1.狩猟小屋で
足に痛みを感じて目を開ける。
「ここは....?」
身体を起こし、周りを見渡す。丸太小屋みたいだ。
寝ていたところを見る。ベッドだった。
「ベッド....?」
そのとき、小屋の入り口が開いた。
そこに目を向ける。朱色の目をした青年が入ってくるところだった。
青年がこちらを向いた。とても美形だ。
「起きたんだね。はい。水とパンをどうぞ。」
そういって、水とパンを渡してくる。
「ありがとう。あの、ここは?」
気になっていたことを尋ねる。
「ここかい?ここは、僕の狩猟小屋だよ。君がジオルグに襲われてたから助けて、ここに連れてきたんだ。怪我してるようだしね」
あの恐竜っぽいモノはジオルグと云うらしい。
パンを食べた。パンは甘いジャムが塗ってあっておいしかった。
青年は優しい目でこちらを見ていた。
食べ終わったあと、青年が聞いてきた。
「君の名前は?」
少し考える。
「あいです。」
「アイか。僕の名前はテライト。よろしく。」
青年が微笑んだ。美青年なので、思わず赤くなってしまいそうで、取り敢えずこちらも笑ってごまかした。
「ところでアイは、なぜラサハの森に居たんだい?」
ちょっと困った質問をされた。自分でもなぜ、あの森にいたのか分からないから。
「うーん。自分でもよく分からないです。ただ、目覚めたらあの森にいたので。」
テライトは考え込む。そして、私の服を見て呟く。
「その服はこの辺の服ではないね。そして目覚めたらあの森にいた、か。もしかして"世界を航る者"....?」
呟きから聞こえた"世界を航る者"という単語が気になった。
世界を航る者....?もしかして転移者のこと?
色々考えているうちに時間がたったようだ。
「....ーい、おーい」
テライトが呼んでいる。
「ッ、すいません。ボーッとしてました。」
「いや、いいよ。足は大丈夫?」
少し足を動かしてみる。
痺れたような痛みがはしり、少し顔をしかめた。
「まだ、治ってないみたいだね。ちょっと見せてごらん。」
言われた通り、足を出した。
自分で見てみると少し腫れていた。
「腫れてるね。ちょっと待ってて」
テライトは手を足にかざし、目を閉じた。
集中しているようだ。
「<世界に満ちる精霊達よ、かの者の傷を癒せ。>」
柔らかい光が足を包み、消える。
足の腫れはひいていた。
「これは....?」
テライトはニコッと笑い、手をどかした。
「精霊術だよ。見るのは初めて?」
そこで、異世界転移したことを確信した。
恐竜っぽいモノ(ジオルグ)に襲われた時から思っていたが、
今度の精霊術が決め手になった。




