイテム袋に入れ、戻ろうとした時に何処からか木々を倒している音がした。
「なんだ?」
怪訝に思い、そちらに向かう。
「~~~~~‼」
声にならない悲鳴が聞こえた。
「人が襲われてる!?」
素早く矢をつがえ、ジオルグに向けて射つ。
一発で仕留めることができた。
急いで、襲われていた人のところへ向かう。
「ッ、純血?!」
襲われていたのは純血と思われる子だった。
「なぜライネスがここに....?」
ライネスは基本的に王族か公爵だ。
こんな森にいるような身分ではない。
「取り敢えず、小屋に運ぶか。ここは危ない。」
動揺しながらも、その子を小屋に運んだ。
ベッドに寝かせ、水とパンを取りに行く。
ついでに昼食を取る。
パンに昨日作ったジャムを塗る。
「何であんなところにライネスが?」
不思議に思いつつ、その子が寝ている部屋に戻る。
ドアを開けると、その子はもう起きていた。
群青色の目と視線が合わさる。
その子は少し驚いた顔をした。
「起きたんだね。はい。水とパンをどうぞ。」
僕が水とパンを差し出すと、おずおずとその子は受け取った。
顔はとても整っていて、綺麗な子だと思った。
「ありがとう。あの、ここは?」
「ここかい?ここは、私の狩猟小屋だよ。君がジオルグに襲われてたから助けて、ここに連れてきたんだ。怪我してるようだしね」
場所を聞かれたので、答える。
その子は納得したような顔になって、パンを食べ始めた。
その様子がかわいくて、その子の正体なんて気にならなくなっていた。
その子がパンを食べ終わった所で、名前を聞いた。
「君の名前は?」
「あいです。」
その子は少し間を開けて答えた。
「アイか。僕の名前はテライト、よろしくね」
自己紹介すると、アイははにかんだ。
その様子が可愛くて、顔が赤くなりそうだ。
照れを隠すために僕はさらに質問をした。
「ところで、アイはなぜラサハの森に居たんだい?」
するとアイは困ったような表情になった。
「うーん。自分でもよく分からないです。目覚めたらあの森にいたから。」
そういう答えが帰ってきた。目覚めたらあの森にいた?
そこで、アイが着ている服を見て違和感を覚えた。
「その服はこの辺の服ではないね。そして目覚めたらあの森にいた、か。もしかして"世界を航る者"....?」
思わず呟いた。まさか、こちらの世界にいるような見た目なのに....?
まぁ、考えても仕方ないか。
そう思ってアイを見ると、アイも何かを考えていた。
「おーい、アイー?おーい、おーい」
呼び戻して、足の調子を尋ねた。
アイが顔を少ししかめたので、精霊術で治してあげた。
なぜ、今なのかというと、動揺してて忘れてたからだ。
アイは驚いた顔をしていた。
やはり"世界を航る者"なのか?
でも、やっぱりアイがかわいくて思わず笑ってしまった。




